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      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第212号】 発行日:2005年10月26

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目次
■『炭焼・雪室キットでQOL向上を実現する!
                 〜塾活動の終盤を迎えて』

                浅野勝吾氏(一新塾第15期生)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
さて、一新塾では脱サラして起業にチャレンジする人が年々増えてきて
おります。プログラムでは、事業計画のコンサルテーションを起業家の
講師のみならず、自治体の首長さんからも頂けます。

地域経営という視点で、取り組む事業が社会的にどういう位置づけにある
のかの気づきを得られます。

また、これからの時代はこれまで公的セクターが担っていた問題解決型
ビジネスの市場へ民間参入のチャンスがますます増大していきます。
その意味で首長さんから政治と市民活動を包括した地域経営の視点で
直接指導をいただけることは大変価値があります。

17期では、市町村合併をせず、自立・自律した地域経営モデルを生み
出した小布施町長や泰阜村長もお越しになります。 この小さなまちでの
取り組みの中に、これから日本全国に訪れる 少子高齢時代の「新しい
地域経営ビジョン」を予感します。
       http://www.isshinjuku.com/02cali/cali_04.html

さて今回ご紹介させていただく浅野さんは、炭焼・雪室キットで
「QOL向上」 をテーマに活動されてきましたが、いよいよ現場を
福島県の西郷村に定め 土地も取得。キットの開発がスタートいたしました!


塾生活動レポート□■■■□□■■■□□■■■□□■■□■■
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□『炭焼・雪室キットでQOL向上を実現する!
                 〜塾活動の終盤を迎えて』            

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浅野勝吾氏(一新塾第15期生)



■終盤を迎える塾活動  

塾活動を始めて約一年が経過し、まもなく卒塾を迎える時期になりました。
「自然活用」という切り口で「QOL向上」を目指したチーム活動は、活動
成果のまとめと起業への準備に大わらわです。

学業、アルバイトとの掛け持ちで忙しい学生メンバーも積極的にチーム
ミーティングに参画してくれるのはうれしい限りです。

■素人集団


思えば、チームリーダーの定年後の思いつきアイデアが、炭焼き、雪室
とは全く縁がなかった若いメンバーを巻き込み、若者同士が、炭焼、間伐
作業の現場体験から、森林組合、自治体へのインタビューなどを積み上げて、
次第に炭焼、雪室への理解を深め、ついにはキット活用ビジネスモデルを
考案するまでに成長を遂げたように思います。

炭焼、雪室に対して全くの素人ばかりのチームが、現場主義とロジカル
シンキングを実践するチーム活動を通じてどうにかキットの設計開発が
できるまでになりました。

■日本社会が抱える課題


又、現場調査を通して、自然エネルギー、地球温暖化などの環境問題、
高齢社会での生き甲斐確保、地方の活力低下、コミュニティー・ビジネス等、
日本社会が抱えているさまざまな課題に気付き、その都度、勉強する機会
に恵まれました。

■キットの設計と設置

調査研究結果をもとに、途中、何度も手直しをしながら、炭焼キットと
雪室キットの具体設計をほぼ完了し(3回ほど設計のやり直しを実施)、
福島県白河市近郊の西郷村に土地を購入し、いよいよ炭焼キットと雪室
キットの試作品を設置する段階までこぎつけました。

試作品製作には福島県喜多方市の企業の協力が得られ、今年中にキット
設置完了の予定です。

■二つの仮説

キット活用のビジネスモデル構築では次のような二つの仮説を設定しま
した。 一つ目は、2007年からの団塊世代大量リタイア時代を迎えて、
J(I)ターンや二地域生活実現を目指して首都圏から自然豊かな地方に
回帰する高齢者が増加するのではないか、そして、自然を活用するキット
は地域移住促進のツールとなり得るのではないかという仮説です。

二つ目は、言うまでもなく地域活性化を目的とした地域住民による
コミュニティー・ビジネス興しのツールとしての活用です。

■仮説実現のために

これらの仮説を現実のものとするために、従来、「暗黙知」のカタマリ
であった炭焼を、素人でも使い易く高品質の炭焼ができる「形式知」へ
転換する先進機能の付加がポイントと考え、開発に知恵を絞りました。
又、地域特産品の貯蔵と加工、及び冷房システムとして活用する戸建用
雪室キットは、断熱構造体を如何に安価なものとして開発するかが
ポイントでした。

更に、首都圏からの移住を促進し、キットビジネスを持続させるポイント
は、キット事業者と自治体、地域住民、地元業者が連携する仕組み作りが
不可欠であり、如何にして実現するかという事でした。
これの実現については今後の課題となりますが、チームでアイデア出しを
実施しました。

■実証実験

次のターゲットは、一新塾でのチーム活動を通じて考案されたキットの
性能を、現地で実証実験する事によって確認し、改造を加える事で完成度
を高めていくことです。素人でも高品質の炭焼可能な制御アルゴリズムの
開発と、夏まで雪を保存可能な断熱構造の改良、及び低コスト化の実現を
約一年かけて実施する計画です。

■仕組みづくり

又、考案したビジネスモデルの確立に向けて、自治体、地域住民、
地域業者などを巻き込んだ仕組み作りも並行して進めていく予定です。
炭焼、雪室といったローテクにITを積極的に活用していくことで、
更なる先進性を付加していく事も不可欠と考えます。

■地方が主役

約15年に及ぶ経済停滞から脱却し、日本経済にもようやく明るさが
見えてきました。15年間耐え忍んで温めてきた日本の独自技術が
これから一気に開花する予感がします。そのときは、地方が舞台を提供し、
地域の多様な文化の交流によって地域活性化が実現される中から、世界に
発信できる新しい日本文化が生み出されていくような気がします。

ボーダレス経済といわれる社会では国よりも地域が主役になる時代であり、
地域間競争が激化する時代とも考えられます。

■QOL向上
  

炭焼・雪室キットというプラットフォームに、生き甲斐、健康、安心・安全
といった人間の本源的”ウオンツ”を充足するさまざまなコンテンツが
考え出され、QOL向上を実現することで、地域から日本変革のモデルが
生み出され、地域の発展に寄与することが出来た時が「自然活用QOL向上
チーム」のゴールであると考えております。



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