☆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓☆
      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第197号】 発行日:2005年6月30日

☆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓☆

目次
■『一新塾での学びから得た私のミッション』近藤幸子氏(第14期生)
一新塾入門問題解決力養成ワークショップのお知らせ(8月7日)

  ========================================================

メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

さる5月末に卒塾を迎えた第14期生のメッセージの第2弾です。
「Plan-Do-See」を何度も回しながら、地元の愛川町で知的障碍児のための
レスパイト実現に向け果敢にチャレンジをされていらっしゃる第14期生の
近藤幸子さんより一新塾での1年を振り返りメッセージをいただきました。
現場主義で奮闘する近藤さんの姿勢から勇気をいただける文章です。


一新塾生の活動レポート■□■□■ ■■■□□■□■ ■■■□□
■■
     一新塾での学びから得た私のミッション
  

■■■□□■□■ ■■■□□■□第14期政策提言コース近藤 幸子


去年の5月に入塾してから、たった一年の間ではありますが、私自身も
私を取巻く環境もかなりの変化がありました。その事について書きたいと
思います。

●地域の現状を知らされる

障碍の有る息子を授かってから、福祉は私にとって、とても身近な問題と
なりました。多分、殆どの人がそうであるように自分自身または、家族が
何らかの形で援助が必要となった時に初めて、住んでいる地域の現状を良く
も悪くも知らされると思います。

私には現在住んでいる愛川町は障碍の有る人や障碍者の家族にとって、
あまり優しくない町であると感じました。理由を挙げればキリが無いのです
が、一番の心配事は障害者の介護や養育を担っている家族(特に母親)が
もし、病気になった時、または、大切な用事でどうしても外出しなければ
ならなくなった時に介護者の代役を担ってくれる様な公的な施設
(レスパイト、 ショートステイ)が無いことでした。

愛川町は老人介護サービスは比較的充実しています。しかし、障碍者児の
場合は支援費制度という介護保険に似た形の福祉サービスがうけられるシス
テムが有るのは知っていてもそのサービスを提供してくれる事業者が愛川町
には殆ど無に等しいという状況でした。

●『ひまわり王国』を立ち上げる


私はこの問題をどうにか解決出来ないだろうかと障碍児の親の会
『ひまわり 王国』を立ち上げて、すぐにレスパイト建設を求める陳情書を
議会に要望書 を町長に提出いたしました。

結果は二度提出して、二度とも採択されません でした。 今まで、市民活動
も真似事もした事がない主婦が田舎町で突然始めた活動には当然軋轢も生じ
ました。

ストレートに言わないまでも子供は親が看て当たり前の様な事を言われたり
『昔は隣近所の付き合いが深くてお互いに助け 合ったものです。ご近所で
手を貸してくださる方はいないんでしょうか?』 と委員会で質問してくる
議員もいました。

『はい、中年以上の世代でも夫婦 共働きの時代ですから、そんな奇特な方
がいらっしゃれば助かるんですが、 難しいんです。だから、困っているん
です。』と答えながら、腹の中では 『(そんな人が)居たら、こんな所に
来てねえよ!こちとらあ、障碍の子供が学校から帰って来るまでのぎりぎり
の時間を使って、必死でここに来てん だよ!』と行く度、理解力も勉強する
気もない首長や議員達にハラワタが煮えくり返り、疲労困憊する日々でした。

そして、会を立ち上げた約5ヵ月後 に私は一新塾に入塾しました。

●一新塾に入塾して

正直な話、私は自分では、かなり主体的市民であると思っていました。
『あーあ、いつになったら少しは楽になるのかしら。愛川町ももっと、色々
な福祉サービスが出来ればいいのにね』『本当よね。あったらいいのにネー』
と不平不満を言うだけで行動を起こさない人を横目で見つつ、大きな声を
上げなければ、回りの人達は気付かないし、現状は改善しない。実践あるのみ
と肝に銘じつつ歩んできたつもりでした。

でも、まだまだ、私は甘かった〜と一新塾に来て思い知らされました。
市民活動や政治活動をがんがんやって、タコツボにもハマッタ! それでも
諦めないで世の中を変えてやるんだ!と集まってきた私より若い人達、
社会的にも沢山の経験を積んで人生に於いても色々な体験をしてきた先輩諸氏、
一新塾に来なければ、一生、めぐり会えなかった人達かもしれません。

交通の便が悪いという距離的な問題と私の留守中、代役をしてくれた実家の
母が体調を崩した事、地元での活動が多忙を極めた等の理由で講義やイベント
にもなかなか参加できず、塾生達と関わる時間は少なかったかもしれませんが
密度は非常に高かったと思っています。

私の活動に賛同してくれて、助けてくれた塾生達、また短期間ではありました
が、隣の市の首長選挙に立候補した同期の応援でウグイス嬢(?)をさせても
らったり、河野太郎氏と議論したり、私の活動のプラスになるような方達を
森嶋さんより紹介していただきました事、感謝に堪えません。
久々に血沸き、肉踊る体験をさせて頂きました。

●一新塾での学びから得たこと

そして、一新塾での学びから、得たことがもうひとつ。
行政や議会に直接働きかけることも必要かもしれませんが、何よりも、同じ
地域の人たちの理解と賛同を得ることが大きな力となる事に気づきました。
いろいろな人と出会い協働していく事の楽しさを教えていただきました。

私達の会ひまわり王国は設立1年4ヶ月のヨチヨチ歩きの会ですが、町外の
市民サポートセンターから声を掛けて頂き、NPO問題解決セミナー等を他団体と
共催したり、知的障碍者の祭典・スペシャルオリンピックスを扱った映画
『ホストタウン』(小栗監督制作の『エイブル』の続編)を愛川町で上映する
にあたって実行委員会へのお誘いを頂いたのがご縁で7月には念願の障碍者
当事者団体、家族団体、福祉団体と連絡協議会を立ち上げる事となりました。

尚、3月にはひまわり王国が主体となって、障碍児余暇支援を企画し、春休み
中に地元のシニアボランティアグループに協力を仰ぎ、イベントを一つやり
遂げました。定期的に余暇支援活動を継続していく為には資金繰りの問題も
あるので、行政が毎年行っている町民アイデイ事業に補助金が出るコンテスト
に先日、申請してきました。

●感激と戸惑いの日々


愛川町の社会福祉協議会も活発なってきており、近々ジュニアボランティア
育成講座を開講するに当たって現場で障碍のある子ども達との関り方を学ば
せる為にひまわり王国に協力して欲しいとの声がかかりました。

バザー出店の際には無償で手作り品を提供して下さった方や、レスパイト建設
実現の為にチャリティージャズライブを開催してくださり、ひまわり王国に
寄付してくださる有志の方も出てきたりと色々な事に感激と戸惑いの日々を
過ごしています。

この度、ご家族が介護出来ない時に重度障碍児者を地域の病院で介護する
(病院型レスパイト)の予算をやっと獲得しました! 医療的ケアが絡む
レスパイトが一番ハードルの高かった部分で、その課題が、地元の総合病院の
協力で解決する事になりました。

金額的には少額ですが、この部分に風穴を開けることが出来たのは、本当に
涙が出るほど、嬉しかっ たです。まさに悲願でしたから。

しかし、総合病院の院長の人事異動があり、新しい院長が着任すると同時に
小児科医が居なくなりました。『小児科医の居ない病院で障碍のあるお子
さんは預かることが出来ません』という話になり、予算がついたのに、利用
できない状況になってしまいました。

一番大変なお母さん達がこれで、ひと時でも休める!少し、安堵の気持ちで
次は、発達障碍児の為のレスパイトに取りかかれると思った矢先の出来事で
した。正に振り出しに戻ったわけです。

●行動あるのみ!


実は3度ほど、私の活動を知る人達から、『確かに大変な事も有るけれど、
障碍児、障碍者の人達の将来をまたは、その人達を支えるご家族の現状を
議会に運ぶ事が出来るのは当事者である、近藤さんや私達が一番説得力を
持った生の声で伝える事が出来ると思うよ。』と声を掛けていただく機会が
ありました。

チャンスを見つけたら、前髪だけでも掴まえてやる! をモットーにこれから
も行動あるのみで頑張って生きたいと思います!
一新塾での学びをベースに更に飛翔します!!       



◆新しい問題解決の体験をしてみませんか?◆      
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一新塾入門 問題解決力養成ワークショップ
2005年8月7日(日)→★詳細、お申し込みページ        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     




一新塾ニュース「今のニッポンを変えろ!」メールマガジンのページに戻る