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一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
【第266号】 発行日:2006年10月30日
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目次
■ 塾生チーム活動レポート
『 救急救命バイ・ザ・シチズン 〜 眠らぬ街の叫びから 』
一新塾 第17期生 山本 貴美江 氏
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
佐賀県では、官民による競争入札で業務の担い手を決める「市場化テスト」を
全国の自治体に先駆けて始めます。対象は、警察や教育委員会などを除くすべて
の業務とのこと。しかも、佐賀県の場合は、一般の「市場化テスト」とは一味
違って、決定過程に住民の意思を反映する独自のもの。2007年度から実際に委託
がスタート。古川佐賀県知事が、06年2月に一新塾で「オープン、現場主義、
県民協働」と言っていたのを思い出しました。
市民社会の実現に大きな一歩となると思われます。
さて、一新塾生も負けてはおりません。
市民の立場で、自ら問題発見して、自ら問題解決に挑んでいる
『救急救命バイ・ザ・シチズン』プロジェクトリーダーの山本貴美江さんに
登場いただきます。
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■■□ 塾生チーム活動レポート
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■■ 『 救急救命バイ・ザ・シチズン 〜 眠らぬ街の叫びから〜 』
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□ 一新塾第17期生 山本 貴美江
●眠らぬ街の叫びから
私の家族は、新宿という都会の吹き溜まりで飲食業を営んできました。
お客さんには路上生活者も多く、病気になったとしても病院で門前払いに
されるのが関の山なので、私の両親が病院に連れて行って頼み込んだりした
ものでした。
私は小さいころから路上生活者から外国人労働者に渡る、社会に虐げられた
人たちの声にならない叫びをずっと聴いてきたように思います。国籍を語れぬ身、
病んでなお路上生活を送る心細さ、老いてなおも身をひさぐ悲惨、
真冬のアスファルトで帰らぬ身となる終わり方、、、
治安の悪い地域ほど人々は互いの生命を案じ合いながら暮らしている、
そんなものなのです。
ドライな現代日本から決して消えたはずのない、しかも都会の隅っこで
活きいきと生き続けているこの何ものかを訴えようと念願していました。
●一新塾との出会い
そんな時に知った一新塾は、社会問題を解決しようという志のある人たちが
集まり、ライフワークともいえる人生の大仕事に協力し合う仲間がたくさん
いる場でした。合宿などで何度も自分のミッションを明らかにする機会を経て、
本気の旗を揚げた人に賛同者が集まり、プロジェクト結成の運びとなるのです。
第一級の社会活動家に罵倒されながら、議員に政策提言を何度もぶつけながら、
プランを現場に幾度となく押し返されながら、プロジェクトや事業の骨格を
一年間に渡ってたたき上げていくのです。
●『救急救命バイ・ザ・シチズン』プロジェクトを掲げて
私は一新塾で「緊急時に困った外国人が携帯電話で医療通訳を受けられる
ようなIT技術を作りたい」ことを発端として、救急車到着までに一次救命を
施す体制が未整備だという一般問題にテーマを敷衍しました。
チーム活動で分かっていったことは、無い無いづくしの日本の救急体制の
実情、そして救急車到着までにバイスタンダーが施す一次救命の効果と実例
があまりにも知られていないという状況でした。
「救命要員はいるのに迅速に動ける連絡体制が皆無である」
「市民が心停止に対処できるAEDが普及しているのに、
いざという時に活躍できる体制が不十分」
「年間3万件増加している救急需要に、行政の対応能力はすでに限界である」
「救急車が到着するまでに地域で救命活動を行う仕組みを作り、
これまで助からなかった命を救える」
私たちの手で<市民救急>の先駆的事例を世に送り出そう!!
と、チームの結束は固まっていきました。
●プロジェクトの困難
一新塾の活動で何度もプロジェクトを提言する機会をいただきましたが、
口を揃えて「誰もがやりたいと思っていることだが、おっかなくて出来ないのだ」
という反応を示されました。まだまだ<市民救急>実現へのハードルは高いのです。
そうであるからこそハードルを下げる知恵を私たちが実例として示すことこそが
プロジェクトの社会的使命なのだと思い知るようにもなりました。
●プロジェクトのこれから
これから一新塾の傘の下から世の中に出て、
このハードルを超えていかなくてはなりません。
私たちのモデルの第一号は、私の自宅のある新宿大久保地域です。
難しい社会問題をさばきながら暮らしている地域の人たちの危機管理能力の高さ
に頼んで、市民救急のモデルを育ててみようかと思っています。
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