一新塾卒塾生からのメッセージ
山口 順平 氏
茅ヶ崎市議会議員
一新塾38期卒塾
◎入塾前は会社員
地域で市民活動→市議会議員(在職立候補)
「市民や企業や行政など立場を超えた人のつながりの『のりしろ』に」
人材サービス会社に入社して16年たった頃、「社会に価値ある仕組みを作り、持続可能な日本の未来を作ることに貢献したい」と思うものの、その思いが漠然としていて自分のなすべき事を明確にしていく必要性を感じている時、一新塾の体験セミナーに参加しました。
ここで様々な講師や仲間と議論を重ねて、自分の心にある揺るぎない「根っこ力」を磨き、早く自分の成し遂げるべきことを見つけて邁進したいと思い、2016年に東京本科に入塾しました。
当時は将来的に社会起業やNPO、コミュニティビジネスを創出することに憧れを持っており、政治家として仕事をするイメージは持てていませんでした。ただ、坂本龍馬や高杉晋作に憧れていたので、市民代表として社会に貢献する役割を模索していたことは確かです。
資本主義や競争社会に寄りすぎた、誰かだけが偏って得をする世の中から、三方よしを意識した協働、お互いが助け合う世の中とバランスが取れた社会を作りたい、生涯イキイキと暮らせる社会、生涯現役で次世代に負担を増やさず持続可能な日本の社会システムを残したい。そのために社会に貢献したいと思っていました。
一新塾では手を挙げて自分のミッションで仲間を募り、プロジェクトを始められる仕組みがあったので、「茅ヶ崎から始める超高齢社会への挑戦」というテーマで同期からメンバーを募り、チームを立ち上げました。
ビジョンは「地域住民がお互いに助け合い、心がつながる地域包括ケアが本当に機能している社会」
「高齢者は地域の資産、地域のレジェンドとして、支えられるだけでなく、お互いに価値発揮できる関係」を描きました。
まずは近所の85歳の独り暮らしのおばあちゃんにお話をお聞きしたところ、色々な思いがあるものの、弱みは見せたくないようで、何かあっても助けてとは言えないようでした。このおばあちゃんが活躍できる役割と出番が生まれて、困った時に助けてと言える状態になったらいいなあと思いました。
そこで、おせっかいを仕組化して市民一人ひとりがお互い価値を発揮できる地域のつながりをつくる「生活支援サービス」を要支援や介護を必要とする困っている心を閉ざしている高齢者の方にやってみようということになりました。自宅に訪問して5分100円から。ごみ捨てや日常の掃除、草むしり、お買い物同行、代行、パソコンやスマホの操作習得、話し相手になるなど。大切なのは、気持ちの面での豊かさ、心がオープンになる関係をめざしました。
そのために、まずチラシをつくり、場所を絞って4日で2500枚を配り、信用を得るところからはじめました。その結果初めてのお客様がサービスを依頼してくださり、500円をいただきました。その重みは言葉になりません。
チラシ配りも茅ヶ崎の住民の方が5人手伝ってくださったり、海岸地区自治会では同じマンションに住んでいる理事の方が場所をセッティングしてくれてサービスの説明会をしました。その後も活動を通して茅ヶ崎の知り合いがどんどん増えてゆきました。
卒塾の時は生活支援の活動から「自分らしく暮らせる、地域のつながりがある社会」を目指して事業化への発展計画を発信しましたが、その後、認知症デイサービスのボランティアスタッフ、湘南ワンハンドレッド(多世代協働プロジェクト)リーダー、自治会理事など、多分野で子どもからシニアまで多くの方々と関わる貴重な経験をさせていただきました。
数年間、地域活動に踏み込んでみて、命の使いどころまさに''使命感''を感じ、茅ヶ崎市議会議員に立候補することに決めました。
会社には在職立候補制度があったので、それを活用し、会社に所属したまま、市議会議員選挙にのぞみ、2023年4月、2,284票をいただき、45歳で初当選することができました。
選挙前には、「24万人が活きるまちづくり」をめざして、100人と対話してマニフェストを作成しました。誰しもが「自分を活かしたい」という想いを持っていて、足りないのは、その想いを活かす機会だということが分かりました。24万人で茅ヶ崎を変えていく。大切なのは、対話と参加。対話することで議論を深め、参加することでまちが自分ごとになる。その機会を3つの方法で生み出していこうと思います。
「みんなの市民議会の設立」
「顔の見えるコミュニティ」
「まちの人事部を設立」
人材サービス会社での経験を活かして、一市民として取り組んでゆこうと思います。
山口順平(茅ヶ崎市議会議員)
山口じゅんぺい
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