2009/05/1 【一新塾ニュース】
第385号:『 宿場町のリブランディング』〜魅力づくりとコミュニケーション〜
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一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
【 第385号 】 発行日:2009年5月1日
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■ 塾生活動レポート
『 宿場町のリブランディング 』
〜魅力づくりとコミュニケーション〜 第12期・22期生 宮田久司
■【 参加者募集 】 第24期 説明会 東京・名古屋・大阪・沖縄
★お申込→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
■【 参加者募集 】春の公開講座
4月17日(金)塩見直紀氏『“半農半X”というライフスタイルで社会を変える! 』
4月27日(月)渡部 卓 氏『 ストレス社会を克服するための起業!』
5月6日(水祝)木村 聡 氏『 自分を生きる学校を日本に創る! 』
木村由紀氏
5月12日(火)加藤智久氏『 ベンチャー起業家を志す! 』
★お申込→ http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/ev_mosikomi.html
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
4/27(月)は、メンタルヘルス対策で起業した渡部卓氏の公開講座でした。
IT業界でビジネスエリートとして活躍してきた渡部卓さんが、ある時、過度に
蓄積してきたストレスに襲われます。それをきっかけにメンタルヘルス対策での
起業を決意されるわけですが、とことん成果主義をやり尽くしてきたからこそ、
メンタルヘルスにたどり着いたのだという人生の必然を感じさせていただきました。
さて、今回は岐阜県の美濃加茂市でNPO法人まちづくり協働研究所を立ち上げ
奮闘中の宮田久司さんのメッセージです。宮田さんは、先月、中山道太田宿の魅力
を発信しようと季刊のフリーペーパー「みのおお探(たん)」を創刊されました。
この活動が、4/17の中日新聞で記事になりましたので、掲載記事の紹介に続き、
宮田さんのメッセージをお届けします。
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【 2009年4月17日(金曜日)中日新聞】
太田地区の魅力発信 季刊「みのおお探」創刊
美濃加茂市の中山道太田宿など、太田地区の魅力を発信しようと、
季刊のフリーペーパー「みのおお探」を有志が創刊した。歴史と古い
まち並み、新しい動きを一つにまとめ、同地区の今を新感覚でとらえ
直す試み。イベントも企画し、地域のスタイルづくりを目指している。
(井上昇治)
創刊したのは、同市などで、地域の活性化を目指す特定非営利活動法人
(NPO法人)の「まちづくり協働研究所企画部(GFR)」。まちを
探索し、新たな価値を再発見しようとの願いを込め、タイトルを決めた。
部数は一万五千。中山道発展会や地域住民とも連携し、年四回発行。
中山道はじめ、名古屋市など愛知県の飲食店やギャラリーに置いてもらう。
編集の代表を務める同NPO理事宮田久司さん(26)は「地域の資源や
情報を整理し、現代風に提案していくのが狙い」と意気込む。
表紙は、レトロな太田宿の街並み。じゃばら折りの8ページにイベント
情報や読み物、地図、お店の紹介などを載せた。若い世代にも手にとって
もらえるよう、デザイン性を高めたのが特徴だ。
同NPOは今年3月、太田宿の御代桜醸造の酒蔵で、初めてのジャズ
コンサートを企画。今後も新趣向のイベントを構想している。太田宿では、
古い空き家をリノベーション(大規模改修)して活用する若者の動きもあり、
5月末ごろ、コーヒー専門店がオープンする予定。宮田さんはこうした動き
もにらみ「新しい店舗や、アート・クラフト展示、ファッションなどを結び
付け、太田エリアのイメージを刷新したい」と話している。
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■■■■■ 塾生活動レポート
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■■■ 『 宿場町のリブランディング 』
■■■■ 〜魅力づくりとコミュニケーション〜
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■■■■■■□ 一新塾第12期・22期 宮田久司
● 今日までの経緯
平成18年より、私は日本ラインという愛知県北部から岐阜県南部一帯の地域の
観光促進を進める団体で働くことになった。(現在は退職)
大学を中退し、一新塾の12期を終えた頃だろうか、「現場」にリサーチ行った
縁もあった。
それから3年、NPO法人を有志で立ち上げ、特に「中山道太田宿」という地域に
特化し、「まちおこし」に携わってきた。
地域貢献に対し「Plan Do See」の日々。
結局、まちの人は頑張っても限界がある。現状打破のアイデアを持たない、
あっても行動に転化できない。ワークショップをやり、課題や企画が練られても
行動につながらない。
行政は、町が動かなければ動かない。
地域にとって必要な行動、でも誰もやらない。なら私がやろうと、今年から地域
のイメージを刷新するための一連のプログラムを実践している。
● 本物の町並みは、ほぼ無い
中山道と聞くと、妻籠、馬籠などの美しい町並みを想像する。
太田宿では、江戸から残る建物は2つ。ほとんどが昭和のものである。
昭和のものは構造的に弱く、町並みの維持は難しい。
改築する需要がなければ更地ばかりになってしまう。しかし、実は馬籠宿も、
昭和中期の火事で町並みがダメになっている。それを立て直したのが地域住民であり、
協力した自治体である。
馬籠の事例からも、重要なのは熱意とその土地のアイデンティティ
を生かした開発(魅力づくり)、あるいは発信(コミュニケーション)である
ことがわかる。
あとは、開発の目的は何か。住民が満足しなければならないし、来訪者が満足
しなければならない。商業集積を図るのであれば、出店者が満足せねばならない。
集客と消費が求められる。
● 壊滅状態のところに断続的なプログラム
現在、町は過渡期である。活動する人は高齢で、後継者は少ない。建物が維持
できない。居住者や店舗の流入がない。不動産の問題も含め、オープンな環境に
ない。
新たな公共施設はできたが、人は年老いて動けなくなり、建造物は売却され、
乱開発がなされるかもしれない。景観計画ができることで乱開発は防げても、
維持・発展は別次元の問題である。
商業集積について短期的な改善は難しい。2〜3年の準備が必要とみている。
一方、現状と違った町の見せ方、生かし方をすることで人の関心を惹き、変化の
可能性を匂わせることで町の求心力は高まるのではないか、これは今すぐできる
ことではないか。という考えに至り、宿場内の酒蔵を生かしたジャズの企画、
PR用の季刊誌など、「資源」「人材」「コンテンツ」を結びつけた新たな試みを
断続的に実践している。
町の意識は変わりつつあり、今まで関連のなかった分野(例えば美容など)に
おいても共同企画が立ち上がっている。
これらの動きが、最終的にハードに結びつくものと考えている。
● まちづくり1.0から2.0、そして3.0へ
従来型のまちおこしは、盛り上げ、集客できれば成功という認識があった。
だから集客できそうなタレントや流行のコンテンツを取り入れ、それを燃料にして
人を集めた(1.0)。
しかし、これでは全く何も残らない。本来の価値を減損させてしまう恐れすらある。
今日でもこのような認識から転換できない所は多くあり、太田宿も同様である。
我々は、本来の魅力・コンセプトを再発見し、魅力づくりとコミュニケーション
活動を展開(2.0)、人材の集積と文化の醸成、資金や不動産が有効に流れるシステム
が定着する(3.0)立体的なまちづくりへとつなげていきたい。
今の取り組みはほんの小さな布石にすぎないが、波風立たない保守的な地域に
あっては出る杭であり、手応えは徐々に掴んでいる。全ては今後にかかってくるが。
● 全国の豊かな地域づくり
小さな宿場町の取り組みは、極めてローカルだが、それ以上の意味を持っている。
住む人・来る人のライフスタイルや趣向の変化、経済や物質の流通形態、価値観と
しくみの変化を促す。
今後、中山道全国協議会という組織を通じ、一つの宿場から中山道という線を基軸に、
京都から江戸までそのモデルを広げていく予定である。
現状の資源を再活用し、新しい価値につなげていく「リノベーション」や
「リブランディング」がキーワードである。
一つの宿場の動きが、人の生活を変え、地域を変え、社会を変えていくという
シナリオを描いている。
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