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一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
【第222号】 発行日:2005年12月13日
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目次 :講義ノート 平野暁臣氏(空間メディアプロデューサー)講義録
『イベント力を身につけろ!』
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
寒さが厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
一新塾では12月10日、11日と神奈川県の三浦海岸にて恒例の研修合宿を
行いました。
新潟、石川、岐阜、静岡、大阪など全国各地から 通信科生の方も駆けつけて
いただき、70名近い参加者で密度の濃い志の 交流をすることができました。
“発展途上でも、自分をさらけ出せば、仲間と共に進化できる!”を実験
しようとのテーマで、塾生有志の合宿委員の方とともにプログラムを企画。
「自分のやることの意味づけが強くなりました。気負うことなく問題解決していこう
と思います。」「一人では難しいと思えた事の解決策も発見することができる気が
し
ました。」「ひょっとしたらやれるかも?という気になりました。」など感想をいた
だきました。
さて、本日は平野暁臣さんによる11月9日の一新塾での講義の一部をご紹介
させていただきます。イベントの持つ力、イベントの極意をお伝えいただきました。
一新塾講義ノート □■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■□■■
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■■ イベント力を身につけろ!
〜地域を変える、社会が変わる
■□■■■□■■■□■■□ 平野暁臣氏(空間メディアプロデューサー)
岡本太郎氏の志を引継ぎ、イベントやミュージアムなど、 空間メディアの領域で
多彩なプロデュース活動を行われている (株)現代芸術研究所代表取締役の
平野暁臣氏。( http://www.ggk-jp.com/ ) 平野さんは昨年初めて一新塾での
講師をお引き受けくださいました。 今年は2回目の講義となります。
11月6日に
入塾した17期生にとっては 初の一新塾セミナールームでの講義の
場となりました。
【 講義の内容 】
■ イベントの5つの宿命
■ イベントのクオリティを決める4つの技術
■ イベントの構造
■プロデューサーの仕事=3つのP
『ゆるやかなクリエイティブな組織をうまく統御する統制する理論は 残念ながら
ないんです、たぶん。これをどうするかっていうのが プロデューサーにとって
大きな問題です。自分はどうやっているのかと いえば、『誠実にやってます』としか
言いようがないです。
ただ、自分はチームを編成した時、徹底して話をします。まず土俵を そろえてお互い
に共感してもらうところから始めます。プロセスの中で 色んな問題が起きたときに、
自分はもちろん相手をリスペクトしています から、自分には特別なノウハウ、スキル、
理論があってチームをうまく 束ねているわけではないですよね。
仕事やりながら僕なりの付き合い方を 見つけたという程度のことなんですよね。
おそらく、ソフトプロジェクト はすべて同じだと思います。 日ごろの取引関係や
主従関係がある中だけで、ソフトプロジェクトは たぶん創れないと思います。
どんどん外に出て行かないと。未知の違う才能、 能力のある方と一緒に仕事を
しないと、新しいものなど生まれるはずが ないです。 これから色んなもの皆さん
やられる時に、必ず今僕がしゃべっている ような同じ問題に直面するんですよ。
プロデューサーの立場というのは、指揮者のようなものです。 調整役です。
色んな専門分野の方と話をするので、どんな分野の人とでも 基本的に対等に話が
できる素養がいるんです。みんなプロですし、彼ら 同士が全く理解しあえない場合
もありますので、通訳できるだけの語学力 も必要です。
なので、自分が“ある専門分野”にどっぷりつかって、そっちに引っ 張られてしまう
のは駄目です。自分の得意な分野の肩をもってそっちの 視点だけで見たら、解決
できないです。
全部のフィールド、技術と等距離 で付き合ってすべて上から俯瞰しなくてはならな
いんです。つまり、 いつもゼネラリストでなくてはならない。 逆に言うと、“シロウト”
の目を常に持ち続けながら、プロとしての 判断をできるプロフェッショナルでなくて
はならない。
表現者であり、 管理者なんです。クリエーターであり、マネージャーなんです。
そのような中で、様々なバランスをとってゆくこと。それが最大の 仕事です。
そのためには自分自身を俯瞰する姿勢が必要なんです。熱中 する自分を冷静に
見ている自分がいなくてはならない。ですから何か判断する時の根幹のよりどころ
は、「常識」しかないですね。』
■質疑応答 (多くの質問の中の一つをご紹介します)
質問 『個性の違うメンバーをプロデュースする秘訣は?』
『イベントを共に行う仲間のいいところや得意なところとか美意識、好みなどは結局
一緒に仕事をしてみなければわかりません。 クリエイティブな人たちで行う束ねた
チームがうまくいくかは、 たった一つの原理しかないです。
互いにリスペクトしているかどうかだけです。 そして彼らにとってはプロデューサー
に求めるものは、面白いか どうか、クリエイティブなもの、新しいものをつくる環境を
つくってくれる 人間かどうかがすべてなんです。
しかし、そうやって一緒に仕事をしてイベントの成功体験をしたメンバー でいつも
やればいいかといえば、そこには落とし穴があります。いつの間に か過去の成功
体験をトレースするようになってしまいます。生み出すものが 形式化、様式化して
ゆきます。そうすると一番大切なものを失ってしまうん です。
新しいものを生み出すという、、。構造的に矛盾していますが防ぎようのないことです。
だから、新しい血を入れるという、ことをしなくてはならない、無理してでも。
全員「初めまして」だと品質を保証できないので、3分の1以下で新しい血を入れます。
基本的には信頼関係があり、お互いがリスペクトし あっている方と創ってゆきます。
彼はどんな才能があり、どんな力があるかは一緒にやってみなければわかりません。
一回でもやれば、かなりのことがわかります。』
■一新塾生へメッセージ
『この一新塾自体が、皆さんにとってイベントなんですよね。
受け手でもあり送り手でもあると。複雑かつ恵まれた状況の中でこの 一新塾という
イベントをこれから皆さん過ごされるわけです。 この体験は、必ず将来役に立つと
思いますし、一新塾での営みをしてゆく 時にもイベント的な視点や、イベント型の方法
を意識の中に持っていただいて、自分は”仕掛ける側”なんだと。仕掛けるためには
何をしたらよい のか、と常に自覚をしてもらって仕掛ける側の視点で物事を見て欲し
いと。 お客さんではなくて。期待しています。頑張ってください。』
◎平野暁臣氏の講義の様子を写真入りでHPでもアップしました。
ぜひご覧下さい!
http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/kogiroku/kk_051109.htm
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