2011/6/16 【一新塾ニュース】第452号
塾生活動レポート『「育児セラピスト」の育成と社会的普及を目指して 』
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一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
【 第452号 】 発行日:2011年6月16日
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■ 塾生活動レポート
『「育児セラピスト」の育成と社会的普及を目指して』
一新塾第26期「名古屋」地域科 廣島大三
■ 一新塾本の最新刊『「根っこ力」が社会を変える』のお知らせ
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b_issryku_book.html
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
今回は、このたび第26期「名古屋」地域科を卒塾された廣島大三さんの
メッセージをお届けします。廣島さんは、子どもがちゃんと育つことができない
育児環境に問題意識を持ち起業!「育児セラピスト」の育成と社会的普及を目指
して活躍されています。
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■ 『「育児セラピスト」の育成と社会的普及を目指して 』
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■■■■ 一新塾第26期「名古屋」地域科
■■■■■□ 廣島大三
●はじまり:問題に気づいた時、どうするか?
私は、一般社団法人日本アタッチメント育児協会の代表理事を務めており
ます廣島大三といいます。この団体は、2007年に私が旗揚げした団体で、
「育児の専門家」を、全国に広く育成することを目的に活動しています。
一般社団法人日本アタッチメント育児協会
http://www.naik.jp/
わたしが、この団体を立ち上げ、今のようなことに取り組んでいる背景と
動機を、まずはお話します。
それは、一言でいうなら「子どもがちゃんと育つことができない育児環境」
です。いま、「育児」という昔ながらの、当たり前の営みに、困難を感じる
親が増えています。それによって、子どもが「ちゃんと」育たない状況が起
きています。
例えば、保育園では、他の園児と協調することができない子どもや、落ち
着きがなく、集団行動が困難な子どもは年々増え、小学校では、授業が成立
しない状況が、常態化しているケースが増えています。あるいは、親による
子どもの虐待やネグレクトの事件も、頻繁に起こっています。多くの場合、
特殊な家庭環境のもとで起こっているのではありません。ごく普通の家庭で
起こっています。
「人が問題に気づいた時、とれる行動は2つしかない。問題を見なかったふりを
して通り過ぎるか・・・、その問題に向き合い行動を起こすか・・・。」
私がとったのは、後者でした。
●出航準備:ミッションに出会い、共感者とつながる
この問題に対して、いきなりこのような団体を立ち上げ、現在のような
活動をするに至ったわけではありません。ただ、何か出来ることがあれば、
行動しようという覚悟があっただけです。
その覚悟の原点は、我が子に、「出来ることを何でもしてあげたい」と
いう親としての「想い」と、一人の親として、わが子がこれから育つ「育児
環境」の問題を、気付かないふりをして見過ごすことは出来ないという
「問題意識」です。そんな個人的な親の想いと問題意識が原点です。
その想いと問題意識は、発達心理学との出会いによって、転機を迎えました。
発達心理学における「アタッチメント理論」は、親が具体的に子どもに何が
できるか、何をすればいいか、なぜそうなのかを教えてくれました。そして、
豊かなアタッチメント(愛着関係)を育むことが、私の想いに対する答えで
あることをしりました。
それと同時に、心が壊れてしまう子どもたちや、学童期や思春期の問題行動
の多くが、乳幼児期の親子関係や育児環境におけるアタッチメント形成がうま
くいっていないことが影響をしていることを知り、問題意識の原因の一端を見
ました。
それがわかった時、このコンテンツを親に伝えることが、私が出来る、私な
りの「行動」だと思いました。ライフワークとも言えるミッションに出会った
瞬間です。
とは言え、一人では、何も出来ませんので、まずは、共感者を募ることにし
ました。このコンテンツをより深め、あるいは裏づけを与えてくれ、そして
より広めてくれる共感者です。
そして、私がつながりたい、助けてもらいたいと思う人に会いに行き、本気
の気持ちと、このミッションを伝え、協会の理事になってもらえるようにお願
いしました。こうして、2007年に日本アタッチメント育児協会が発足しました。
●船出:「育児の専門家」を育成しよう
ここまで来たら、あとは行動です。いま、何が悪いかではなく、どうしたら
良いかという発想で考えた時、必要なのは、「親を導いてあげられる育児の
専門家」だと考えました。その人たちが、発達心理学やアタッチメントを親に
伝えるような「仕組み」を作ればいい。
そうすると「育児の専門家」は、発達心理学の知識だけ身に付けていれば
よい、というものではなくなります。親を導くための「対人力」や、「コミュ
ニケーション力」さらに、親に学びの場を提供できる「企画力」。「プレゼン
力」なども必要となります。
このような知識やスキルを身につけた人財が、地域の身近な場所にいて、
いつでも親たちが頼れて、導いてくれるような育児環境を作る。
この趣旨のもと、育児の専門家を「育児セラピスト」と命名し、その学びを
得られる教育プログラムとして、「育児セラピスト講座」を立ち上げました。
さらに、この講座を主催し、育児セラピストの活躍の場を創出することを、
一般社団法人日本アタッチメント育児協会の目的としました。
このプログラムは、保育士、看護師、助産師などのニーズと問題意識にピッ
タリとマッチして、徐々に少しずつ広まっていきました。
●荒波を越えた挑戦:一新塾での学びから展開した新たなるテーマ
一新塾では、この「育児セラピスト」をさらに発展、普及を目指すことを
テーマに掲げ、以下の2点を目標に活動してきました。
□「育児セラピスト」を、大学の保育士養成課程において、カリキュラム
導入し、卒業時点で、育児セラピスト1級資格を授与し、卒業と同時に、
「育児セラピスト」として、地域の育児環境を支援できる保育士を輩出する。
→淑徳短期大学 児童福祉学科、子ども学科の保育士養成課程において導入。
□全国各地域の育児環境づくりにおける支援を促進する。そのために、
全国の「育児セラピスト」の資格取得者たちがつながることで、横の連携が
とれるプラットフォームをつくり、それを活性化する。さらに、個々人の
知識とスキルのレベルアップを図る。
→横の連携のプラットフォームを作るために、育児セラピスト全国大会を開催
→資格取得者のスキルアップのために、新たなメソッドを開発し、スキルアップ
講座として提供
上記の取組みによって、「育児セラピスト」は、公の舞台にのり、さらに広がる
ためのスタートラインに立つことが出来るようになりました。今後は、これを
「ムーブメント」にしていきたいと思っています。
●共感の波、発展のムーブメント
最初は、廣島大三という一人の「バカ」が、勝手に踊りだしたにすぎません。
でも、それに共感した偉大な一人が、このバカの踊りに付き合ってくれました。
すると、二人目、三人目と共感者が踊り始めました。
この最初の共感者たちは、実は社会的に影響力のある「インフルエンサー」
だったので、この人たちに影響を受けて、共感者は増えてゆき、5人で始めた
ことは、やがて100人の共感を得るに至りました。
全国から集まった100人の中の何人かは、やはり影響力のある「インフルエン
サー」だったので、その人たちが、自分の地域に帰ると、さらに共感者は、全
国をまたにかけて増えてゆきました。そうして気がつくと、共感者は、いつしか
1000人になっていました。
この初期段階において共感者が増える段階を「共感の波」と私は呼んでいます。
この波は、やがて他の波と融合し、ある段階(キャズム)を超えると、大きな
うねりとなり発展します。それは、やがてムーブメントとなります。この段階
が「発展のムーブメント」です。
この「共感の波、発展のムーブメント」を起こすカギは、「志」です。
「志」があるから、そこに「共感」が生まれ、「発展」して、ムーブメントと
なるのです。
私自身「共感の波、発展のムーブメント」のポリシーに沿って、いまの活動
を継続しています。今後の展望は、私がいなくなった後も、永続的に存続し続
けられる団体として、人を育て、仕組みを磨いていきたいと思っています。
最期に、たった一人の「声」だって、最初の「ひとりの共感者」さえ得られ
れば、やがては、それを「ムーブメント」にすることが出来ると、私は信じて
います。
みなさんの志高い「声」が、ムーブメントになることを願っています!
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一新塾本・最新刊 2011年5月出版
タイトル:『「根っこ力」が社会を変える 〜志と共に市民の時代を生きる〜』
編:NPO法人一新塾
出版社:ぎょうせい
定価:1600円(1524円+税)
※この本の印税は「被災地復興の義援金・支援金」にあてられます。
誰もが志を生きられるフレームワーク『6つの箱』を一新塾で開発しましたので、
その方法論をお伝えさせていただきます。
『6つの箱』を回して、根っこを掘り下げ、志を生きている社会変革の先駆者
の方々のロールモデルも紹介していますので、ご参考にしていただくことで、
あなたの中にある、かけがえのない可能性が引き出されることになるでしょう。
ぜひとも、"あなたが志を生きる"一助とされてください。
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