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一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
【第329号】 発行日:2008年4月28日
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目次
■ 塾生活動レポート
『 歌舞伎町のネイティブとして』 第17・19期 山本貴美江 氏
■【参加者募集!】 2008年5月25日開講、講座&第22期説明会
・東京会場 4月30日(水)19:30/5月6日(火祝)15:00〜ほか
・大阪会場 5月3日 (土)13:30〜16:00
・名古屋会場 5月4日 (日)13:30〜16:00
・福岡会場 5月5日(月祝)13:30〜16:00
・沖縄会場 5月10日(土)10:30〜/5月11日(日)19:30〜
■【参加者募集!】 公開講座
・『地域主権型道州制〜日本の新しい「国のかたち」』
講師:江口克彦氏(PHP研究所社長・道州制ビジョン懇談会 座長)
日時:2008年5月15日(木)19:30〜21:30
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
先日、映画『タネピリカ〜「環境」をキーワードに働く人たち』上映会に
多くの方にご参加いただきました。出演されている4名の方が「環境」を
テーマに「仕事」=「人生」の生き方をされている姿勢に、共感された方が
たくさんいらっしゃいました。
一新塾でも、環境をキーワードに「仕事」と「人生」を重ね合わせてチャレンジ
されている方がいます。一新塾第9・21期生の大和田順子さんは、日本に初めて
ロハスを紹介されました。大和田さんの新著『ロハスビジネス』(朝日新書)
が先日、朝日新聞の書評欄に取り上げられました。
→ http://book.asahi.com/review/TKY200804220071.html
大和田さんは、ロハスの考え方を政策提言や地域活性につなげていきたいと、
塾生と協働しながら奮闘中です。
さて、今回ご登場いただくのは第17期・19期の山本貴美江さんです。
新宿歌舞伎町の飲食店を営む家庭環境に生まれ、都会の底辺に虐げられた
人たちの姿を見てきた山本さん。
波瀾万丈の人生と社会起業家としての歩みを綴っていただきました。
先日の「現役生・OBOG会」でも揺るがぬ信念の熱きプレゼンテーション
をいただき、参加した塾生、卒塾生から、多くの支援を得られていました。
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■ 『 歌舞伎町のネイティブとして 』
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一新塾第17期・19期 山本 貴美江
折しも、企業経営者の集まりの講演会で自分の半生を語る機会がありました。
私は、新宿歌舞伎町で飲食業を営む家庭環境に生を受け、社会のあらゆる問題
の集積と、都会の底辺に虐げられた人たちの姿を見てまいりました。
●最悪の中に人生の原石が隠れていた
人生でほんとうに大きなことは人間の意識を裏切ってやってくる場合があります。
私の両親は、身を粉にして働き、親子で暮らすことすら出来ないほどの状態で
した。母は、勉強をすればこんなに体を使って働かなくてもいいのだと、私に
言い聞かせていました。晴れて私立の医大に合格したのですが、経済的事情
から断念せざるを得なく、国立の医学部を狙っていかねばなりませんでした。
しかし結果は2度、3度、4度不合格。
もうこのトンネルから一生出られない・・ そう思っていました。
そんな状態であった1988年、親子で当時どこにもなかった室内個室型の
「カラオケルーム」という業態の原型をつくりました。ところが3年、5年と
経つうちに私たちの作った店は大手音楽配信企業などの大資本にみるみる真似
をされ、あっという間に全国に増殖していきました。さらにアジアや世界にも
拡大していき、日本を代表する大衆文化であるKARAOKEの業態の主流となって
いったのです。私達は、零細家族経営だったので3店舗までしか店を増やすこと
ができないで終わってしまいました。私達の手を離れたところでどれだけの
経済効果を生んだかと思うと恐ろしくなります。
このことは、ずっと人生の敗北感として私の中に残っていましたが、見方を
変えれば、これだけ多くの人に真似をされたということは大きな成功だったのだ
といえるのかもしれません。
真剣に死ぬほど努力して目指したものが叶わず、流れの中で努力もなく
生み出したものが世界的にまで巨大に成長してしまう。これは天のいたずら
だったというのでしょうか、人生の不可思議であるとしか言いようがありません。
●社会起業家として立つ
このように人生の大きな波に遭遇したのが歌舞伎町という土地だったのです。
この狭い区域に5000軒もの店舗があり、1日に何十軒もの店が潰れていき、
何十軒もが開業しているといわれています。新宿駅の1日の乗降客は350万人。
犯罪発生率は他所の40倍で、3人に1人くらいは外国人。毎日おびただしい量の
人間のドラマが生成・消滅されています。そのような土壌で、私は社会への
あらゆる視点を学んできたのです。
守られざる無国籍児として生を受ける苦しみ、病んでなお路上生活を送る
苦しみ、老いてなおも身をひさぐ苦しみ、真冬のアスファルトで帰らぬ身と
なる終わり方。社会に踏みにじられた人間の苦しみは社会のひずみが個人に
投影したものであるとしたら、社会のひずみとは何なのか。
私はその後IT技術者として10年間の経験を経てきました。IT技術は、
人・モノ・カネの流れを新しく社会に創造できる手段です。そこに「社会の
ひずみを解決しよう」というパッションが集結すれば、「政策を立案する」
のに匹敵するかそれ以上の変革力と影響力を発揮できる可能性が潜在している
と考えます。
カラオケの経験で学んだことを手に、社会起業家として多くの人に真似を
されるような社会のしくみをまた世に送り出していきたいと思っているのです。
●主な活動
『NPO救急救命バイ・ザ・シチズン』
AED(自動体外式除細動器)を市民救急のインフラにすべく、人的ネット
ワークと技術の面でしくみを作っていこうとしています。
『政治家証券市場ポスダック』
韓国の50万人のパワーが政治の世界に影響を与えた、政治家を証券市場に
上場して株価をつけるシステムを、日本で政治と市民を結ぶインフラに育てて
いこうとしています。
『次世代社会システム開発ラボ バイザシチズン』
自分自身の実験室として、自作ソフトをいくつか試作しています。
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