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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!
 【 552号 】 発行日:2013年12月29日
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■ 塾生活動レポート

『 人口150人というコミュニティ』~150人の住む、相手の顔の見える口永良部島に1年間移住~

■一新塾第34期(2014年5月開講)のお知らせ

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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。

 口永良部島にIターンして奮闘されている一新塾生の山地竜馬さんとの出会い。そして、2013年3月に現場視察で訪れた人口が約150人の口永良部島。それをきっかけに1年間、島への移住を決意した第30期(2013年5月卒塾)の稲川憲司さん。

 同志の山地竜馬さんや島の人々との交流を深めながら、山・海の幸を採取、畑を耕しながらの充実した日々をすごされています。
一新塾の講義前にミーティング

稲川さんに、2013年の年の瀬に、この一年の体験とご自身の人生に向き合い綴っていただきました。
(時化で漁に出られない日にパソコンに向かっていただきました)

 稲川さんの志を生きる挑戦をお伝えさせていただきます。

◆◆塾生活動レポート━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆

『人口150人というコミュニティ』~150人の住む、相手の顔の見える口永良部島に1年間移住~

         一新塾第30期 東京本科 稲川憲司◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆

●一新塾に入った理由

 地元は岐阜県の大垣市、かつては稲作の盛んな地域でしたが、現在は東海地方の車、電気産業の一端を担う、典型的な戦後日本の地方都市で育ちました。
社会人になってからは、9年余りを東京にて印刷会社や商社での営業職としてサラリーマンをしていました。自分のために仕事をし、8年間、隣に住むマンションの住人の名前も知らない生活を送っていました。家には眠りに帰るだけ、30代前半、年齢的にも今後のキャリアを考える時期に差し掛かっていました。

 一新塾に入塾したのは、某新聞での政治塾特集に一新塾が載っていたのがきっかけ。政治には興味がありましたが、テレビや新聞で見る、理想を語ってそれを現実化していく政治家像に憧れていただけかも知れません。

●出会い

 そんな時、一新塾の現場研修にて、鹿児島の離島『口永良部島』にIターンし、日々現場で奮闘されている大阪地域科31期・33期の山地竜馬さんに出会いました。私は走る前に頭を使って見る性格(そして時々走るタイミングを逃すことも!)、山地さんはとにかく走ってみる性格。とにかく現場へ飛び込んでいく山地さんを面白い人だと思いました。

 口永良部島は鹿児島県熊毛郡屋久島町に属する、世界自然遺産屋久島の北西約12kmにある人口150人の離島です。今年3月には、一新塾有志と共に口永良部島を訪問し、150人の住む(初めての口永良部島訪問時は島民の方々よりも鹿とより多く出会いました)、相手の顔の見える口永良部島に魅力を感じ、1年間(2013年6月~)口永良部島に移住することを決意しました。

口永良部島の寝待温泉

 島民は口永良部島を「ひとつの『集落』ではなく、ひとつの『島』として見て欲しい」と語ります(口永良部島は屋久島町の行政区分では2つの集落の構成体)。

 移住から半年余りが経過し、ささやかながら、そんな島民の声をお届けしたいと思います。

●口永良部島で暮らす

 口永良部島には都会では忘れられた、生きるための技術が今も息づいています。

<自然との連帯>
風:
都会で風の方角・強さを気にしたことがありますか?
風・海の波次第で屋久島からの一日一便のフェリーは欠航、一週間、島の農協に食料品が入らないことも。

水:
山水を採水、飲み水へと処理。(島の高齢者のキンタマが異常に大きいのも水のせいとも言われています!)

雨:
大雨や台風の際は、我が家の地域は土砂崩れの危険性がある為、公民館へ避難します。嫌でも自然との闘いを実感。

<食べる>
山・海の幸を採取、畑を耕し食します。貰いものも多く日々の食費は大助かり。

<住宅>
自分が一年間島に住むからと、我が家は古民家を島民の方々数名が整備して頂いたもの。ある時、以前の家の持ち主のおばあちゃんが来訪。亡父が建てた家と昔語に花を咲かす。島では皆が素人大工。自分の家は自分で建てた方も多いです。

<温泉>
医師のいない期間が長く続いた口永良部島。(現在は医師・看護師が各一名常駐しています。然しながら、その医師との契約も2014年3月一杯。現在、屋久島町は医師を募集中。どなたかお医者さん、口永良部島へ来ませんか!)
日本一と島の長老が自慢する寝待温泉で少しくらいの怪我なら医者要らず。

<排泄物処理>
島では汲み取り式便所方式。我が家はバキュームカーの立ち入れない地域の為、自分自身で汲み取りを実行。食べて排泄をする、嫌でも生きている実感をします。

●口永良部島というコミュニティ

<仲間の連帯>
約1週間の上京が島民へニュースとして広まります。町営船フェリー太陽から一歩口永良部島へ足を踏み入れれば、あの人は誰のお客さんだろう、島民の好奇の目にさらされます。

<仕事・家族>
日本の高度経済成長で息子・娘を都会にとられていった口永良部島。仕事(伝統的な産業は畜産業(肉用牛の繁殖)・漁業・農業)の単位を家族で営んできたコミュニティは、一旦、それが狂うとダメージが大きいです。

●口永良部島を元気にする活動!

 口永良部島は、1950年代は凡そ2,000人が暮らす島でした。その後、日本の高度経済成長時代を経た現在、150人が暮らす島となりました。そんな口永良部島ですが、島民有志は島の価値観を大切にしながら、島をより元気にすべく、以下のような様々な活動(定住促進、島の魅力発信など)に取り組んでいます。

【一新塾 31期・33期 大阪地域科 山地竜馬さんの活動】
 http://kuchierabu.jp/

【えらぶ年寄り組(島民有志)運営の口永良部島ポータルサイト】
 http://kuchi-erabu.org/

●口永良部島の魅力を知り、足を運んでほしい!

 自分の人生にふと訪れた1年間の口永良部島への移住。典型的な戦後日本の地方都市である地元岐阜県大垣市というコミュニティ、隣に住むマンションの住人の名前も知らない東京というコミュニティ、150人の住む相手の顔が見える口永良部島というコミュニティ、それぞれ一長一短、コミュニティの在り方の大切さを実感します。将来的には、相手の顔の見える口永良部島に一年間移住したからこその視点でのコミュニティ作りを、地元岐阜県大垣市でやってみたいと思います。

 残りの半年弱となった口永良部島への移住生活、島民の皆さんとの対話を大切にしながら、日々の生活・活動を全力で取り組みたいと思います。
現在、『エラブ仕事図鑑』なるものの作成を考えています。口永良部島では深刻なコミュニティの疲弊を食い止めるべく、移住者募集を行っています。
しかし、島外の人からすると住宅が無い、仕事が無い、との理由で、現実には思ったように移住者の増加は叶えられていません。特に若い世代にとって、仕事が無い、というのは口永良部島への移住への大きな障害になります。

 ところが、実際に口永良部島に来て感じたのは、島に仕事が無いわけでは有りません。確かに都会的な意味での、ひとつの会社に勤め給料を貰う、という意味での仕事は有りません。しかし、島民の方々は自営業(畜産業・漁業・農業・民宿業)や季節的な仕事、プチ起業とでもいうべき商売を幾つか兼業して、年間でのトータルの収入として生計を立てています。それらには、大変さは勿論あるでしょうが、自分の裁量で人生・生活の絵を描けるという魅力も有ります。

 島外の方々へ、そんな島の仕事を伝え、ひいては島の生活の魅力も伝え、少しでも口永良部島に足を運んでくれる人が増えるよう、『エラブ仕事図鑑』を作成したいと日々考えています。


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  一新塾 第34期(2014年5月開講)のお知らせ
       http://www.isshinjuku.com/
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次回一新塾第34期は2014年5月に開講予定です。
「一新塾体験ワークショップ&説明会」は2014年3月よりスタートします。
1月よりご予約をホームページで受付させていただく予定です。

【プログラム】
東京本科:
http://www.isshinjuku.com/curriculum/tokyo.html
大阪地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
名古屋地域科 : http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
仙台地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/sendai.html
通信科:
http://www.isshinjuku.com/curriculum/content.html

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< 一新塾「第34期」概要 >ーーーーーーーーーーーー
◎開 講:2014年 5月
◎期 間:12ヶ月
 『多彩な社会のテーマ講座』
 『ミッション基軸の社会変革プロジェクト立ち上げ』
 『コンサルティング』
 平日夜間・土日で学びます(月4~5回程度)
◎コース:政策提言コース
     社会起業コース
     市民プロジェクトコース
 ※3つの方法論のすべてが学べます。
◎ 科 :本 科(東京)
     地域科(大阪・名古屋・仙台)
     通信科
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