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一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
【第252号】 発行日:2006年8月30日
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目次
■ 一新塾講義ノート
「あらゆる市民は記者だ!〜韓国インターネットメディアの衝撃」
(2006年7月5日 オ・ヨンホ氏による一新塾講義)
■一新塾第19期(11月12日開講)説明会開始(9月7日より)
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
皆さんは「オーマイニュース」(大前ニュースではありません(笑))を
ご存知ですか?
●「オーマイニュース」とは?
「オーマイニュース」は韓国発の市民参加型のインターネットメディアです。
“あらゆる市民は記者だ!”をコンセプトに韓国で2000年に開始され、現在
では約4万2000人が市民記者として登録、1日に150件〜200件の記事が寄せら
れています。その影響力は既存のメディアに大きな衝撃を与え、今では、
ソウルの全国紙・ネット局や海外メディアが記事を引用して報道することも
日常化していますす。
●「オーマイニュース日本版」が創刊
その「オーマイニュース http://www.ohmynews.co.jp/ 」が、いよいよ
日本にやってきました。一昨日8月28日より、オーマイニュース日本版
のサイトがオープン!
また同日、オーマイニュース日本版の編集長に就任したジャーナリストの
鳥越俊太郎氏と社長兼CEOの呉連鎬(オ・ヨンホ)氏による創刊の記者会見
が行われました。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200608290031a.nwc
●創刊に先駆け、オ・ヨンホ氏 2006年7月に一新塾で講義!
市民ジャーナリズムというパラダイム・シフトを日本に実現できるか?
オーマイニュース日本版のチャレンジに注目が集っていますが、
一新塾では、オーマイニュース日本版の創刊に先駆け、2006年7月5日
にオ・ヨンホ氏にお越しいただき「あらゆる市民は記者だ!〜韓国インター
ネットメディアの衝撃」をテーマに講演をいただきました。
オ・ヨンホ氏は1988〜1999年、月刊「マル(言)」の記者・取材部長を経て
2000年に「オーマイニュース」をスタッフ4名で創設されました。
一新塾講義では、オ・ヨンホ氏が、なぜ「オーマイニュース」を創刊した
のか? 「オーマイニュース」を通じて、どんな理想の社会ビジョンを描
いているのか、そして、なぜ日本進出というチャレンジを決意したのか、
ヨンホ氏の動機と、実践、そしてオーマイニュース日本版の今後の展望に
ついてお話いただき、後半は塾生と忌憚のない議論を展開いただきました。
本日は、一新塾講義ノートとして、7月5日のオ・ヨンホ氏講義から
質疑応答のやりとりに一部をご紹介させていただきます。市民ジャーナ
リズムの新しい息吹をぜひ感じていただければと思います。
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Q:オーマイニュースと既存メディアとの違いは?
既存メディアとの記事の内容の違いは?
また、既存のメディアはしがらみがあって、政治的圧力があったりして
自由に記事が出せないと思います。オーマイニュースでは、しがらみの
ない記事をたくさん載せられるのでしょうか?
A:市民の目線で書きやすい方法で書いてくださいと。
記事の形式を破壊しようと思ったんです。
政治的な現場を10分ごとに伝えるとか、手紙形式のものとかでも
記事として受け取りました。
それからオーマイニュースの既存メディアと違っていた部分は、広告主の圧力
から非常に自由であったということ。既存メディアは常勤記者が書くので、
ある企業からその記者に圧力がかかればその記事は消えてゆくわけです。
ですが、私たちの場合はある日突然市民記者が記事を送ってくることができる
わけです。だから、その記事に価値があれば、オーマイニュースは載せるしか
ないわけです。
もし私たちが載せなかったとしたら、すぐに、その噂が市民に広がり、オーマイ
ニュースとしての価値はなくなってしまいます。私たちは広告主から受けるお金
よりも、“すべての市民は記者だ”というコンセプトに価値があると思っている
わけです。
Q:「オーマイニュース」によって韓国は、
どういう世の中からどういう世の中に変わったのか?
また、日本の変化の可能性はどうでしょうか?
A:一つはメディアの民主主義。オーマイニュースを作ったときに目標は
「5対5の社会をつくる」というのを考えていました。2000年の韓国
は8対2の社会だったからです。8というのは保守。2は革新=進歩。
オーマイニュースの登場までは保守的なメディアによって世論が形成され
ていたと考えるならば、オーマイニュースが登場した後は、もちろん私達
だけがやったわけではありませんが、世論を形成するメディアが非常に
多様化したと思います。
既存の保守的なメディアも市民参加という部分については非常に取り入れる
ようになったわけです。大きな放送局も市民記者を募集しました。私の書い
たジャーナリズムの博士論文では「オーマイニュース流の市民メディアが登場
したことで既存メディアにも影響力を与えた」という内容から書き始めたの
ですが、韓国の言論社会全体で、市民の声が大きく反映されるようになった
と思います。
例としては、オーマイニュースは最初の頃、記事の下のところにコメント欄
というのを作ったのですが、他のメディアにも、だんだんとそういうコメント
欄がつくようになりました。今は読者の意見によって世論が形成されること
が重要視されるようになりました。
オーマイニュースのようなメディアの登場は、政治社会領域での民主主義
の形成にも大きな影響を与えたと思います。政治のプロセスの中で、社会
の問題を解決してゆく中で、今は市民の声を聞かなくてはならないというの
が韓国社会の中では必須の領域になってきています。
政治の領域でも、ある党の代表を選ぶにしても、その党の代表によって
選ばれるのではなく、相当な部分を一般国民の世論調査を通じた結果を
取り入れるとか。おそらく日本でもポスト小泉が選ばれなくてはならない
ということなんでしょうけど、そのプロセスで一般国民の世論がどれだけ
反映されるか。韓国で党の代表になるには国民の支持を得なくてはなら
ないわけです。そういう変化が韓国に最近の4〜5年で生まれたわけです。
それは理念的なことではなくて、メディアであれ、社会であれ、政治で
あれ、市民がそのプロセスに参加するということなんです。日本でもその
部分では大きく違わないと私は考えています。
メディアの領域でも市民の声を反映させたいと。それから政治、経済、
社会の分野でも市民の声が反映されるようなシステムをつくってゆきたい。
何か今までは当然だと考えていた何かできあがった構造、閉じた構造を開か
れた構造にしてゆきたい。開かれたプラットホームをつくってゆきたいと
それがオーマイニュースの目指しているところなんです。
◎塾生へのにメッセージ
オーマイニュースの日本進出を検討するにあたって、私はたくさんの日本の
メディアの方にお会いしました。ある新聞社のジャーナリストの方が話して
くれました。「目の見えない蛇が勇敢に動き回れる」と。もう少し解説すると、
私が日本社会のことをあまり知らないからこういうことができるのだと。
でも私はメディアの方々の話を聞く前から、日本を愛する言論人の方々から
日本の市民が作ってゆく市民メディアが必要だと、そういう言葉をたくさん
聞いたのです。
私はそういう試みを、「よりよい社会の為に、よりよい地球のために」
これが準備された市民によって連帯されてゆくんだと思います。
是非みなさんと一緒にいい作品をつくってゆければいいと思っています。
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