2009/10/20 【一新塾ニュース】第399号:
塾生活動レポート『 日本の水産市場を根っこから変えたい! 』
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一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
【 第399号 】 発行日:2009年10月20日
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■ 塾生活動レポート
『 日本の水産市場を根っこから変えたい! 』
〜ドーバーシーフーズを起業!〜
第12期 土橋 猛
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
東京・田町の一新塾教室は、講義の日はもちろん、講義のない日にも塾生
の方がやってきて、チームミーティングや講義映像の試聴、事業計画などの
個別コンサルティングや、人生の転機についての個人面談など、様々な顔を
持ちながら賑わっています。
先日は嬉しい訪問がありました。第12期生の土橋猛さんが、近くでの
お仕事の合間に、久しぶりに一新塾を訪ねて下さいました。
再会した土橋さんは「食の安全が騒がれる今こそ、何か行動を起こさねば」
と、脱サラし、起業家として奮闘されていました。
土橋さんに熱きメッセージをいただきました。ぜひ、ご一読ください!
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■ 『 日本の水産市場を根っこから変えたい! 』
■■ 〜ドーバーシーフーズを起業!〜
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■■■■ ドーバーシーフーズ(株)代表取締役
■■■■■□ 一新塾第12期 土橋 猛
一新塾では12期生として学びましたので、卒業してかれこれ5〜6年が
経過したでしょうか? 当時は、「社会」ではなく、「会社」に対する不満
のやり場がなく、なんとなく入塾したというのが本音です。なにかが掴める
のではないか、何かが変わる、変えられるのではないか、というなんとも
曖昧な理由からの入塾。ミーハーな私にとっては、著名人の講演がたくさん
聞ける、というのも魅力でした。
一新塾では、色々な仲間に出会うことができました。若いのにしっかりと
将来を見据えてきている学生さんや、政治家を志し地道に活動を続けている方、
起業や社会活動を実際にしている方など、多種多様の仲間との触れ合いで
刺激を受けないわけがないのですが、私の悪い癖・・忙しさを言い訳に、
なかなか出席できない(しない・・?)ようになり、最終的には尻切れの状態
で一年を終えたことを思い出します。
私は平成元年に社会人となり、今年で21年目。一貫して、水産物の取引、
特に、海外との水産・食品貿易に従事してきました。その間、現代の蟹工船
と言われる、「遠洋マグロはえ縄漁船」で丁稚勤務をしたり、白夜の北極圏
で甘エビを獲りながら年越ししたり、ロシアや韓国、アメリカなどで魚を買い
付けたり、中国やその他東南アジアで日本向けの水産加工品の生産などを
手掛けたりしてきました。
● 眠っていたなにかが目覚める
そんな毎日を繰り返しながらあっという間の20年。組織での立場が上がれば、
社内調整やら報告やらと、なにか空虚なことにとられる時間がどんどん増え
てきます。正しいことが通らなくなり、自分の保身が優先することに疑問を
持ち始めたここ数年。海外を含め、取引先の協力があってこそ仕事が成り立って
いるのに、まったくそれを感じようとしない企業や日本市場の体質に、
精神的にも限界を感じ始めたあたりから、眠っていたなにかが目覚めてきました。
* メールで届く、一新塾の仲間の活躍。
* 社会の問題に果敢に挑戦していくスピリットと行動力を持った仲間たち。
* 地道なブレない活動が大きなうねりとなっていく姿。
あと5年、あと10年会社組織で我慢したところで、このモヤモヤは払拭
されないのではないか。何か行動を起こさねば。みんなにできて自分に
できないはずはない・・食の安全が騒がれ、自給率の危機が唱えられ、
海外商品不安説が流れ・・タイミングは今ではないか・・・そんな思いで
昨年から準備し、今年6月に退職。7月に起業に至りました。
現在、いわゆる社会起業家という立場ではなく、あくまで営利企業として、
今までのキャリアの延長での仕事をしています。しかし、いよいよ自分の思う
ことを実践していくステージに上がってきたな、と思う今日この頃です。
同じものを作っていくにしても、生産者にも、そして消費者にもしっかりと、
本当のことを「説明」をしていくことで、なにか違ったものが生まれてくると、
考えています。
●本当に美味しいもの、良いものを作るとはどういうことか
世の中では、なにか問題があると、「輸入物は悪」「国産は安心」などと、
まったく見当違いの評価がつけられ、市場はその評価とは裏腹に、
「安いもの持ってこい」の嵐・・・。挙句の果てには、輸入品について
「安い人件費を使って搾取してる」ぐらいの言われようです。
100円寿司が繁盛していますが、あれも、ほとんどが海外でスライスされ
たものです。1切れ6g、7gというまさに手先の仕事を、安くこなしてくれ
ているおかげで、回転寿司は賑わっているのです。彼らの月給一万円程度です。
でも、その仕事のおかげで、子供を学校へいかせることができるようになった
家庭もたくさんあります。
「本当に美味しいもの、良いものを作るとはどういうことか・・」
* エビフライの海老は切れ目をたくさん入れ、目一杯伸ばしで使います。
尾に比較し、身がでかいのはこのためです。
* ぷりぷりの海老など存在しません。薬に漬けこみ、水を吸わせ、重量を
ふやしています。だから、食感がプリっとしますが、これこそ偽物です。
* 真っ白い縁側など存在しません。塩素に漬けこんで、漂白しています。
本ものは黄色いのですが、それをもってくると、売れない、ということで
クレームとなります。
* 甘エビは鮮度を保持するために、生きている状態で薬に漬けこみます。
甘エビの味はまさに「薬」の味しかしません。
* 骨なし切り身の骨とり作業はすべて手で行います。一本でも残っていたら、
クレームになりますので、ベタベタと、何人もの工員が手でチェックします。
ボロボロの身は、薬を使って結着します。
* 衣づけ商品の中身はいわゆる「カス」「クズ」を結着しているだけのものです。
すべて日本からの要望なのです。
とにかく安いものをもってこい、というオーダーが、海外での生産・このような
商品をたくさん産んでいるのです。それ自体を否定する気はありません。ですが、
それがすべてでもないはずなのです。日本に輸入される際の衛生検査を厳しくした
ところで、根本問題の解決には全くなっていない、と思うのです。
●日本市場を根っこから変えたい!
先日、海外の工員さんに、日本の介護のビデオシーンを見せました。
「だから骨は残しちゃいけないんだよ」という説明に、非常に納得してくれた
ことがありました。今度は、海外の工場の苦労を日本の子供たちや、消費者に
直接伝えられないか、ということを考えています。骨や鱗、血合いといった、
魚由来の異物?にも過剰に反応する日本市場をなんとか根っこから変えられないか、
と、思うのです。
過剰な日本の要求 → 面倒くさい加工 → 日本以外の市場向けに売った
ほうがいい → 食品が日本に来なくなる こんな危機が起こっているのです。
新興国が食料を求めています。アフリカも台頭してくるでしょう。間違いなく、
食べものは「量的危機」に入っていきます。そんなときに日本人だけ、
やれ「見た目が違う」とか、やれ「形が悪い」とか言っている場合でしょうか。
今まさに私の会社はスタートしたばかり。私の頭の中は、この文章のように
ぐちゃぐちゃな状態です。今後、こういったバラバラのパズルのピースをいかに
形にしていくか、まさにそれが私のミッションではないか、と考えています。
卒業後、こんなに時間が経ってからの起業となりましたが、私には、会社勤めの
20年も、一新塾も、そして一新塾後の5年も必要な時間だったと思っています。
今後、一新塾の皆さまから刺激や知恵、アイデアを頂きながら、少しずつでも
進んでいければと考えております。
今後とも、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
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