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      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第202号】 発行日:2005年8月30日

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目次
■一新塾講義ノート   
  清水全氏講義「市民が動かした!しなの鉄道経営改革奮闘記」

第17期説明会いよいよスタート!あなたのミッション発見へ  

イベント『ハコモノ再生 第2のチャレンジ!』(9月15日)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
いよいよ本日、第44回総選挙が公示され、9月11日の投開票日に向けて、
12日間の選挙戦がスタートしました。 各党からマニフェストが出され、
演説では政治家が改革の進展を競いあって いるように見受けられますが、
“国家主権の幹”に地域主権の枝をとって つけたような、
まやかしの改革プランしか提案できません。
政治家任せでは、決して本物の改革は起こらないと思います。

実は“中央集権”から“生活者主権の幹”へと幹ごと変える、
明確な社会ビジョン に基づくゼロベースの改革プランは、しがらみのない
市民によってのみしか 先導することはできないのではないでしょうか?
今回の選挙では、 私たちは観客席から評論するだけでなく政治家を突き
上げて いく市民の本気の覚悟が試されるのだと思います。

さて、今回は長野県で4年半に渡る地道な活動を通じて、赤字経営の
第3セクター鉄道を見事、黒字転換させた市民プロジェクトの成功事例を
ご紹介いたします。

一新塾講義ノート(2005/8/3)□■■■□□■■■□□■■■□□■■

  清水全氏 講義録 「市民が動かした!しなの鉄道経営改革奮闘記」

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■ 講義テーマの背景と講義のねらい

講師の清水全さんは、銀行・証券のコンサルタントから工業技術のコンサル
タントに転身したユニークな経歴の持ち主。現在は、長野県のインキュベー
ション施設に入居し、開発した技術の起業化を目指されています。

2000年10月長野知事選にて保守王国だった長野に無党派・市民派の
田中康夫知事が誕生。この一翼を担ったのが、小布施に住む一新塾6期の
木下豊さんでした。

新知事誕生後、木下さんより「県民の声を知事の県政に反映させるために協力
者を募りたい」ということで、同年12月、一新塾有志にて準備委員会が立ち
上がり、議論を重ねる中で取り組みテーマは「しなの鉄道」問題に絞られてい
きました。

清水さんは、一新塾メンバーの大学時代の友人であり、選挙の応援で木下さん
と共に活動されていたご縁もあり、 01年1月には、清水さんはじめ上田勝手連
のメンバーと一新塾のメンバーで「しなの鉄道研究会」が発足されました。

長野新幹線(整備新幹線)との平行在来線を引き受ける日本初の第3セクター
の経営改革に、沿線住民である上田市のメンバーと東京からの一新塾有志
メンバー数名らの市民が立ち上がり提言し、動きをつくったこの事例は、
これから、市民プロジェクトを立ち上げていこうという私たちにとって大変
勇気付けられるものであります。
(参考)→ http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/merumaga/kn_011009.html

以下は当日の講義の模様です。

■長野の第3セクター「しなの鉄道」の黒字転換を目指して

「しなの鉄道」とは、平行在来線を引きうける日本初の第3セクター
(県出資75%)である。

平成9年の長野新幹線(整備新幹線)の開業に伴い、「信越線」軽井沢―篠ノ井
をJR東日本より約104億円で購入し、しなの鉄道株式会社として再スタート。
しかし、毎年経常損10億円の赤字を出しており、その穴埋めに県民の税金が充
てる計画や、値上げの検討がされていた。また、マイカーや新幹線に人の流れ
をとられることで、そのしわ寄せが沿線住民に押し付けられ、サービスの低下
や地域の衰退などが懸念されていた。

平成12年に田中康夫氏が知事当選してから急激に業績が回復、そして平成
16年度には黒字転換。今17年度には2億5千万円の黒字が出るだろうと予測
されている。
長野県には第3セクター、外郭団体が全部で約40あり、赤字で垂れ流し状態
でしたが、この「しなの鉄道」の立ち直りにより、2004年より外郭団体、
第3セクターの改革委員会が生まれ、40のうち28が整理され、残り12の
団体も黒字転換しなければ潰す、ということになりました。

県の外郭団体は本体以上に隠れ借金を作りやすい体質にあります。
私たちの運動が波及して、長野の改善に結ばれたことは本当に嬉しいと思い
ます。ですが、この改革はまったく順調なものではありませんでした。

■4年半(2001年1月から)の活動を振り返る

研究会の目的は、「第3セクター鉄道の経営を改革しよう」という活動です。
主張したことは、 「補助金をつっこむな、駅を作るな、与信を与えるな」
収支を均衡させないと、会社は立ち直れませんよ、ということをずっと主張し
てきました。まるで企業の再建屋のような活動でした。これは従来の市民活動
とは違うので、なかなか理解されないものでした。でも「しなの鉄道」が長野
県民の永久不良資産になってはいけないと、活動を続けてきました。

■市民運動のポイントとスキルとは?

活動のイシューを明確化させることが大切。
          まず問題提起、ビジョンをつくって活動を始めること。

そして持続。3ヶ月と思って始めた活動が、4年半かかりました。
         とにかく交渉をバリバリとヅ続けてゆかねばなりません。

プレゼンは短く、個人にすることも多いので短時間で説得する
                         ことができるように。

市民運動は過激でも穏健でもだめ。その兼ね合いが難しい。

なんといっても「ねばり」   

◆清水全氏の講義の様子を写真や塾生の講義後の感想と併せて 
HPでもアップしました、ぜひご覧下さい!  http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/kogiroku/kk_050803.htm




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