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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
         【第286号】 発行日:2007年5月13日
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目次
■ 塾生活動レポート
  『 自分のまちを、誇り高きまちにしたい
    〜“KOFU Pride”そして、“ワインツーリズム山梨” 』
                      一新塾第6期 笹本 貴之 氏

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    5月19日(土)15:00〜17:00 【追加開催】
    5月21日(月)19:30〜21:30 【追加開催】

春の公開講座&問題解決ミニワークショップあと2回!
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

これまで組織を舞台に活躍してきたビジネスマンが、
今度は地域に舞台を移して、個性を発揮しながら「まちづくり」活動に
取り組む、そんなライフスタイルを実践される方が増えてきています。

一新塾生も様々な地域で、まちづくりのリーダーとして奮闘していますが、
今回は山梨県の甲府市で活躍中の笹本貴之さんよりメッセージをいただき
ました!

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■■■■  塾生活動レポート
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■■■     『 自分のまちを、誇り高きまちにしたい 』   
■■      〜“KOFU Pride”そして、“ワインツーリズム山梨”〜
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■□          KOFU Pride/ワインツーリズム山梨 代表
■□                          一新塾第6期  笹本 貴之


●まちづくりサロン"KOFU Pride"のスタート

 東京と長野に挟まれ、県都:甲府を中心とした人口88万の小さな県、山梨。
私たちはここを舞台に生活をし、仕事をし、子供を育て、遊び、学んでいます。
その中から直に感じる現状への不満と希望を共有し、誰かに頼るのではなく
自らまちづくりを考え、地道な行動に移す。「自分のまちを、誇り高きまちに
したい」。そんな想いから2004年3月に"KOFU Pride" <http://kofu.ne.jp>を
始めました。これは、「実は地方の時代は既に始まっている」ことを一新塾で
学び、この新しい時代に如何に主体的に向かってゆくべきかを考え、自分なり
にやってみた試みです。

毎月一回、私たちが誇りに思う人やモノを「今月のプライド」として取り上げ、
それを知り、楽しむための「まちづくりサロン」を開催。県内外の20代から
50代までの男女約20人が参加しています。世界にここでしか体験できない楽しみ
を満喫し、私たちの誇りであることを実感する。
この「自ら楽しみ、自ら誇る」ということが、まちづくりの第一歩と考えて
継続してきました。

●サロンから生まれたプロジェクト

これまでに継続してきたサロンのテーマは多岐にわたります(付記参照)。
町なか散策、事業見学、映画、音楽、メディア、深沢七郎、ワイン、教育等。
私は主宰者として毎回のサロンで次のようなことを言い続けました。「サロンを
ただの話で終わらせるのでは無駄。このサロンの目的は、まちづくりに有効な
ことを見出し、それを具体的に継続可能な事業に展開すること」。

しかし話だけは盛り上がっても、簡単に次の具体的な事業に結びつくわけが
ありません。当然全員が仕事を持っているわけですから、時間的・経済的な制約が
あります。サロンのテーマもだんだんマンネリ化し、参加人数も3人にまで落ち
込んだこともありました。月に一度のサロンを継続することは苦痛にすら思える
こともありました。

そんなときメンバーの一人から電話がよく来るようになりました。
「笹本さんに会わせたい人がいるんですけど。僕のお店に来てください」。
いつもサロンの会場としていたカフェの経営者で、私の状況を見るに見かねたので
しょう。彼のお店のお客さんで「この人は使える!」と思った人を片っ端から私に
引き合わせたのです。私は言われるがままカフェに出向き、一人一人と話し、
サロンに誘いました。そのときに出会った人々は、いまでは中心メンバーになって
いますが、彼らにはある共通点がありました。それは、一度県外で生活をしてから
山梨に戻ってきた、それも自主的に戻ってきたいわば「積極的な出戻り組」という
ことです。

このように何かをやりたくてウズウズしているメンバーを加え、より主体的な
雰囲気が高まった結果として、シリーズ化してきたサロンのテーマが、「映画」と
「ワイン」でした。特にワインに関しては「山梨におけるワインツーリズムの実現」
を目的に掲げ、「ワインツーリズム山梨」< http://www.yamanashiwine.com >
プロジェクトとしてサロンとは別に展開することになりました
(映画に関してはまだ事業化とまでは行きませんが、上映イベントを継続しています)。

●「その土地の葡萄で、その土地のワインをつくり、その土地を表現する」

ワインとはそもそも、その土地で生産されたブドウだけで、その土地のつくり手
によって醸造され、その土地で楽しまれる産物です。つまり、ワインを味わうことは、
その土地の自然、文化、人間を全身で味わうことになるのです。ワイナリーを一軒
一軒巡り、飲み、つくり手と語らい、食や文化を楽しみながら地域を散策するのが
「ワインツーリズム」です。
80以上のワイナリーが軒を連ねる山梨は、このワインツーリズムを体感できる
日本で唯一の地域です。「ワインツーリズム山梨」には、そんな楽しみを自らの
目線で紹介し、世界に広めたいと想う7名のメンバーが"KOFU Pride"から参加して
います。

●「ワインツーリズム山梨」始動、「ワインフェス」開催と『br』創刊

自動車関連会社経営者、カフェ経営者、雑誌編集者、デザイナー、イラストレーター、
IT企業経営者、司法書士と様々な職を生業とする20代〜30代の男女が、一人の
消費者としてそれぞれの立場から、山梨のワインを自ら知り自ら楽しむ。
その過程で発想した「こんなことやったら面白い」「こんなこと山梨でしか
できない」ということを具体的に企画・展開しています。

 まず、山梨県産ブドウ100%のワインのつくり手たちを甲府のカフェ
(フォーハーツカフェ<http://fourhearts.blog80.fc2.com/>)に招き、
彼らが自ら注ぐワインと彼らとの会話を楽しむイベント「ワインフェス」の主催。
ワインとの相性を考えて、有機野菜や地鶏など地元の食材による料理も提供しています。
これまでに4回主催し、県内外から延べ400人のお客様にご参加頂きました。
最初は人集めに非常に苦労しましたが、いまでは我々のWEBサイトからの申込みで
あっという間に定員になるほどです。

そして、ワインフェスに招いたつくり手たちを訪ね、地域を巡るワイン
ツーリズム雑誌『br 』(ビーアール)を創刊しました(800円。2月、6月、
10月の年3回発行予定)。この雑誌片手に、ワイナリーはもちろん、山梨の
誇れるレストラン、カフェ、ショップ、その他見どころを巡り、山梨の一日を
楽しく過ごしてもらうツールとして発売しています
(ワインツーリズム山梨のサイト<http://www.yamanashiwine.com>をはじめ、
都内では青山ブックセンター本店などで入手可能です)。

●今後の課題

実はワインフェスでも『br』でも、一切のしがらみを排するため、
ワイナリーは勿論、その他からも広告、取材費などはいただかず自費にて
運営しています。今後の課題は事業として継続してゆくための収益の確保と、
そのための事業の多角化です。具体的には、雑誌の出版業、サイトでの広告業、
ツアー企画業などをできる法人設立に向けて、環境を整えているところです。
現在、『br vol.2』の発売(6月下旬)に向けて取材と執筆を進めています。

【付記】
※"KOFU Pride" webサイト/ http://kofu.ne.jp
※ワインツーリズム山梨webサイト/ http://www.yamanashiwine.com
(雑誌『br』の注文と「ワインフェス」のお申込みもできます)

※これまでに継続してきた”KOFU Pride”のサロンのタイトル一例
・読書会
  中沢孝夫著『<地域人>とまちづくり』
・甲府の旧町場(甲府市中央)の散策 
・Kizan Winery’s Dinner vol.1〜2
  (機山洋酒工業の土屋氏と共に氏のワインと食事を楽しむ)
・まちづくり事業見学会(Four Hearts Cafeの経営理念「コンセプト・食材・今後の展開」)
・山梨の映像作家vol.1〜4
  矢崎仁司監督作品『三月のライオン』上映+監督トークショー
  富田克也監督作品『雲の上』上映+監督トークショー
  矢崎仁司監督作品『花を摘む少女と虫を殺す少女』上映+監督トークショー
  富田克也監督作品『国道20号線』上映+監督トークショー
・深沢七郎生誕90〜92周年記念企画『年越蕎麦夢譚』(としこしそばゆめものがたり)
  三上寛氏の奏でる深沢七郎門外不出の遺品『瑞雲』の音色
・山梨のミュージシャン 〜ブルースギタリスト堀内良二のライブ実現に向けて〜
  ブルースギタリスト堀内良二氏を知る
・山梨ワイン勉強会 vol.1〜4 〜山梨のワインツーリズム実現に向けて〜
  機山洋酒工業の土屋氏に山梨のワインの味わいとワイナリーの意図を学ぶ
  シャトー酒折の醸造責任者:井島氏を訪ねる
  機山洋酒工業の土屋氏とFour Hearts Cafeの大木氏による食の饗宴
  ワイン醸造家達とワインツーリズム映画『サイドウェイ』を観る
・前澤哲爾(山梨県立大学助教授・一新塾理事)の挑戦
・山梨のクリエーターをたのしもう
  山梨におけるクリエーターの現状・課題・可能性
・山梨の教育を考える
   川村美紀著『地方公立校でも「楽園」だった』をきっかけに




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