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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
         【第295号】 発行日:2007年8月1日
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■ 塾生活動レポート

  『 倉敷市政策審議監という仕事 』   一新塾第6期 栢工裕史 氏

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

地域づくり、国づくりのため「政策」に携わり、実現していくことは
遠いことのように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、自ら議員に
立候補する以外にも、市民委員会の委員になったり、パブリックコメントに
提言を出したり、請願やロビー活動などなど、様々な方法があります。
“公募”によって自治体の政策づくりに参画するという道もひとつです。

今回は“公募”で民間から倉敷市政策審議監に就任された
第6期 栢工(かやく)裕史さんのメッセージをご紹介させていただきます。
「政策審議監」とは、倉敷市長のシンクタンク的役割を担い、倉敷地域再生
のヴィジョン作り、市長に対する政策提言を行います。

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■■■■    塾生活動レポート
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■■         『 倉敷市政策審議監という仕事 』

                             倉敷市政策審議監
                                一新塾 第6期
                                   栢工 裕史

 私は、一新塾卒塾後(1997年)、諸般の事情からODAの仕事を辞め、
大学院博士課程に入り地方財政を勉強するとともに、縁あって知り合った
衆議院議員のボランティア政策スタッフとなった。

自民党部会等に出席し、色々な国政の議論を聞いているうちに、
地方が良くならなければ日本という国は良くならないと感じるようになっていった。
そのように感じ始めた時、倉敷市が「政策審議監」という役職を全国公募する
という新聞記事を見つけた。この仕事は、自分としては、やってみたいと思い
応募したところ幸いに採用となった。

政策審議監の役割については、大きく分けて2つある。
1つは、市長へ市の長期的かつ幅広いビジョンを提言する「ひと、輝くまち 倉敷」
推進会議を事務局の立場で取りまとめる役割。(「ひと、輝くまち 倉敷」推進会
議報告書は、平成19年4月に市長に手交され、倉敷市のホームページに掲載されて
います。)
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/seisaku/kurashiki/index.html

もう1つは、市長の補佐役として政策を調査・提言することである。
提言した政策の是非を判断するのは市長であり、市長がよいと判断した政策は、
市長から副市長や担当部局に指示され具体的な政策・施策として実現を図っていく
ことになる。
倉敷市政策審議監になって、2年余を経過したが、私が感じていることについて
いくつか記してみたい。

● 市役所改革と政策立案

当初、政策審議監は、政策立案が主な仕事であると考えていた。
しかし、良い市役所が出来ていなければ、どんなに良い政策を打ち出しても実現
できないということが分かってきた。

そこで、まず市役所改革から始めようと考えた。
具体的な市役所改革の1つが職員の意識改革である。
職員の意識改革については、前三重県知事であった北川早稲田大学教授等の
ご支援を得ながら、市民の目線に立って、市長・職員が対話・討議することに
より、市長と職員のお互いの使命(ミッション)を明確にし、その実行を約束し、
そして、その達成度に対して評価を行い、それに基づき改善していくという
サイクルを弛みなく繰り返すことに挑戦している。

そのことにより、「人を変える」のではなく、「自分が変わる」という内発的
意識改革を啓発し、そして市民との信頼関係を構築する「住民満足度の高い
市役所」になり、そのことが、職員にとって働き甲斐のある「職員満足度」に
つながると確信している。

● 市民協働

  市の業務は、非常に市民に近いという印象を持っている。
  一方で市民にとって、市役所が遠い存在になっているのではないかとも感じる。
市民と行政の協力によるまちづくりを進めるには、そのギャップを埋めていかな
ければならない。

まちづくりの主役はあくまで市民であり、行政はコーディネーターとの
意識を浸透させていく必要がある。地域コミュニティーやNPOといった組織
と連携するためには、市側がもっと情報発信するとともに、市民が行政にかかわる
ことができる仕組み作りが必要である。

● マニフェスト型行政運営

今、国と地方の関係が大きく変化してきている。
市役所は、国から言われたことを着実に実施していれば良い「実施機関」から、
自ら政府と考え、実施する「地方政府」へと変貌しなければならない。

地方行政においては、まだまだ財政状況は厳しい状況が続くと見込まれる。
また、市役所組織のスリム化も進む。その中で、より一層の「選択と集中」を
進め、経営資源の効率的な利用を進めるためには、マニフェスト型行政を行っ
ていかなければならないと考えている。




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