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        一新塾ニュース今のニッポンを変えろ!
         【第280号】 発行日:2007年4月18日
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目次
■ 一新塾 講義録   『掃除に学んだ実践経営哲学』 (その2)
                       (〜塾生との質疑応答場面より)
          (株)イエローハット 創業者
          日本を美しくする会  相談役  鍵山秀三郎 氏

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5月の公開講座&問題解決ミニワークショップご紹介
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

今回は今年の2月21日にお越しくださった鍵山秀三郎氏のご講義より
第二弾、講義後半の塾生との質疑応答の場面よりお届けします。
前回の講義録を読んでない方はこちらを御覧(クリック)ください。


一新塾は年に45以上の講義やワークショップがあり、さらにチーム活動も
行っていますが、講義は社会変革に挑戦された先駆者の姿勢を学ぶと共に
深い知恵をいただくことのできる大切な時間です。
そのため、講義後半の約1時間を「質疑応答」や「ディスカッション」の
時間として講師とインタラクティブに意見交換しています。

「どんな質問をなんのためにするのか。」
塾生がどれだけ真剣に本気になって講師に問いかけるかが、
講師から本当の深い知恵を引き出せるかどうかの鍵を握ります。

今回は、ある塾生の素朴な質問にお答えいただいた鍵山氏の哲学を
皆様にも是非お伝えしたいと思いましたのでお届けいたします。

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■■■■           一新塾講義録 
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■■      『掃除に学んだ実践経営哲学 』  (その2)
■■                       (〜塾生との質疑応答場面より)
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□            (株)イエローハット 創業者
□             日本を美しくする会 相談役 鍵山秀三郎 氏


【講義後半の質疑応答の場面より抜粋】

(塾生の質問)

お話の中で、「日本人は美徳が少なくなってきた」とか「不幸せな豊かさがある」
というお話がありました。鍵山さんが思われる、もっともっと謙虚に生きるために
どうすればいいのかという教育論というか、お考えははあるのでしょうか?

(鍵山氏の答え)


街中を歩いたとき、最近の人はよくぶつかることがあると思いませんか?荷物を
ぶつけたり、後ろから来てすれ違いざまにぶつけて通ったり。ちょっと気をつけ
ればぶつかる必要がないはずなのにぶつかってゆく。

私は飛行機でも新幹線でも通路側に座ることが多いんです。あとから来た人が
狭い通路を荷物を背負ってくるので、荷物がぶつからないように、こちらも
よけているにもかかわらず、ぶつけてゆくんですね。(笑)

みなさんそういう経験多いでしょう?全く周囲のことに対する気遣いがない。
そういう人は、いつの間にか孤独になっている。周囲に人がいないのと同じに
なっちゃう。無人の荒野にいるかのようなですね、同じになってゆくんですね。

今、日本人の中学生の調査によると29.8パーセントが孤独でさびしいって
言っているわけです。親の元に住んでいてもですよ。孤独で寂しいっていう人の
共通点は何か?

「人の心がわからない」「人の心に自分の心をかけることができない」人。
これが孤独で寂しいひとなんですね。

ということで、今、日本は物は豊かなんだけど、なんとなく心が波立って落ち
着かなくて、というのは「周囲の人たちに配慮がない」というのが大きな原因
になっているんだと思うんですね

そこで、私が提唱しているのは「もっと気づく人になりましょう。」ということ
ですね。これが私の徹底した考えなんですね。

「気づかない」あるいは「物事に無関心」、これはもう本当に怖いことなんです。
昔、ヘレンケラーが日本に来た時に「無関心という病気ほど怖い病気はない。」
と言ったんですね。まだ他の人も言ってますよね。「無関心は愛の反対」と
言ったインドのマザーテレサ。無関心は愛とは正反対だと、全く愛のない行為の
ことを無関心というと。

今、日本人は自分のことにはものすごい強烈な関心を持つのに、他人のことに
ついてはどんどん関心が薄れている。ましてや社会のことに関しては関心が薄い。
学校でも、自分の子供だけには関心はもつけど、学校には関心を持たない。
こういう風になってきたわけですが、これが大変な恐るべき風潮であるという
のが私の考え方です。

自分の子供だけが、学校の中で幸せになることなんてできないでしょう?学校が
良くならなければ、子供は幸せにならないですね。まず学校全体がよくすること
が大事。にもかかわらず学校全体なんてどうでもいいんだ、私の子供だけ大事に
してくださいという考え方の親がものすごい増えている。そのために、学校の
先生がノイローゼになってしまうくらい。このままいったら教育制度そのものが
崩壊して、先生のなり手がいなくなってしまうかもしれないですね。

そこで最初に戻りますが、「気づく人になりましょう。」ということが徹底した
私の持論なんです。じゃあ「気づく人になりましょう。」ってなれるかっていう
となれないですよ。では、気づく人になるために、どうしたらよいか。

もっとも確実な方法は「人を喜ばそうという思いをもっていつも行動すること。」
この気持ちがない人は、全く気がつかない。もう一つは「徹底した掃除をする。」
ということ。この二つを組み合わせると本当に人が変ったようになっていくんです。

今「日本を美しくする会」に色んな方々が参加をしてくださるようになりましたが
それによってガラっと人が変ったようになった方がずいぶんいます。ことあるごと
に対立していたご夫婦がこの会に来るようになってお互いに感謝するようになって
仲良くなったこともあります。

徹底した掃除に取り組むということは、色んなことに気がついて、なんと今まで
自分が見えなかったか、見ようとしなかったか、ということに気づいてゆく
ということだと思います。

まだ他にもありますが、少なくとも、いつも人を喜ばそうと思って、思っている
だけじゃなくて行動に表してゆくことによって間違いなく気づく人に変ってゆく
ということを私は確信を持っています。

「無関心からの脱却の第一歩は」気づく人になるということ。掃除をすると何が
いいかというと、
    1)謙虚になる
    2)気づく人になる
    3)物事に関心を持つことができるようになる
    4)感謝できるようになる
    5)この(上記)4つのことを通して自分の心を磨くことができる


     これが「日本を美しくする会」の5つの求めているところです。

(塾生の追加質問)

それは、ある程度、強制しても身につくものでしょうか?例えば掃除とかでも。

(鍵山氏の答え)

どんなことでも、強制されるものは身につかないと思いますね。掃除に限らず、
強制されることは身につかないと思います。

よく、うちの会社に研修に来られる経営者の方がいるんですが、
    「いやあ、感動しました。帰ったら明日から全員にやらせます。」
という方がいますが、その方には
    「やめなさいよ。そんなことしたら、かえってマイナスになりますよ。
     まずあなたが自分でコツコツとやることです。」と伝えます。

世の中には偉い人すごい人っていますよね。でも生まれた時からすごい人ですか?
みんなそうじゃないですよ。
生まれた時は一緒でもコツコツ、コツコツとやり続けた人がすごい人に変ってゆく
わけでして、そういう意味でまず自分から始めることをお勧めしますね。

その姿勢を見て、人がそこから学んでゆくという、そういう道をお勧めします。

 



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