塾生の声

一新塾卒塾生からのメッセージ

一新塾44期・53期・NPO法人ReMind代表・理学療法士

河合 麻美 氏

NPO法人ReMind代表理事
リハビリママ&パパの会代表幹事
インクルーシブフェスタ実行委員長
理学療法士
一新塾「東京本科」44期・53期

◎入塾前は理学療法士・NPO代表
→新規プロジェクト立ち上げ


「誰も取り残さない包含社会がつくりたい」


一新塾に入ったのは、2019年にNPOを立ち上げて間もなく、「地域と医療を繋ぐ町の保健室をつくりたい。心身に障害があっても車椅子でも安心して集えるバリアフリーな飲食店を併設して外出のハードルを下げたい。」と思ってのことでした。
25年間日赤病院で理学療法士として働く中で、心身が不自由になった方や障がいのある方、障がいがなくても孤独で生きづらさを感じている方々と接してきて、障がいがある方の通訳として何かできないかと思っていました。

医療や福祉も縦割りで連携は少ない。車いすユーザーが気軽に外出できない。健常児と障害児の分断教育により幼いころからのインクルーシブ教育や多様性を認める教育がされていない。高齢化が進んでいるにも関わらず経済効率化や能率化の優先のあまり、みんな違って当たり前の多様性を認める社会とはなっていない。産後うつやDV虐待の増加と少子化。

身の回りにある多様な課題から思うのは、医療と地域の中間地点の必要性です。

しかし、このような思いで一新塾の仲間と立ち上げたプロジェクトが始まって間もなく、2000年からコロナ禍となってしまい、リアル店舗の道は閉ざされてしまいました。

そんな状況ではありましたが、私の一番の一新塾の思い出は、一新塾に入塾して初めて母のことを外部にオープンにし、母と自分の関係性を見つめ直せたこと。想像もしていなかった本当に大きい人生の転換でした。母は障がいを持ち闘病していました。私は母の障がいを人に言えませんでした。これまで当たり前のように触れないように蓋をしてきた人生だったので、まさかここで蓋が外せるとは思わなかったのですが、一新塾メンバーの前向きさと懐の深さに「ここでなら話せるかも・・・」と感じたのでした。話しても大丈夫なんだ、話したら壊れてしまうのではないか?あんなに怖かったのに、自然に受け入れてもらえて、本当に肩の荷が下りたような気がしています。母のすべてを受け入れることができる扉が開きました。そして同月、母は他界しました。

この体験から実感したのは、目指していた「バリアフリーカフェ&健康居酒屋」は「受け入れる雰囲気、寄り添える温かさ」があれば、どんな場所でもよくて、一新塾の場で私が荷を降ろせたように・・・ここでなら話せるという場になれたらと思うようになりました。

森嶋さんとは何度も面談をする度に原点に返り、自分が何のための何がしたいのか、なぜ自分でなければならないのか、を考えることができて本当に良かったです。ビジョン先行型の自分ですが、森嶋さんに言語化してもらうことで自分の中で絡まっていた想いがほどけてゆくような感覚がありました。その思いを基軸に、コロナ禍では「女性のこころと身体のオンライン講座」を行ったりしながらプラットフォーム作りを始めました。

そしてNPO法人ReMindを立ち上げた2019年から4年半の2023年11月一新塾に再入塾。コロナ禍も、コツコツ行ってきた「町の保健室」「オンライン健康居酒屋」など気軽に心と身体の相談ができる場を作ってきましたが、今度は大きくリアルで場をつくりたい。2024年の9月開催を目指し、地域の社会課題に向き合う支援団体や行政や企業などをインクルーシブ社会に向けて横軸で繋ぎたいと思い、「インクルーシブフェスタ@さいたま新都心駅前のけやき広場」を計画。ビジョンを描き直し、活動を進め、実行に至りました。1000人の参加者を目標としていましたが、来場者はなんと1400人。クラウドファンディングで費用を募り、地域の子ども、支援者、障がい者、高齢者が集い、つながりを作れました。その場には地域の多様な団体が参加、一新塾で出会った茂木有希子さんが運営する「共生・多機能型デイサービス ダイアリー」ハート&アートも参加してくださいました。茂木さんには、認知症バンドとして活動している団体もご紹介いただき舞台で演奏していただき、盛り上がりました。

「インクルーシブフェスタ」は「ちがう」をつなげてみんなの「つよみ」に を合言葉に支援者同士の連携で切れ目のないサポート体制をつくりあげたいと開催。これからさらに連携を深めて「誰も取り残さないインクルーシブな地域」を作ってゆきたいと思います。

河合麻美(NPO法人ReMind代表・理学療法士)

NPO法人ReMind

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