【 第470号 】 発行日:2011年12月28日
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■ 塾生活動レポート
一新塾第21期本科 菊地真紀子
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http://www.isshinjuku.com/03bosu/b_issryku_book.html
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
大田区で「地域密着型広告代理店」として合同会社VALNを起業し、
「再発見」「繋げる」「発信する」をキーワードに活躍されている
一新塾21期生の菊地真紀子さん。 菊地さんは、大田区を舞台にした
映画「商店街な人」を通じての「まちづくり・ ひとづくり」にも奮闘
されています。今回は、その挑戦のご報告です。
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■ 『突破力ある主体的市民が社会を制作する!』
■■ ~映画による循環型地域創造・産業変革
■■■ NPO法人ワップフィルムの活動~
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■■■■■□ 一新塾第21期本科 菊地 真紀子
一新塾21期を卒塾してから3年が経ちました。
入塾前には、地域に自分の居場所を見出せなかった私ですが、チーム活動を通して、地域の現場に目を向けてみると、たくさん取り組むべき課題があることを知り、解決策として、仲間と共に子育てイベントを主催、子ども手当てアンケート実施後シンポジウムを開催しました。また、地域の発信力とネットワークが不足していると感じて「地域密着型広告代理店」として合同会社VALNを起業しました。
活動を通して見えてきたものは地域にはそれぞれの素晴らしい資源(人、
文化歴史、観光、産業など)があるのに、そこに暮らす人が、その良さに気付いていない、活かしきれていない、アピールできていないという現実。また、従来コミュニティを支えていた絆が希薄になり、地域が循環していないということでした。
そんなときに大田区を舞台にした映画制作にチャレンジしようとしているNPO法人「ワップフィルム」と出会いました。高橋和勧監督はいわゆる「よそ者」でしたが、私が考えていた「国際都市大田区」を具現化する1つの解決策「市民が主体となって地域をアピールしていく仕組みづくり」が描かれている映画「商店街な人」の脚本を見て、感銘を受けました。
同じものを目指しているのであれば、得意分野を活かしつつ、協働すれば
より良いものができる、全く素人の私でしたが、映画制作には、一体型のものづくりという要素があり、コミュニケーションツールとしても注目に値すると活動に魅力を感じました。
ワップフィルムでは映画において様々な社会問題・地域問題を提起し、産官学市民一体参加型による製作予算を抑える制作プロセスを実現。映画「商店街な人」は大田区の地域力応援基金、50万で制作した映画であり、様々な工夫と交渉、折衝があって、多くの協力により成り立ったものです。だからこそ、1本の映画ですが、多様な視点の上映イベントの開催にこだわっています。その制作過程はまさに多様な人が多様な形で関わる「まちづくり・ひとづくり」であり、市民が自分の得意分野で参画することによって社会貢献できる仕組み、地域の活性化・地域ブランドの確立に寄与していくことが可能になります。
2010年秋から映画がクランクアップしたタイミングで理事として主体的に活動するようになりました。震災がありタイミングはずれましたが2011年の春先から大田区内で上映イベントキャラバンをスタート、ほぼ毎週土曜日ごとに、各地域の文化センターや集会室で1時間の上映+地域課題をテーマにしたトークイベントを開催。時にはキーパーソンをお呼びしてパネルディスカッション、時には参加者同士のトークバトルなど様々なイベントにチャレンジしました。
商店街に主催していいただいたり、お祭りの中のイベントとして活用していただいたり、銭湯での映画上映も行い、ありとあらゆる場所とテーマで映画をきっかけとしたまちづくりイベントを地域密着で行なってきました。
今年の秋からは「映画による地域連携」を意識して後援をいただいた神奈川県内、横須賀市にて上映しました。同じ頃、松本映画祭の「商店街映画祭プロジェクト」の特別招待作品にも選定いただきました。監督の住む藤沢市と松本市が姉妹都市ということもあり、来年度は姉妹都市連携映画制作の話も進み、文字通り「映画で地域連携」が具現化。また来年早々、松山市ほか愛媛県内数箇所で上映します。東京都小平市ではコミュニティビジネスの視点で連携、商工会議所等の経済団体、社会活動団体、行政などと産業振興の研修として上映イベントを予定しています。
来年度のワップフィルムの事業として、更に上映イベントの場を拡げていく応援者を募ること。更には「リージョンフィルムディレクター養成講座」と「リージョンフィルム基金運営」に取り組みます。
前者は「自ら地域の資源を見つけ出し、ストーリーをつくり、映画として
残し地域をアピールし繋げていく」人材育成です。後者は、地域映画(地域課題をテーマにしたストーリー性がある映画)によって地域活性しようとする人や活動を応援するための基金です。
地域資源は「人・物・金」といいますが、映画制作を通して「人材育成」
「映画というものづくり」「応援基金」をうまく循環させていければと考えています。全く新しいものを0から生み出すというより、今あるものの視点を変えて、組み合わせを変えて、新しい付加価値をつけてアピールしていく。「再発見」「繋げる」「発信する」をキーワードに活動するVALNのコンセプトに通じるものでもあります。
すでに映画を通してまちづくりに取り組まれている方々もたくさんいらっしゃると思います。そういう点と点を繋ぎ「線」としながら、更に広域で連携する「面」としていければ地方からボトムアップで地域や産業が変えていけると思います。ワップフィルムのコンセプトは「突破力ある主体的市民が社会を制作する!」。
映画は1つの手段ですが、「観て」「感じて」「考えて」そして「共有」
「実行する」ための良いツールだと改めて感じています。「熱意は人が作り技術も人が作る」人あってこその地域であり産業であり社会であり、私たちひとりひとりの熱意が社会を変えて行くのだと思います。
特定非営利活動法人ワップフィルム http://wupfilm.jimdo.com/
FACEBOOK 映画「商店街な人」
http://www.facebook.com/syoutengainahito