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          一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
            【 第342号 】 発行日:2008年8月23日
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目次
■ 塾生活動レポート 

         『都心から最も近い、広大な里山が消滅の危機に!』

                          一新塾第22期 内田竹彦

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。

先週末は、京都で合宿でした。名古屋・大阪・福岡の地域科メンバーを
中心に33名が結集。「香川でのまちづくりと雇用創出」「中古住宅市場の創出」
「アロマテラピーによる統合医療の実現」など、ミッション基軸のプロジェクト
立ち上げを相互支援。参加者一人ひとりのプロジェクト構想、プレゼンテーション
に対して全員からアドバイスを出し合いました。

  また、この2日間、日本で最も元気な農山村の一つである、ミルクとワインと
クリーンエネルギーのまち、通称、株式会社「岩手県葛巻町」に一新塾有志で
視察に行ってきました。今年7月の一新塾でご講義いただいた前中村町長に
案内していただきましたが、町を愛し、町を情熱的に語り続けるトップセールスマン
ぶりと溢れんばかりのホスピタリティに圧倒されっぱなしでした。

葛巻で出会った方々は全て溌剌と伸び伸びと個性を発揮されていて、葛間町は
人を育み、人の可能性を引き出す町であることを実感しました。 

さて先日、私も現場視察に伺わせていただきました稲城市の里山「南山」に
ついて、22期の内田竹彦さんより熱きメッセージをいただきました。

8月24日には「市民大集会」も控えているとのことです。ぜひ、ご一読下さい!


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■■■■ 塾生活動レポート
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■■□    『 都心から最も近い、広大な里山が消滅の危機に! 』
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■■■□■□■□□                一新塾第22期   内田 竹彦


  私の住む東京都稲城市は、新宿から西へ約15km、電車で約30分に位置し
ている、人口約8万人のベッドタウンである。

30年ほど前までは、都心に近いながら、昔の農村の暮らしのある町だった。
現在は、市の北側は多摩ニュータウン。

多摩ニュータウンとはジブリ映画『平成狸合戦ポンポコ』の舞台になったところである。
市の南側にも多摩丘陵があり、ここは、何度も開発の計画が持ち上がっては
頓挫し、今日、奇跡的に残っている最後の多摩丘陵の里山である。 通称『南山』。

  子供のころには、その山を駆け回り、ただただおかしくて、おしっこを漏らして
しまった場所である。今年の猛暑日でも南山の中に入ると、ひんやりと涼しい。
数度気温が違うようだ。都心で仕事をし、電車で稲城に降り立つと、さわやかな
風とともに、涼しさも感じ、一気にすがすがしい気分になる。駅の目の前に見える、
南山からの風がそうさせているようだ。


●南山が消滅の危機に! 

今この南山が開発によって消滅の危機にある。
組合施工の民間開発事業で、事業費約400億円、工事期間約10年にもわたる
大事業である。計画人口8700人。その広さ、約87ha.東京ドーム約19個分
の広さである。

くしくも、都の実施している海の森の約88haと同規模である。

南山では何十年かかって出来た森の木、約8万本を伐採、造成する。東京湾で
7万本の木を植樹し海の森の作ろうとしている時代に。


●無関心から行動へ

  この、開発計画に対し、私は見て見ぬふりをしていた。あきらめようとしていた。

しかし、見てみぬふりをしていても、頭から南山が無くなることが離れない。

それなら、まずは行動をと、昨年秋、自然保護団体の企画する、南山ハイキング
に参加した。初めて開発の事実と、現場で見た目の前にある自然が無くなることが、
自分の腹の中に重く落ちてきた。身の削れる感じが襲った。

そして、「これは決して、やってはいけない事業だ」と体中が叫んだ。 
その日を境に、私は、今まで無関心だった、好きな人がやっているだろうと
思っていたことに、とにかく参加、行動をした。市民活動というやつを足の運ぶ
ままにやっていた。今年4月には南山開発問題を考える集会を開き、公民館開設
以来はじめて定員400人を超す満員となった。


●事業の問題点 

この事業の問題点は、民間事業ながら、市の補助金20億が投入決定。
周辺および地区内整備にさらに約100億円近い市の税金投入が想定されている。

そして、都の補助金も約48億円が投入される。つまり、稲城市は人口約8万人
なので、市の投入する税金だけでも一人当たり約2万5千円、一世帯4人家族
だと約10万円が決定。さらに、一人当たり12万5千円、一世帯4人家族だと
約50万円の投入が想定されていることである。 

そして、市民に対しこれだけの税負担を求める事業なのに、長い間、市民に
広く知らせることもなく、市民全体の論議を持たずに、行政は開発推進の態度
をとってきたことである。 

さらに、地球温暖化、生物多様性など地球規模の環境問題が叫ばれる中、
この南山地域は、絶滅危惧種でもある猛禽類のオオタカが営巣し、このオオタカ
を頂点にした生態系が存在している場所にもかかわらず、この地域のほとんどの
木を伐採し、造成してしまうのである。

稲城市はその市民憲章で『太陽と緑をたいせつにし、土の香りのあるまちを
作りましょう。』とあるにもかかわらず。


●市民連絡会が発足! 

そこで、開発前に市民的論議を尽くすことを行政に求める目的で、市民連絡会
が発足した。 そして行政に対し、同目的で、市長あてに署名活動をした。
短期間で2万名を越す署名が集まった。

この署名を、市長は、当初は受け取り拒否の態度。

再三の交渉の末、署名提出となった。 この件が8月12日付「朝日新聞」に掲載された。
  その他にも、8月2日号「週刊現代」に巻頭グラビアで掲載された。

8月10日にはTBSテレビ「噂の東京マガジン」で南山問題を30分枠で
放映された。 徐々にメディアの関心も出てきてはいる。

しかし、今現在、市は開発推進の姿勢は崩していません。 
来る8月24日に署名提出報告を兼ねて「市民大集会」が稲城市第一文化センター
で開かれます。やはり市民一人一人が主体的になり、自分の思いを行動に
移すことが求められています。


●ビジョンは「稲城の里山」から「東京の里山」に! 

私はこの問題解決のために退路を断ちました。
南山は都心から一番近い最後の里山です。大規模開発ではなく、都心で生活する
人が訪れ、暮らしの中の一部になるような場所にしたい。子供たちの自然学習の場、
環境問題を考える現場にしたいのです。

私のビジョンは稲城の里山から、東京の里山に、です。

入塾して、まだ3ヶ月。
私とは比べ物にならないほどの大変な経験をされて、志を実現している講師の方々、
いつも、後ずさりしそうな私を、叱咤激励し、自ら現場にも飛び込み、
熱い姿を見せてくれている事務局の方々、それぞれのビジョンに向けて
その背中を現役塾生に見せてくれているOB,OGの先輩方、そして、何か
自分を変えよう、何か腑に落ちない周りを変えようという志を持った個性的な
同期の塾生にいつも支えられ、時に刺激を受け、まだたった3ヶ月ですがここ
までやってこれました。

感謝のかぎりです。これからも、普段味わえない、一歩踏み込んだ
コミュニケーションでのぶつかり合いで、先は長いですが、
「あきらめない気持ち」を持って、腑に落として行動をしていきます。


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