2011/9
/1 【一新塾ニュース】第457
塾生活動レポート『9.11から10年 ― 今、地方からできること 』 


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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
         【 第457号 】 発行日:2011年9月1日

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■ 塾生活動レポート
         『 9.11から10年 ― 今、地方からできること 』

                一新塾第12期・第22期「名古屋」地域科 宮田久司

■【参加者募集】「第29期説明会&体験ワークショップ」
                 〜"根っこ力"が社会を変える!〜
(参加予約)→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

●東 京: 9月10日(土)15:00〜17:30
       9月14日(水)19:30〜21:40
       9月17日(土)15:00〜17:30
       9月21日(水)19:30〜21:40
       9月25日(日)15:00〜17:30 
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●大 阪:10月1日(土)13:30〜16:00
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●名古屋:10月2日(日)13:30〜16:00

■【参加者募集】 「一新塾ワークショップ in 仙台」(無料)
           〜誰もが志を生きる時代〜

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
一新塾代表理事の青山貞一さん(東京都市大学教授・環境総合研究所長)が
2011年8月23日〜25日に三陸海岸津波被災地現地調査を行い、被災地実態及び
復興状況を視察し、要所で知人、地域住民、復興作業員などへインタビューを
実施いたしました。調査報告をご覧ください。
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-touhoku1001..html

今回は名古屋地域科の卒塾生、岐阜県可児市在住の宮田久司さんのメッセージ
をご紹介させていただきます。
2003年、学生時代に一新塾の門を叩いていただいた宮田久司さん。
これまで、地元の岐阜県で、「日本ライン広域観光推進協議会」の事務局として、
美濃加茂市、可児市、各務原市、犬山市、坂祝町のまちおこしに取り組まれたり、
NPO法人まちづくり協働研究所を立ち上げ美濃加茂市の中山道太田宿のフリー
ペーパーを発行するなど、地域に根ざした活動を積み重ねてきました。
このたびの東日本大震災に際しては、何度も宮城県に足を運び復興支援に奮闘
されています。

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■■■■ 塾生活動レポート
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■■     『 9.11から10年 ― 今、地方からできること 』
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■■■               一新塾第12期・第22期「名古屋」地域科
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●2001年9月11日

2001年9月11日。私は当時経済学部の学生として、テレビでニューヨーク
の光景を目にしました。
何千人もの人がその災難に巻き込まれた中、私が次にとった行動は、ドルを買う
というものでした。一時的に下がるドルを買って利ざやを稼ごうという単面的
な発想に囚われていたのです。ウォールストリートに憧れがあったのも事実で、
当時は金融関係への就職も考えていました。

しかしその後において、それらの行動の浅ましさを感じることとなります。人の
不幸を契機に懐を肥やす節度ない行動。私は、何のための金か、金融か、あるい
は富かについて、考えさせられることになったのです。

自動的に資金が集約できる国家についても素朴な疑問を抱いていました。権力
統治のシステムが確立されているばかりでなく、様々な問題や不透明性が指摘
されるなか、代替される仕組みをもたない国家システム。
当時、より効果的な公共的な意思決定や資本の分配システムが構築できるので
あれば、もはや既存の国家システムは必要ないだろうと考えました。
そのような思索の経緯もあり、大前研一氏の著書の巻末で政策学校「一新塾」
をみつけ、門を叩き、また後に大学は中退しました。

●我々は、今後も実体経済の中で生活をしていく

国家のみならず、経営危機に瀕したビッグスリーのCEOがプライベートジェッ
トに乗って公的支援の要請に駆けつけ、更に高額の報酬を取り続けていること
に批判が向けられたことも記憶に新しい事実です。
慣習や、環境はその人格を大きく左右するものなのでしょうか、あるいはその
人の価値観との相互作用がそのような結果を招く要因になったのでしょうか。

ソビエト連邦の解体や、中国の資本主義システムの導入により、社会(共産)
主義体制は事実上終焉。サブプライム問題や国家財政の破綻危機、英国やノル
ウェーなどでの暴動の頻発は、私たちの生活の基盤を成す自由市場主義経済に
対しても、十分なものではないということを時折、知らしめられます。

一方で、価値・信用を数値化したお金、その融通、経済循環に変わる、価値交
換の効果的な仕組みについては、今のところ有事・緊急時以外には想定できま
せん。

我々は、今後も実体経済の中で生活をしていくことになるでしょう。
マルチプルやサイバーと言った浮遊する資金的動きを理解しながらも別の次元
で、実体経済やボーダレス経済を軸に地域や生活者の豊かな生活の基礎を作り
上げていくこと、また、その背景としての自己管理や制御を市民・国民の手で
築きあげていくことが大切なのだと思います。

スイスのワインが国外に輸出されなかったり、ドイツの企業グループが、国内
の資本家による自己資本比率を高めるよう指導をされていたりと、外部の思惑
とは別に、地域や国が国民の豊かさを守るポリシーを貫いている姿勢も、多く
の国で見受けられます。

社会における富を築き上げ、享受し、守る手段として資本(あるいはそのパラ
ダイム)を活用する術を、今日ではもたなければならないのだと思います。

●2011年3月11日

2011年3月11日の東日本大震災では、タイミングもあって、今まで未踏
の地であった宮城に、結果として7度足を運ぶこととなりました。
同じ国民としてできることをしたいという想い、9.11の反省、そして、多
くの犠牲の中で今までと違った考え方や仕組みが問われることになるだろうと
感じ、動きました。
また、安直な増税議論や国家への依存度の高まりに危機感を覚えました。

現在私は、ある地方自治体で、国外の地方都市との多面的な都市間交流の枠組
み構築及び、それを踏まえた都市としての立地優位性の構築についてを中心的
課題として捉え、取り組んでいます。
分野や地域など、様々なレベルでの多元化が進み複雑化する社会の中で、
3.11も含めた悲しみや苦しみの経験を糧にし、人類史上繰り返されて来た
侵略と支配の歴史やDNAに終止符を打ち、平和と共生の理念を以て、新たな
社会秩序を生み出す。

それを、一地方からできること、一地方だからできることとして、今問われる
役割を発揮したいと考えています。

エブラハム・リンカーンは、「黒人奴隷の解放無くして自由の合衆国は存在し
得ない」との信念を持ち、南北分裂から統合のプロセスにおいて役割を果たし
ました。彼がいなければ、今日のアメリカや世界は違ったものになっていたで
しょう。

原発事故、国民国家の危機、繰り広げられる戦争、食糧・エネルギー問題。
今、直面している文明の齟齬から、有志は手を取り合い、社会を再び創造する
ことが、人類として、この時代に生かされた者としての使命であると感じ、
私も今後、断続的な努力、行動を重ねたいと思っています。

※活動はブログで紹介しています。ご覧下さい。 http://mouyakko.exblog.jp/


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