一新塾卒塾生からのメッセージ
佐藤好宣 氏
株式会社MITU代表(自然農園)代表
元言語聴覚士
一新塾32期卒塾
◎入塾前は言語聴覚士
→ 新規就農 → 農福連携
「農業のソーシャルファームを目指して」
私は学生時代にボランティア活動で障がいのある子どもたちと出会ったことがきっかけで、リハビリ(言語聴覚士)の資格を取得し、病院や介護施設で働いてきました。
障がいのある方々やご家族と話すと「働きたくても働ける場がない」などの声に触れてきました。
実は、私自身、学生時代に交通事故に遭ったことがあります。交通事故からの数年間は、社会から孤立気味で、頭痛や吐き気、手足のしびれ等に悩まされている時、
外見は普通だったので、症状に悩まされても「精神的に病んでいるだけだ」等と理解されずに心身ともに疲弊していました。
ちょうどその時に、ふと「畑でもやってみよう」と、友人や家族と農作業をすることで、心身にとてもいい影響を与えてくれました。疲弊していた心身も癒され社会復帰への一歩を踏み出せました。
その後、リハビリの仕事を始め、そこで病院を退院した後に行き場がなく引きこもりになってしまう人たちと出会い、かつて交通事故の後遺症で悩んでいた自分と重りました。
このような体験を通して、漠然とですが、「農業を通して就労の機会を設けたい」と思うようになりました。
実際に「農業をしてゆこう」と思ったきっかけは東日本大震災です。仙台市の沿岸部にあった自宅が流出し、すべてを失ってしまいました。
「人生は一度きり、自分のやりたいことをやろう」と新規就農する決意をし、農業と福祉の在り方について真剣に考え始めました。
その頃、一新塾の塾生募集の広告が目に止まり、「志」のキーワードに引かれ説明会に参加。ビジネスプランや戦略ありきの講座ではなく、志ありきでその根っこを深めてゆくというスタンスに魅力を感じました。
学びながら準備をして、平成26年に宮城県仙台市と大崎市で新規就農。
翌年からは地元のNPOと連携して障がいある方々と一緒に農作業を開始しています。
2017年には株式会社MITU(自然農園)を設立。
現在は、仙台市高砂地区と大崎市古川地区に合わせて4ヘクタールの畑を管理し、サツマイモやニンジン、ヤーコン、ブロッコリーなどを生産。
障がい者の就労支援施設4ヶ所と社会復帰を支援する団体2ヶ所と連携して施設利用者を受け入れています。
地域の農家や他業種と連携しながら、障がいある方が生きがいを感じる地域を目指して活動しています。
佐藤好宣 (株式会社MITU代表(自然農園)代表)
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