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      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第210号】 発行日:2005年10月17日

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目次
■『社会を創る喜びを市民も楽しむ
               〜「選挙セール」プロジェクトと通じて』 

                    渡辺雅則氏(一新塾第13・15期)
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

今回は第13・15期生の渡辺雅則さんに、先の「9・11総選挙」で
全国的なムーブメントとなった「選挙セール」プロジェクトの実践を通じて
市民が「社会創造のプロフェッショナル」になるとは果たしてどういうこと
なのか?を語っていただきました。


塾生活動レポート□■■■□□■■■□□■■■□□■■□■■
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□   社会を創る喜びを市民も楽しむ
          〜「選挙セール」プロジェクトと通じて〜

 
■■■□□■■■□□■■■□ 渡辺雅則氏(一新塾第13・15期)


●「選挙セール」をご存知ですか?

皆さんは選挙セールというのをご存知でしょうか?  
選挙で投票を済ませた際に投票所で発行される投票済証(【注】駅で発行
される遅延証明のようなもの。申し出ないとくれません。)を見せると割引
サービスが受けられる商店街のセールのことです。

一新塾6期生吉金大輔さんが発案し昨年初めに事務局の仲介で、商店街
の社会的活動を推進している安井潤一郎氏(早稲田商店街会長・当時)に
話を持ちかけました。昨年7月の参院選の際、安井氏のネットワークで
初めて全国に展開が図られて60店舗が参加し、今年7月の都議選で70
店舗、9月衆院選では全国41商店街、616店舗まで拡大しています。
こうした動きを加速させようと先の衆院選で立ち上げたのが
  「選挙セール.com」(http://www.senkyosale.com)です。

●1本のVTRが私を変えた

私も塾生として選挙セールのことは知っていましたが実のところ投票を
カネで誘導する仕組みに違和感を持っていました。然し、偶々安井氏の
講義VTRを視聴する機会があり、選挙セールが商店街の持つ集団の力を
うまく利用して投票率アップを図るとともに有効な客集めにもなる素晴ら
しいアイディアであることが分かりました。カネで釣られた投票であって
も政治参加の重要な一歩であり通常の投票と何ら区別されるべきでは
ありません。選挙にはセールがつきものであり、選挙に行けば得になると
いうのが「日本の常識」になれば投票率はアップし世の中も相当変わる
でしょう。

●突然の衆議院解散!

そのためには、このアイディアを多くの商店街に知ってもらい、「よし自分
たちもやってみよう」と思ってもらうことが肝心です。安井氏は講義 VTRの
中で「何かを成し遂げるためには言い続けなさい。吉金君は、もういい、
うるさい、と言われても私に言い続けたのです。」と述べていました。

安井氏の名講義を商店街の人たちにインターネットで配信すれば、全国に
繰り返し訴えられる!この講義VTRを使わない手はないと思っていた矢先の
8月中旬、突然衆議院解散の動きが出てきました。
千載一遇の好機到来です。

●同志が結集、そしてサイト完成へ

事務局の森嶋さんに相談したところ、ご賛同頂き早速11人の有志が
集められました。投票日まで1ヶ月足らず、商店街がセールを決定して準備
をする期間を含めると全く時間が足りません。メンバーで役割分担を決め日
に夜を継いで作業を進めた結果、8月25日(木)遂にサイトが立ち上がり
ました。

キャッチフレーズは、「選挙セールを実施しませんか?」。
サイトの中で熱弁を振るう安井氏の姿は、この運動の大きな武器になると
確信しました。投票日まであと2週間、キャンペーン活動を始めるぎりぎり
のタイミングでした。

●衝撃のニュース

ところがその二日後、驚きのニュースが飛び込んできたのです。
安井潤一郎氏、衆院選出馬! 中立であるべき私たちのサイトが一夜にして
一候補者の広告塔に変身しました。今まで選挙セール運動の先頭に立って
引っ張ってきた安井氏を失いサイトも意味を失う事態に、私たちの活動は
終止符を打たざるを得ないと思いました。

●一大奮起! 突貫工事で全面リニューアル  

然し、改めて考えてみると選挙セール運動の灯は安井氏の出馬によって
先祖返りをした訳で、ここで一新塾の私たちが継がないで誰がやるのか、
これも又千載一隅の好機ではないかということに思い至りました。
急遽方針を練り直した結果、商店街への呼び掛けでは無く、どこで選挙セール
をやるのかが分かる一般向けのサイトに変更することにしました。

これであれば、最悪投票日前日でも用が足せると考えたのです。 全面的な
リニューアルを突貫工事で作業した結果、9月5日(月)選挙セール.comが立ち
上がりました。新しいキャッチフレーズは「選挙セールを楽しもう!」。
投票日の一週間前のことです。

●さらに広がった「選挙セール」

一新塾のネットワークで、選挙セール.comは、9月7日(水)東京FMで
紹介され、9月8日(木)中日新聞にも掲載されました。検索サイトの上位
にランクされるようになり、全国の22商店街から215店舗の登録がなさ
れました。この数字は全国で実施した41商店街の54%、616店舗の
34%に上り、私たちのサイトも極めてタイトな期間のなかで一定の役割を
果たせたと思います。

●1周目のPlan →Do →See を終えて

然し選挙セールはまだまだマイナーな存在です。
全国に商店街は約13000、衆院選で選挙セールを実施した41商店街は
その僅か0.3%に過ぎません。全国の商店街に自分たちでもやってみよう
と思ってもらうには説得力のあるサイト作りが欠かせません。

私達のサイトは衆院選に向けた間に合わせの仮設であり、非力でした。
安井氏の名講義に代わる何か良いコンテンツは無いか。そこで考えたのが、
衆院選の選挙セールをVTR取材してコンテンツをネット配信するというもの
です。幸い、全国で最大の45店舗で選挙セールをする大岡山北口商店街
が自宅の近くにあったため、商店街事務所を何回か訪れて会長さんと懇意
になり、VTR取材の内容をネット配信することを快諾頂きました。

●現場主義でサイトリニューアル

取材での会長さんの言葉は、選挙セールを始めたきっかけ、コスト、効果、
工夫した点、改善すべき点、行政や選挙管理委員会への要望、全国の商店街
向けメッセージと多岐に渡り、現場で指揮を執るものだけが持つ熱意と説得力
に溢れ安井氏の名講義に優るとも劣らないコンテンツが得られました。

これに加えてセールを決定した商店街が手軽に利用できるポスターなどを
用意して11月には新しいサイトが立ち上がります。  新しいキャッチフレーズは
「選挙セールが『即』出来ます!」。

●選挙セールが日本の常識に

全国ベースの選挙で運動を展開しているとどうしても1年以上の空白期間
があります。商店街主導の運動では各地の地方選挙までカバーされず、限界
がありました。各地の地方選挙でもどんどん選挙セールをやってもらいたい、
ここに新しいサイトの役割があります。再来年の参院選までの間、各地の
選挙の度にその地域の商店街にこのサイトをPRするのです。

各地の選挙スケジュールをサイトに掲載しますので、誰でも手軽に該当
地域に向けて  情報発信できます。皆で手分けして各地に一本一本
苗木を植えていけば全国ベースの選挙の際一斉に開花し選挙セールが
日本の常識になることも夢では  ないでしょう。

●社会を創る喜びを市民も楽しむ

志のある仲間が知恵と時間とスキルを持ち寄れば市民でも相当のことが
出来る、これがインターネット時代の特徴です。社会を創ることは革命の
時代は別にして今まで専門家や組織の専管事項で市民の手の届かない
ところにありました。然し今は社会を創る喜びを市民も楽しむことが出来る、
そういう恵まれた時代に私達はいるのだと思います。

「市民による静かな革命」が、ゆっくりと、然し着実に進んでいるのかも知れ
ません。



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