【 第467号 】 発行日:2011年11月18日
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■ 塾生活動レポート
一新塾第27期本科 堀田卓哉
■ 一新塾本の最新刊『「根っこ力」が社会を変える』のお知らせ
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b_issryku_book.html
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
今回は、今年9月に一大奮起し「株式会社Culture Generation Japan」を起業 され、11月6日に一新塾を卒塾されたばかりの堀田卓哉さんのメッセージを お届けします。
堀田さんはロストジェネレーション世代の34歳。 ロストジェネレーションとは、学生が就職する際、バブル崩壊後の就職氷河期 (1994年~2004年)と重なった概ね25歳~35歳の世代のことです。
「縮小、崩壊、衰退、低下…」といったネガティブな用語が毎日のように流され、 国全体に閉塞感が高まっているように感じているロスジェネ世代の若者が、 誇りを取り戻し、とがった個性を発揮し、世界に打って出られる社会にしたい! との熱き思いを抱いて奮闘中です。
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■ 『ロスジェネ世代が日本を変える!』
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■■■■ 一新塾第27期本科
■■■■■□ 堀田 卓哉
マスコミでは「縮小、崩壊、衰退、低下…」といったネガティブな用語が 毎日のように流され、国全体に閉塞感が高まっているように感じている若者が 増えています。特に私たち「ロストジェネレーション世代」と言われる世代は、 "さ迷える世代"という表現通り、社会から否定されることが多い世代でした。 しかし私たちの世代が自分の生き方を見つけ輝くことで日本全体の活性化に繋 がると私は信じています。
かくいう自分も、受験や就職活動を通じて「日本的なルールの中で、自分を 否定されること」が嫌で仕方がありませんでした。「日本ではなくグローバル に活躍したい!」、そんな想いで飛び出していったアメリカでは、「自分が どうしようもなく日本人である」という原点回帰の感覚が待ち受けていました。 それと同時に、海外の友人からの日本に関する質問に何も答えられないことに 愕然としました。英語力の問題だけではなく、自国の歴史・伝統・文化につい て語ることが出来なければ、世界では敬意を払われないという事実を痛切に感 じました。
また、モナコでの大学院時代には、多国籍の優秀な仲間との真剣勝負の議論 の中で、まさに自分こそが「日本代表」という誇りが感じられ、それまでの人生 で最も活き活きと輝ける時間を過ごすことができました。
帰国後の日本では、遣り甲斐のある仕事に巡り合い、ハードな日々ながらも、
充実した日々を過ごしていました。一方で、大企業の看板に守られている奇妙
な居心地の良さの中で、次の目的を見いだせず、輝けなくなっている自分に気
が付きました。
そんな時に転機はやってきました。浅草に引っ越すことになり、家業を受け
継ぐ同世代の仲間に出会うことができました。「何百年と続いている伝統を俺
らが終わらせるわけにはいかない」と言っている姿が、当時の自分には強烈に
輝いて映りました。家業だけでなく、祭りや浅草の文化を引き継ぎ、より良い
ものにして次代に受け渡すという発想は、自分の幸せを中心に生きてきた自分
にとっては出てこないものでした。
そして、日本の伝統や文化に回帰する発想こそが自分自身の活性化、同世代
の活性化、ひいては日本の活性化に繋がると信じられました。以前なら恥ずか
しくて言えなかったと思いますが、今回は一新塾の同期の熱い思いに刺激され、
「世のため、人のためになること」を次の目的として一歩を踏み出すことが
できました。
現在は、株式会社Culture Generation Japanを設立し、100年以上の歴史 を受け継ぐ同世代の伝統工芸職人、同世代の若者、そして異文化からの視点を 持った外国人を結び、3者の可能性を引き出すことを事業のコンセプトとして 活動しています。
まずは、当社のコア事業となる「ワノナミ~Wave of Japonism」プロジェクト (以下、PJ)を紹介します。これは、日本の伝統工芸品産業の振興と、その担 い手としてのデザイナーなどクリエイター人材の育成の両立をミッションとし たPJです。浅草、及び京都の伝統工芸職人と新しい感性を持った同世代のビジ ネスマンやクリエイター(及び学生などデザイナーの卵)、そして海外市場及 び日本文化に造詣の深い外国人を組み合わせることで、伝統工芸品の持つ素晴 らしさをグローバルな価値に転換した商品を開発し、海外での販路開拓に繋げ ます。
経産省主導のPJとの最大の差異は、「グローバルなニーズに合わせた商品 を開発すること」です。伝統工芸品がデザイン性を獲得すれば「売れる商品に なる」わけではなく、売れる仕掛けが必要ですが、「面」で対応する行政では、 一社ごと、一商品ごとの「点」の対応は出来ていないのが現状です。当PJでは、 そのGAPを埋めるプロデューサーの役割を果たします。
他には、定期的に伝統工芸品の製作体験のワークショップを開催しています。 今までに提灯と染物を製作して参りました。多くの同世代の日本人、外国人の 仲間が参加してくれ、単に楽しいだけの場ではなく、職人の方も含め、多様性 に触れることでそれぞれが学べる雰囲気を醸成できていると思います。興味の ある方は、下記サイトにて情報を確認して頂ければ幸いです。
【WEB】http://www.culgene.jp/
【Facebook】http://www.facebook.com/culgene
そして、この事業の実現を通じて、同世代の伝統工芸職人がビジョンを鮮明
にし、世界で輝くことで、日本の内外に日本文化ファンを増やしていきたいと
思います。また、そのことが、ロスジェネ世代に刺激を与え、給与の高低だけ
で自分の価値を測っていたレールから外れ、自己のアイデンティティーを見つ
め直す機会を創造し、引いては日本全体が自信と誇りを回復する社会を実現し
たいと考えます。
起業してから3か月、今までのサラリーマン生活で出会う1年分以上の新しい人に出会いました。多くの人が私のビジョンに賛同してくれます。「それって 素晴らしいね!」。それは心から嬉しいことですが、そこから「じゃ、こういう ことしようよ」と一緒に行動をしてくれる人は、本当に一握りです。 ただ、一新塾には奇特な人が集まっているようで、一新塾の仲間は、全員が"行動"をしています。そんな仲間を誇りに思うと共に、出会いの場になった 一新塾に心から感謝しています。ありがとうございました。