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　　　　　　　　一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ！
　　 　 　　　 【第290号】 発行日：２００７年５月２２日
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目次
■ 塾生起業レポート　

　 『 交通問題ヲ、解決セヨ。〜 35年来の思いを込めて起業 』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一新塾第４・５期 阿部 等 氏
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
本日は、一新塾出身の社会起業家・阿部等さんからのメッセージをご紹介
いたします。

阿部さんは17年間勤務したＪＲ東日本を平成17年4月末に退職、将来は鉄道
会社を興すことも念頭に、同年12月に株式会社ライトレールを起業されました。

阿部さんの原点は、小学校3〜4年の頃から抱き続けた
　●排ガスを撒き散らし交通事故で多数の人を殺すクルマが、世の中で
　　 使われ過ぎている
　●鉄道をもっと合理的に運行すれば、はるかに便利にできる
との思いです。

平成９年、一新塾に入塾され、そのＯＢのつながりでエンゼル証券の細川信義社長
の話を聞いて人生観が変わられたといいます。
「今の日本、大企業や中央官庁に、フツフツとしている優秀な人間がドッサリいる。
　 そういった人達が組織を飛出して起業するようになってこそ、日本は良くなる。」

起業を考えている皆さんに、ぜひ、お読みいただいたいメッセージです！

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■■■■ 　　　　　　　　　　　　　　塾生起業レポート
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■■ 　　　　　　　　　　　　　　『 交通問題ヲ、解決セヨ。 』
■ 　　　　　　　　　　　　　〜 35年来の思いを込めて起業 〜
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□　　　　　　　(株)ライトレール 代表取締役社長　一新塾第４・５期　阿部　等

● はじめに

　近年、環境問題、高齢社会への対応、中心市街地の活性化等、様々な点から
自動車へ過度に依存した生活様式や都市構造への疑問や反省の機運が高まって
います。それを解決する方策としてＬＲＴ（Light Rail Transit）やライト
レールがマスコミに登場する機会も増えました。

私は、子供の頃から交通問題に関心を持ち、大学・大学院と交通計画を専門
に学び、国鉄の分割民営化後の第1期生としてＪＲ東日本に入社しました。
そして17年間勤務した後、「交通問題を解決したい」という私の思いを実現する
には起業という道が最も相応しいと判断し、平成17年12月に起業しました。
ドメインもLRT.co.jpを取得できました。
　　 http://www.LRT.co.jp

私の思いとは、以下の通りです。

　 ・交通問題は、さらなる道路建設や自動車性能向上では解決し得ない
　 ・「個別交通システムの所有」から「共用交通の利用」へ社会を転換すべき
　 ・そのためには民間が交通をビジネスとして展開できる社会ルールとすべき

様々な分野の社会的問題に憤りを感じ、それを解決したいと取組んでいる
皆さんの参考になればと思い、以下、私の拙い経験や取組みを書きます。

● 一新塾での講義

去る4月4日(水)に、一新塾第18,19期の講師を務めました。
「民間事業による交通システム再生　−(株)ライトレール起業奮闘記−」と
題して、以下の構成で１時間少しお話をし、１時間弱の質疑応答をしました。

　　　１．はじめに
　　　 ２．起業に際して
　　　 ３．自動車交通の限界
　　　 ４．自動車へ過度に依存した交通体系
　　　 ５．交通システム再生の主体は？
　　　 ６．富山ライトレールから学ぶ
　　　 ７．救世主となるＤＭＶ
　　　 ８．民間事業による交通システム再生
　　　 ９．必要な規制改革
　　　 10．おわりに

　 当日の資料は以下に掲載しています（プレゼン資料と配布資料は同内容）。
　　 http://www.LRT.co.jp/abe/paper/
　　 ＜ユーザー名・パスワードともpaper＞
　　 プレゼン資料：190404一新塾.ppt、配布資料：190404一新塾.pdf
PowerPointのプレゼン資料を「スライドショー」にして、シート18,23の下線
のあるフレーズをクリックすると動画を見られるようにしてあります。

● 起業家 成功途中物語

昨年、起業家24名が8ページずつを執筆して以下の本を出版しました。
　 『起業家 成功途中物語　かなり不揃いの起業家達 Vol.5』
　　 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4880239941

2年に1回ずつ自分の成長を20年間書き続けるという壮大な企画で、
起業をした・する方にはぜひ参加をお奨めします。一新塾講義の際は、
私の書いた8ページ分もお配りしました（上記の配布資料をアップした
フォルダー中の「18aut_kanahuzo.pdf」）。

以下の構成で、起業に至った経緯、現在までに取組んでいること、
今後取組みたいことをまとめました。

　　　交通に関する子供の頃からの思い
　　　 ＪＲ東日本での勤務時代
　　　 どうして起業したのか？
　　　 (株)ライトレールの目指すもの
　　　 交通にビジネスチャンスはあるか？
　　　 (株)ライトレールが社会へお役立ちするために

P.4に「ある人材養成塾」と書いたのはもちろん一新塾のことで、
ＪＲ東日本に入社した頃は途中で退職するなど夢にも思っていなかった私が
起業することになったのは、一新塾関連の出会いが切っかけでした。
どんな道を志そうとも、「出会い」が人生を方向付けます。一新塾への入塾を
迷っている方には、ぜひ入塾をお奨めします。

● おわりに

今まで多くの方にご相談した中で、私の思いを実現するには「ＪＲの社長、
政治家、官僚、大学教授、評論家」と様々な進路を薦められましたが、起業
という選択をし正解だったと思っています。現在進行形の事柄は書けません
でしたが、皆様には次の機会に改めてご報告致します。

【プロフィール　　(株)ライトレール 代表取締役社長　一新塾第４・５期　阿部　等】
　昭和36年8月30日生、昭和60年 東京大学 工学部都市工学科卒、
　昭和62年 同大学院 修士課程修了、昭和63年 同 博士課程中退。
　昭和63年 ＪＲ東日本入社、平成17年 退社、その間に保線部門を中心に鉄道
　事業の多分野の実務と研究開発に従事、鉄道設計技師(鉄道土木)及び技術士(建
　設部門)の資格取得、日本鉄道施設協会及びＪＲＥＡから優秀賞等を受賞。
　業務外で様々な交通事業プランを作成し一定の評価(大前研一のアタッカーズ
　ビジネススクール、ニュービジネスプランコンテスト、かわさき起業家選抜)、
　鉄道活性化・ＬＲＴ実現に関わる関係者との人脈も構築。
　平成17年 (株)ライトレールを起業