2011/9
/16 【一新塾ニュース】第460
塾生活動レポート『願わくはわれ教室と世の中のかけ橋とならん 』 


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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
         【 第457号 】 発行日:2011年9月16日

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■ 塾生活動レポート
       『願わくはわれ教室と世の中のかけ橋とならん』

                一新塾第25期 通信科(沖縄) 門林良和

■【塾生募集】「第29期説明会&体験ワークショップ」
         〜"根っこ力"が社会を変える!〜
(参加予約)→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
●東 京: 9月17日(土)15:00〜17:30
       9月21日(水)19:30〜21:40
       9月25日(日)15:00〜17:30
       9月28日(水)19:30〜21:40
      10月 5日(水)19:30〜21:40
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●大 阪:10月1日(土)13:30〜16:00
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●名古屋:10月2日(日)13:30〜16:00
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●沖 縄: 9月23日(金祝)19:00〜21:00
※沖縄の運営スタッフ(卒塾生)にて担当

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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
大阪で教員生活を送る中で、「社会科は何を伝える学問なのか?」悩み続け、
その答えを求めて4年前に沖縄に移住された、沖縄の興南中学校社会科教諭の
門林良和さん。世の中を主体的に生きる意味を問い続けられる場所「沖縄」、
そこに行けば何か答えが見つかると信じてのことでした。
[よのなか]科の取り組みを通じて、このたび「第60回読売教育賞」の
最優秀賞を最年少で受賞されました。
門林さんに、自らの根っこを掘り下げ志を鮮明にされていった歩み、
教育への熱き情熱と、沖縄での授業の実践、さらに被災地での授業の実践に
ついてメッセージをいただきました。ぜひとも、ご一読ください。

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■■■■ 塾生活動レポート
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■■       『願わくはわれ教室と世の中のかけ橋とならん』
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■■■                    一新塾第25期 通信科(沖縄)
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●教室と世の中の津梁(しんりょう)となる社会科授業の実践

 2011年7月、日本教育界最高の賞と評される「読売教育賞」(社会科教育部門)
で最優秀賞を受賞しました。テーマは『教室と世の中の津梁(かけ橋)となる
社会科授業の実践〜沖縄で世の中の問題と主体的に向き合う〜』、最年少での
受賞でした。ミッションの大きな一つの通過点となった出来事でした。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-179316-storytopic-7.html

【選考委員 谷川彰英・筑波大学名誉教授の選評】
「沖縄という地域にあって、その抱える『世の中の問題』と向き合った見事な
実践。世の中と教室を『つなごう』とする教師の姿が生き生きと伝わってくる。
本来の社会科はそのようなものであった。」

●沖縄で世の中の問題と主体的に向き合う生徒を育てたい

 大阪で教員生活を送る中で、「社会科は何を伝える学問なのか?」悩み続け、
その答えを求めて4年前に沖縄に移住しました。学生時代に訪れた沖縄で、基地
の現状を肌で感じ、その問題と向き合う市民の姿に出会いました。世の中を
主体的に生きる意味を問い続けられる場所「沖縄」、そこに行けば何か答えが
見つかると信じていました。

 教員になって6年が過ぎましたが、残念ながらその問いへの正解はいまだ見
つかってはいません。世の中で起こる問題と同様に、そもそも一つの正解など
存在しない問いなのかもしれません。

 ただ一つ信じていることは、社会科は「実社会から隔離された教室と、現実
の世の中との懸け橋にならなければいけない」ということです。沖縄は世の中
の動きと自分たちの生活が深くかかわっている場所です。「世の中の問題と
主体的に向き合う生徒を育てることが、沖縄の未来を創る教育となる」という
信念で、いま教壇に立っています。

●一新塾との出会い

「沖縄で世の中の問題と主体的に向き合う生徒を育てたい」
そんな自分のミッションを実現するため、世の中の問題と葛藤し発信を続けて
いる一新塾の門をたたきました。そこは全国から集まった志の高い人々が集う
場所。そんな中に身を置くことで、自分のミッションを掘り下げるヒントが見
つかると確信していました。そして一新塾で教えられました。

「世の中の問題と主体的に向き合うことは自分の人生と主体的に向き合うことだ」と。

 この一新塾で受けた刺激をそのまま教室に持ち込み、「自分が動けば、社会
も動く」を合言葉に、新しいスタイルの授業を始めました。沖縄の観光振興や
雇用問題、死刑制度など社会が抱える課題の解決策について、専門家を教室に
招き、生徒とともに問題の本質を考え、大人と生徒がともに本音で語り合います。
そしてその解決策を、ときには弁護士へ、ときには沖縄の観光業界へ、ときには
沖縄県知事へと、生徒とともに世の中に発信し続けてきました。その取り組みの
成果が読売教育賞最優秀賞受賞という一つの形となって実を結んだのです。

●「被災地×沖縄」の津梁(かけ橋)となる

 2011年8月20日、日本教育再興連盟が主催する教育の祭典「教育夏まつり2011
in 東北・夏まつり」が開催されました。毎年関東を中心に開催されていたこの
イベントは、「最も悲惨な体験をした子どもたちには、最も豊かな教育を受ける
権利がある」という思いから、今年は被災地・石巻での実現にいたりました。
藤原和博氏や陰山英男氏、和田秀樹氏など日本を代表する教育者が一堂に集う
このイベントに招かれ、まだまだ暑さの残る宮城県石巻市に授業をおこないに
行ってきました。

 授業は「ミカタが変われば世界は変わる!?」をテーマに、66年前の地上戦で
焦土と化した沖縄で、空き缶など廃材の中から生みだされた「カンカラ三線」
が、沖縄の戦後復興のシンボルとなったことを紹介しました。「絶望的な状況
の中でも見方を変えることで、新しい価値を生み出し、未来を変える力となる」
という沖縄からのメッセージを込めました。時代も場所も異なる「被災地・
石巻」と「戦後・沖縄」の津梁(かけ橋)となることをめざした授業でした。
http://kyouikusaikou.jp/wp-content/uploads/2011/03/6c2ec516b198447a7d9e9a5fd354c8ce.pdf
http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/news/etc/20110822-OYT8T00541.htm

●願わくはわれ教室と世の中のかけ橋とならん

 かつてアジアの貿易で繁栄した琉球王国は、その航海技術で世界を結ぶ懸け
橋になるという思いを『万国津梁の鐘』に刻みました。

 明治という近代日本の夜明けを生きた新渡戸稲造は、開国したばかりの日本
を広く世界へとつなぎたいという思いを「願わくはわれ太平洋のかけ橋とならん」
という言葉に込めました。

 今自分がめざす社会科実践は、世の中と教室の津梁(かけ橋)となる授業で
す。生きた社会科の知識は、教科書の中にのみ存在するのではなく、学校の外
の世界に溢れています。政治に関しては政治家、経済に関しては銀行員、法律
に関しては弁護士、国際協力に関しては世界を舞台に活躍する医師…。その生
きた知識を教室に、そして生徒に「つなぐ」ことが、社会科教師としての自分
の役割だと信じています。さまざまな思惑に翻弄され続けているここ沖縄で、
世の中とつながった教室から、その未来を切り開く若き力が育っていくことを
願ってやみません。最後に、これからの自分のミッションを再宣言!

「願わくは沖縄でわれ教室と世の中のかけ橋とならん」


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