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今回は、一新塾第25期で柏市議会議員の山下洋輔さんのメッセージをお届けいたします。
山下さんは、2009年11月に一新塾第25期に入塾され、「おばあちゃんの知恵袋」プロジェクトを立ち上げ柏市を舞台に中学生を対象者に活動されました。
そして、2011年8月に柏市議会議員に立候補され初当選、現在2期目で、『教育のまちに』をミッションに、柏の地域の方のために日々、奮闘されていらっしゃいます。
山下さんの志を生きる挑戦をお伝えさせていただきます。
塾生活動レポート
学校だけでなく、社会全体が学びの場です。
社会で子どもたちを支えるだけでなく、子どもたちの研究が、未来の社会を創っていくことを目指しています。子どもたちの研究の数だけ、地域に働きかけるプロジェクトが生まれます。子どもたちの視点で、大人たちを、そして社会を動かしていきます。
例えば、高校生の環境保全の研究が、行政を動かしました。私が個人的に開いているミライ社会研究所という自由研究クラブで、「谷津田を保全するにはどうしたらいいか?」を調査し、解決策を考え、それだけでなく、保全活動や政策提言をまとめ、行政の計画に反映されました。
変化の激しいこの時代において、新しい課題を見出し、その課題に積極的に向き合うことのできる人材を育てていきたいと考えています。
そのためには、学校だけでなく、社会全体で学び合う体制を整えていく必要があります。例えば、世界の最先端のお仕事をされている大人や地域の歴史に詳しい大人が、近所に住んでいることもあります。
既成概念にとらわれず、実社会の中で、世代を越え、文化を越えて、学び合う。そんな「教育のまち」を実現させることが私のビジョンです。
私は、中学生の時に、大阪から千葉に引っ越してきました。自分のアイデンティティに悩み、「地域」と自分とのつながりを考えました。地域に根差した歴史・文化・人とのつながりのある仕事につきたいと思うようになりました。
大学生の時、高校の先生に進路の相談に伺いました。内容は忘れてしまいましたが、「なぜ私は高校の先生に相談したのだろう?」という問いが湧き起こり、教員は人とのつながりの強い職業だと気づきました。
そして、私は 高校の教員となりました。学級担任、授業、部活動、住み込みで学生寮の監督、PTA活動、学校改革と全力で取り組んできました。
しかし、学校だけでは解決できない課題にも直面しました。生徒指導や進路相談から、家庭や社会の経済状況や地域の治安など、子どもを取り巻く環境を整えなければならないという思いを強めました。
子どもの貧困や教育格差、地域コミュニティの崩壊は重大な社会課題です。
私の住む柏市は、戦後、急激に発展した自治体です。昭和25年に約6万人だった人口が、現在では約42万人です。約7倍になりました。
柏市に移り住んでこられた方の多くは、都内で働き、日本の戦後の経済成長を支えた先輩方です。今、その先輩方は都内での仕事を退職されます。これからの生き方は、ご本人だけでなく社会全体にとって重要です。
健康で、生涯学び続け、生きがいの持てるような地域を目指し、取り組んでいます。その一つが、子どもとの学びです。
子どもを支えていくことをきっかけに、地域の人々がつながり、生きがいを持てる活動が生まれていきます。「子どもを一人育てるためには、ムラが一つ必要だ」ということわざがあります。しかし、今の日本の子育てや教育は、家庭や学校まかせになっています。もっと、地域や社会の支えが、子育てや教育には必要なのです。議員になる前から、不登校児童・生徒の支援や親の相談などの活動をしてきました。NPOなどでは、素晴らしい活動が展開されていますが、中心人物の努力や個人の財力で運営されていることが多々あります。中心人物が引退してしまったら、活動が衰退してしまう事例を数多く見てきました。
市議会議員となり、素晴らしい活動がシステムとして機能するよう、公的な支援を制度化したり、行政や企業との協働を後押しすることができました。
たとえば、一部のNPOによって行われてきた学習支援が、行政の事業として制度化され、これまで活動してこられた方々の経験の蓄積を生かして全市内に展開されました。
NPOにとっても、公的な資金が入り、持続可能な運営となりました。
教員一個人の成功モデルを市内の学校に広め、続けられるよう支援してきました。公教育では支援しきれなかった子どもたちに対しては、NPOとも協力し、制度化や予算化を進めています。
たとえば、千葉県館山市に北条小学校では、指導案、教材、子どもの活動記録、教師の反省など、過去の授業の記録をアーカイヴし、学校で共有して、年ごとにブラッシュアップし、次年度の指導に活かしていく、という仕組みが制度化されています。
北条小で務めた教員は授業力や考え方を身につけ、他校に転勤すると、北条小での実践を役立てていくことになります。
各自治体の教育委員会(教育研究所)が、教材を開発し、市内の学校へ普及していく役割も担っています。私は、教育員会と対話を重ね、これまでの私の研究成果を提案してきました。柏市が、プログラミング教育が積極的に取り組んでいるのも、その一つです。
1つの教室や学校だけではなく、柏市内すべての学校に働きかけられることは、学校の教員ではできなかった市議会議員ならではの仕事です。
国会議員には変えられないことが、市議会議員では変えられるという実感があります。
通学路を安全にしようと働きかけたり、食育の取り組みのために地域の農家さんとのつながりを作ったり、家庭環境の違いで塾に行けない教育の格差をどう埋めるかなど市議会議員は、子どもたちや現場の先生、保護者、地域の方々と密に話ができ、変えていくことができました。
今、全国の自治体では、人口減少と施設の老朽化、厳しい財政に直面し、公共施設をリストラせざるを得ない状況で、学校の統廃合が進んでいます。
柏市の公共施設等総合管理計画のための調査報告では、3つの小学校の統廃合の可能性が示されています 。
私は学校の統廃合には反対です。小規模校は廃校ではなく、小規模校ならではの良さを生かした教育を打ち出していくべきと主張してきました。
あえて複式学級を選択することで学年を超えた学び合いやICTを活用した個別学習を実現させるなど、少人数でのアクティブラーニングが可能となります。自然体験や地域との交流の機会も大きな魅力です。学習指導要領に従った複式学級や教科横断のカリキュラム作りなど研究や実践が進め、教育委員会で特色ある学校づくりをバックアップしていくよう、議会から提案しています。
例えば、統廃合の可能性が示されている3つの小学校を、モンテッソーリやイエナプラン、ドルトンプランといったオルタナティブ教育の学校として設置するという対案を示しました。
学習指導要領や教職員の予算は国・県で決められていると言いますが、教育現場の最前線に立っているのが地方自治体です。理念的な議論ではなく、目の前にいる子どもたちのために市議会議員は日々活動しています。
1.教育政策立案
誰も見捨てられないよう教育機会を保障するための公教育を整備します。教員経験があり、教育学研究を押さえ、教育委員会とも対話し、社会教育や地域のネットワークを活かし、柏市のより良い教育を実現させ、他自治体にも広がっていくよう働きかけていきます。
2.「かしわ知恵の森」プロジェクト
今年の1月から、柏駅前に新しい「暮らしと文化の拠点」となるライブラリー、ミュージアム機能を備えた「教育のまち」の拠点づくりを柏市に提言し、実現に向けて働きかけます。
3.現代版「山びこ学校」構想
世界中の地域が学び合う寺子屋ネットワークを構築します。柏市の姉妹友好都市の学校と柏市内全42小学校が、通信技術を活用して、それぞれのクラスで一緒に授業を開催したり、協同して研究したり、話し合ったりすることを提案しています。
柏で開催している学びの場「PowerLab」とクアラルンプールの教室や地方都市のコミュニテイと結び、実験的な授業を実践しています。
この文章を書きながら、自分の根っこを掘る大切さを思い出しました。
立派なビジョンを掲げても、私自身の根っこにつながっていなければ、人の心に響きません。
データや属性で見るのではなく、一人ひとりに寄り添って考えていくことは、政治家として忘れてはならないことだと思います。
山下洋輔HP http://y-yamasita.com
このたび、新しい一新塾本を出版いたしました。
「誰もが志を生きるガイドブック」です。
本書では、新しい時代を拓く鍵である『根っこ力』に迫ります。
自らの「根っこ」に根差して、社会創造に挑んでいったときに、何が起こるのか。
社会変革者の先駆者の実践が、次に続く方にどのように伝承され、人生にどのような化学変化が起こり、どのような社会変革の行動が生まれてきたのか。
あらゆるバックグラウンドの一人ひとりが、市民として志を生きるチャレンジに挑んだ実践例を通じて、その計り知れない可能性を感じていただきたいと思います 。
時代の転換点、これまでの敷かれたレールは崩れ、社会のあり方も人間の生き方も問われ直すこのタイミングで、この本によって、あなたも志を生きる挑戦に
一歩踏み出していただきたいと思います。
こちらからご購入いただけます。
(1)アマゾン
https://www.amazon.co.jp/dp/4863591306/
(2)一藝社
http://www.ichigeisha.co.jp/
(3)一新塾
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b_issryku_book.html
【目次】
はじめに
1 伝承される市民の知恵
2 志を育む場はこうして生まれた!
3 すべての人が志を生きるための道
元三重県知事・早稲田大学マニフェスト研究所顧問
北川正恭 「生活者起点で一点突破、全面展開」
(株)日本総合研究所 調査部 主席研究員
藻谷浩介 「里山資本主義で描く日本の未来」
NPO法人アサザ基金代表理事
飯島 博
「霞ヶ浦再生に向けて28万人の市民が参加したアサザ・プロジェクト」
非電化工房主宰・日本大学工学部教授
藤村靖之 「地方でいいことで愉しく稼ぐローカルアントレプレナー」
評論家・JET日本語学校 名誉理事長
金 美齢 「日本と台湾の懸け橋でありたい」
社会活動家・法政大学現代福祉学部教授
湯浅 誠 「貧困の現場から見える日本社会」
NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表
清水康之「誰も自殺に追い込まれることのない社会」
元三鷹市立第四小学校長・元三鷹市教育長・東京家政大学特任教授
貝ノ瀬滋 「地域と学校をつなぐ、コミュニティ・スクール」
一新塾理事・山梨県立大学名誉教授
前澤哲爾 「日本にフィルム・コミッションをつくる」
★一新塾の講師のすべての皆様に感謝を込めて(1994年~2017年)
グッドモーニング仙川!プロジェクト代表
児島秀樹 『誰もが自分の街のキャスト(出演者)になれるまち』
「渋谷のラジオ」ファウンダー・チーフプロデューサー・「渋谷みつばちプロジェクト」代表
佐藤 勝 『市民・企業・行政が本音で協働できる情報プラットホーム「渋谷のラジオ」』
ペットシッター・ペットホテル「ニャンワンクラブ」代表
菊池信恵
『「るーぷる仙台」に手を振ろう~受容する街をめざして』
「旅宿 コットンクラブ」ペンション経営
早野慎哉
『地元、阿蘇の「阿蘇らしさ」を後世に残すために』
NPO法人atamista 代表理事・株式会社machimori 代表取締役
市来広一郎
『100年後も豊かな暮らしができる熱海をつくる』
合同会社VALN代表社員・NPO 法人ワップフィルム事務局長
菊地真紀子
『商店街を舞台にした、多様な人が集う居場所づくり』
株式会社たびえもん代表取締役
木舟周作
『旅育を提唱する「たびえもん」の挑戦
(株)くつろぎ宿代表取締役社長・(株)せせらぎ宿代表取締役社長
深田智之
『事業を再生させ、地域を再生させる!~会津東山温泉の三旅館の同時再生』
NPO法人マザーリンク・ジャパン代表
寝占理絵
『災地支援で知った「母子家庭の貧困」や「子どもの貧困」』
NPO法人大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAD)代表
徳丸ゆき子
『子どもの貧困を解決するシングルマザー100人調査を起点に』
NPO法人病児保育を作る会代表理事
賀川祐二
『安心して預けられる病児保育を当たり前のサービスへ』
株式会社Culture Generation Japan 代表取締役
堀田卓哉
『日本文化の継承と世界への発信』
映画監督・執筆業
野田香里
『異なる価値観や違った文化が触れ合うことで、人は元気になる、社会は進化する』
(株)みやじ豚 代表・NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事
宮治勇輔
『一次産業を「かっこよくて、感動があって、稼げる」3K産業に』
株式会社MITU代表
佐藤好宣
『ソーシャル・ファームバレーせんだいプロジェクト』
一般社団法人happy choice 代表理事
白根邦子
『すべての人間の価値がお互いに認められる社会へ~障害者の施設製品を社会へ』
NPO法人両育わーるどファウンダー・feese運営責任者
重光喬之
『知的・発達障害児と関わる人がともに学び合う、「両育」のある社会へ』
オムソーリ・プロジェクト代表
齋藤 哲
『認知症から家族を守る、分かち合い社会の実現』
株式会社スタイリッシュハウス代表取締役
佐藤秀雄
『絶対やりたくないと思っていたことが生きるテーマに』
NPO法人 生き活き元気塾 代表理事・塾長
本多慶吉
『介護予防体操で、高齢社会に挑む』
生きがい訪問診療所 院長
木暮 裕
『自分で居場所や治療方針を選択できる医療』
株式会社ペイシェントフッド代表取締役
宿野部武志
『腎臓病・透析に関わるすべての人の幸せのために』
医療法人社団鉄祐会理事長
武藤真祐 『在宅医療の現場から高齢先進国モデルをつくる』
株式会社レアジョブ創設者
加藤智久
『世界中の人々が国境や言語の壁を越えて活躍できる社会』
NPO法人未来をつかむスタディーズ代表理事
河内智之
『誰もが自分らしく生きられる世の中へ』
うらやす子ども起業塾 運営委員長
峰松めぐみ
『うらやす子ども起業塾~失敗を恐れず Let's challenge』
谷町キッズポップフィルハーモニー楽団設立・応援団長
北原さとみ
『「谷町キッズポップフィルハーモニー楽団」立ち上げ』
La CLo 代表・NPO法人親育ネットワーク代表理事
黒田忠晃
『総合共育で夢や目標を持てる人を育みたい~仮説から確信へ』
千葉市長
熊谷俊人 「日本変革に向けて地方分権のモデルを千葉で創る」
宇部市長
久保田后子
「暮らして良し!働いて良し!わがまち創生チャレンジ!
山口県内で、初の女性市長」
上峰町長
武広勇平 「オンリーワンのモデルを目指す」
金沢市長
山野之義 「自立した市民が新しい金沢を拓く」
柏市長
秋山浩保 「主体的市民の輪を広げよう」
豊明市長
小浮正典 「壁のない豊明市を市民一丸で実現する」
枚方市長
伏見 隆 「未来への投資~ 20年後の枚方のために」
1 一新塾の根っこ力を育むプログラム
2 誰もが志を生きるマネジメント
3 一新塾を支えてくれる、志を生きる同志からのメッセージ
あとがき
プロフィール NPO法人一新塾 森嶋伸夫
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【一新塾のプログラム「政策提言」「社会起業」「市民活動」】
東京本科:
http://www.isshinjuku.com/curriculum/tokyo.html
大阪地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
名古屋地域科 : http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
仙台地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/sendai.html
通信科:
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