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        一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
         【第277号】 発行日:2007年3月22日
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目次
■ 塾生活動レポート
      『「北京の蝶々」を飛ばしたい! 〜私の「人生二毛作」』
                           一新塾第15期 松尾 一佐 氏

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  メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

 一新塾では、今週末にOBOG会の開催予定といったこともあり、
最近、卒塾生の方から近況のお知らせをよくいただきます。

そんな中、ビジネスの第一線でご活躍の方が、NPO法人へ転職されるケース
が増えてきています。業界で培ったビジネススキルを活かして、地域で社会貢献
に活き活きと取り組まれている姿に、私たちも大いに勇気づけられます。

  今回は大手企業からNPOの世界へ飛び込まれた第15期生の松尾一佐さん
よりメッセージをいただきました!

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■■■■  塾生活動レポート
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■■      『「北京の蝶々」を飛ばしたい!〜私の「人生二毛作」 』

□                               一新塾第15期  松尾 一佐

 私は、昨年、50歳の声を前にして、長年勤めた会社(日本を代表する
超巨大企業です。)を円満退職し、NPO(Non Profit Organisation)の世界
に飛び込みました。退職というと人生の一大転機と思われるかもしれませんが、
私の場合、特に、感慨というものはなく、単に、人事異動の一環として、
NPOを担当する部署に移った、といった感じでした。

これは、以前から、NPO法人一新塾などでの活動を通じて、NPOに親近感を覚え
ていたからかもしれません。

●「人生の二毛作」

 この転進は、人生80年時代を迎えて、私なりの「人生二毛作」を志向した
結果です。ひとつめの作物が、企業のサラリーマンとして人脈、財力、知識等
を獲得することだったとすれば、ふたつめは、これらを生かして、「主体的市民」
として、自分の住む地域に貢献することです。

地域に貢献するには、NPO、ジャーナリズム、ボランティア、政治などいろいろ
な道がありますが、これらのなかから、NPOを選択しました。1998年にいわゆる
NPO法が制定されて以降、NPOの設立数は増加の一途をたどり、現在、3万を超え
ています。NPOは、今後の日本社会を運営していくうえで、欠かすことのできない
存在になっています。

●二羽の「北京の蝶々」

私は、NPOでの活動を通じて、「北京の蝶々」を飛ばしたいと思っています。
「北京の蝶々」とは、北京で一羽の蝶々が羽ばたくと、他の蝶々がつぎつぎと
共鳴して、ニューヨークでハリケーンが起きるというもので、小さなゆらぎが
大きなうねりとなり得ることのたとえです。これまでのように、政府の庇護を
待っていただけでは、地域は元気になりません。たとえどんな小さなことでも、
市民一人ひとりが、自分なりの「北京の蝶々」を飛ばす努力をすることで、
地域は大きく変わっていきます。

私の一羽目の「北京の蝶々」は、一新塾で知り合った仲間との起業です。
事業名は、SIP (Social Innovation Platform) で、その名のとおり、社会変革
のための舞台を提供し、「健全なデモクラシーの実現」を図ることをミッション
としています。具体的には、ケースメソッドと呼ばれる授業方法を用いて、
たとえば、私の住む多摩ニュータウンの住民を対象とした「市民力向上講座」
などを展開していきたいと考えています。この小さなゆらぎが、他の仲間に
共鳴して大きなうねりとなることを確信しつつ、本格事業化に向けて、精力的に
取り組んでいます。

二羽目の「北京の蝶々」としては、NPO法人での活動があります。
具体的には、行政に対する政策提言、指定管理者の評価制度の検討、インターン
シップ等による大学との連携などです。また、家内ともども、多摩ニュータウン
の老朽化した団地に住む高齢者の住み替え支援など地域の活動にも積極的に
参加しています。夫婦ふたり、「多摩ニュータウン人」として、地域に根を生やした
活動に取り組むことで、共通の話題ができ、夫婦円満の秘訣にもなっています。

●ガバナンス型社会の構築

転進後、給料は大幅に下がりました。しかし、時代の大きな転換点の息吹を
日々肌で感じるという、お金では買えない貴重な経験をしています。前小泉政権
が推進した「官から民へ」および「国から地方へ」という大きな流れのなかで、
これまでのガバメント型社会運営(政府による垂直的統治)からガバナンス型
社会運営(地域の構成員による水平的協治)への移行が求められていますが、
地域への貢献というふたつめの作物を栽培することで、ガバナンス型社会の構築
にいささかでも寄与していきたいと考えています。

 



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