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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!
 【 601号 】 発行日:2015年6月23日
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■ 塾生活動レポート

「市民協働による防災を他地域へ」
   ~長岡の経験を未災地に伝える

            一新塾第20期・第24期 河内毅

■一新塾 第37期(2015年11月開講)のお知らせ

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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。

今回は、第20・24期卒塾生の河内毅さんのメッセージをご紹介いたします。
河内さんは、2007年5月、青年海外協力隊の任期を終え、グァテマラからご帰国の直後に一新塾第20期本科に入塾。
(説明会には空港から直行いただきました!)

「グァテマラの農村より日本の農村の方がもっと危機的な状況にあるのではないか?」との思いから、在塾中に新潟中越へ移り住みました。一新塾でのチーム活動がきっかけです。
そして、中越震災の被災集落の復興支援や防災に携わってこられました。また、東日本大震災の際には、中越での経験を活かして、陸前高田市で復興支援の活動に奮闘されました。

一新塾卒塾生

 現在、長岡における災害の経験・教訓を活かして全国各地で市民協働による災害支援ネットワーク構築の支援に尽力されています。
河内さんの志を生きる挑戦をお伝えさせていただきます。

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『市民協働による防災を他地域へ
  ~長岡の経験を未災地に伝える~』

     一新塾第20期・第24期 河内毅

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●災害支援の恩返し-教訓の伝達-

 新潟県長岡市は、中越地震以降、水害・豪雪など数多くの災害に見舞われている国内でも災害の多い地域です。
しかし、数多くの災害を経験したことにより、長岡の災害対応力は大きく向上しただけでなく、災害を通じて出来た組織を超えたつながりや協働の精神は、現在の長岡において何事にも代えがたい財産となってきています。

 中越地震の際、災害支援に当たった社会福祉協議会や青年会議所、NPOなどの支援団体の間にはほとんどつながりがなく、それぞれが単独で支援活動を行ったために、支援のすき間や取りこぼし、重複が生まれ、必ずしも効果的な支援が出来たとは言えませんでした。
その原因は日常から団体間にほとんど交流がなかったために、互いに相手がどんな組織なのか、何ができ、何を得意としているのかを理解していなかったからです。
中越地震は、そんな単独組織での災害支援の限界と団体間の連携の必要性、そして可能性を気づかせてくれる大きな契機となりました。
そして、今その課題の検証を通して、長岡においては複数の組織が連携して支援活動を行う体制が構築されてきています。

 しかしながら、他地域での災害に目を向けてみると、支援者間の方針の違いやコミュニケーション不足・連携不足により諍いが起きたり、平等性・公平性の論理のもとに本当に必要なところへ支援が届けられないなど、未だ被災者が置き去りにされたりすることが少なからずあるのが現実です。

 このようなことを繰り返さないためにも長岡から災害を通して得た知見や教訓を未災地に向けて発信し、全国各地における災害支援のための防災ネットワークを事前に構築しておくことが重要です。それが私のミッションであり、被災経験のある地域だから出来ることであり、責任でもあると思っています。

●誰かのせいにするのではなく

 支援活動を進める上で大切なのは問題を誰かのせいにすることでなく、一人一人が当事者意識を持って主体的に何が出来るかを考え一緒に力を合わせて動くことです。

 私は青年海外協力隊隊員としてグァテマラで活動をしていた時、「支援を待つのではなく、自分達でアクションを起こすことが大切」などと現地で話していましたが、あるプロジェクトでは住民が自分達で何とか出来そうなことがわかると自ら融資先を探して資金を確保し、自分たちの手でプロジェクトを動かし始めました。
この時は、日本人の方がよっぽど主体性が欠如しているのではないかと少し恥ずかしい気持ちにさせられたものです。

 また、中越の復興の中でも同様のことは沢山見られました。地域のために農家レストランを始めたお母さん達、自分たちの地域を良くしようと自分達の出来ることを夜な夜な話し合い集落で活動を行う住民の皆さんなど。
現在の不幸を他人のせいにするのではなく、自分たちで出来ることをやる、そんな人間として当然の姿勢を途上国や復興の世界で多く教えられました。

 被災地で支援活動を行う中では、とかく被災者の支援を優先するあまり、自分のことや仲間のことをないがしろにしてしまいがちです。「被災者のためにもっと頑張らなければいけない」と自分や他の支援者の出来ていない部分ばかりを責めてしまい、支援者間の関係性を壊してしまうことも少なくありません。私自身もそんな苦い経験がありました。

 被災地支援という社会的に大切な活動だからこそ、出来ていないところを責めるのではなく、互いを認め合い、その理念を共有して自分たちの出来ることを少しずつでも実行していくことが大切なのだと思います。

●市民協働による災害支援

 私自身、日本の依存社会の中にどっぷり浸かっていましたが、大きく変わるきっかけとなったのが東日本大震災でした。
この時は私自身も物資支援などを行う側の中心になったのですが、我々だけで集められる物資にも、被災地からの情報収集にも限界がありました。そんな時に助けてくれたのが、青年会議所や社協、NPO、そして市民の皆さんでした。

青年会議所の皆さんは独自のネットワークを使っての物資収集やトラックの手配などを担ってくれましたし、NPOは情報発信のためのHP整備を、そして市民の皆さんは物資の仕分けを担ってくれたおかげで結果的に270トンもの物資を被災地へ送り届けることが出来ました。

 この時初めて一人で頑張りすぎることは時として問題解決を遅らせること、そして、他人に頼ることが自分の負担を減らすだけでなく、他人の活躍の場を生み、支援をしたい人の主体性を引出し、大きな力を生むのだということに気づかされました。
そして、それが結果的に団体間の壁を越えた信頼関係の構築や理念の共有へとつながり、それをベースとした市民協働による災害支援体制が確立されつつある他、平時においても様々な活動の連携が生まれてきており、地域づくりにおいても様々な相乗効果を生み出してきています。

●市民協働による防災を他地域へ

 このように長岡は災害を通して災害に強い地域づくりを行って来ました。しかし、災害経験を有している自治体は決して多くはありません。

災害を経験すれば防災力/災害対応力が高まるのは必然ですが、災害に備えるためには事前に防災力/災害対応力を向上させておくことが必要です。だからこそ災害経験のある長岡からその経験を未災地に伝えることが重要だと思います。

 現在、私たちは青年会議所などと協力しながら、長岡における災害の経験・教訓を活かして全国各地で協働型の災害支援ネットワーク構築の支援を行っており、新潟県内をはじめ東京都足立区や北海道など全国各地で、行政、社会福祉協議会、青年会議所、NPOなどの協働による災害時の対応の検討が始められています。

 私たちは、これからもこういった活動を通して災害にも強い地域づくりを応援していきます。

◆長岡協働型災害ボランティアセンター http://ndcvc.org/


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   一新塾 第37期(2015年11月開講)のお知らせ

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次回一新塾第37期は2015年11月に開講予定です。
「一新塾体験セミナー&説明会」は2015年8月よりスタートします。
7月よりご予約をホームページで受付させていただく予定です。
http://www.isshinjuku.com/

日程が決まりましたら「一新塾ニュース」にてご連絡させていただきますので、ぜひとも、ご参加ください。

「一新塾ニュース」では、一新塾生が社会変革に向けて志を生きる姿勢を引き続きご紹介させていただきます。
今後も、ぜひ、ご期待ください!

また、一新塾Facebookページ・twitterでも、日々、メッセージを発信しておりますのでご覧いただければ嬉しいです。
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【一新塾のプログラム】
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通信科:
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