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     一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
    【第154号】 発行日:2004年9月29日

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【目次】
●「地方返権〜主体性のある地域づくりを目指して」
               中島源陽氏(14期生) 
第15期説明会 【東京】10/2 10/6ほか 
●【開催迫る!!】10月9日(土)
  10周年特別講演 田中康夫知事講演会
●時代を創造するために、あなたはどう生きる?(10/15)
学生向け『ライフワーク発見ワークショップ』
●一新塾10周年記念 創設者大前研一講演会(10/30)
  「これからの10年!世界は、そして日本は?」

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

一新塾の本科講義は東京タワーのすぐ側の港区芝の教室で行われていますが、
最近は地方から熱心に通われる方も増えています。
そして、地域の現場で切実な問題を抱えた方とビジネスの世界で培ってきた
スキルを社会貢献に役立てたいと思っている方々とのコラボレーションが
どんどん起こっています。

今回は第14期政策提言コースの中島源陽さんのメッセージをご紹介させて
いただきますが、中島さんは毎週、新幹線で宮城県から通われていらっしゃ
います。「都市と農村の仲人プロジェクト」のリーダーとして活動を開始。
先日は“稲刈り体験”で中島さんのご自宅に東京の一新塾メンバーが伺わせ
ていただきました。

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「地方返権〜主体性のある地域づくりを目指して」
                   
中島源陽(第14期生)
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「地方分権の時代」が叫ばれて久しい今日でありますが、私はあえて「地方
返権の時代」と言いたいと思います。勿論“返権”は造語でありますが、
私は“分権”よりも“返権”の方が本来のあり方を正確に表現しているので
はないかと思っています。

「権」は言うまでもなく権限・決定権であり、自分達のことを自分達で決め
るということであり、遠く時代を遡れば、元々はそれぞれの地域の中にあっ
たのではないでしょうか。

有史以前より集落が存在し、徐々にいくつかの集落をまとめた大集落となり、
そして武力的・知力的な能力等により、あるリーダーの下に「権」は存在し
続けてきました。更に、日本としては大和朝廷が機能した段階で、その「権」
は身近な地域から遠い中央政府へと奪い取られ続ける歴史が始まったのだと
思います。

私は「地方分権の時代」だからこそ、「分権」という発想から抜け出すこと
が求められているのではないかと思っています。「分け与える」「分けても
らう」という発想が付きまとう「分権」では、本当の意味での「主体性のあ
る地域づくり」は出来ないのではないでしょうか。

「それにしても、有史以前まで時計の針を戻さなくても」と思われるかもし
れませんが、そもそも「権」はどこにあったのかという原点に立ち返ること
が、全ての第一歩になると思うからであります。当然「返権」と共に、自己
責任の範囲が拡大してくることは言うまでもないのですが、このこと自体が
「主体性のある地域づくり」を確立していく上で、欠かせない要素と思うの
です。そのような意味で私は「分権」ではなく、「返権」にこだわっていき
たいのです。
 
また、私は「主体性のある地域づくり」を考えたとき、最も大きな課題は
「農村と都市の隔離」という構造的な問題が生じてきたことだと思っています。
例えば農村と都市の関係において、食料一つをとっても、作ってもらわなけ
れば食べられない、また食べてもらわなければ作れない、という因果関係が
あり、農村と都市はお互いに存在しなければ、自分も存在できないような強
固な相互依存関係にあると思うのです。

そのような意味で、今や「地域づくり」は自己完結できるような時代ではな
く、あくまでも「他」との関係性の上に成り立つ時代と考えます。勿論、そ
のためにはオンリーワンとしての地域らしさをしっかりと地域の中で確立す
ることが前提となるわけでありますが、そこから外に向かってどう発信し、
繋がっていくのかということも同じように大切であります。

このことを示す言葉として「交流人口」が叫ばれて久しいところであります
が、私はその中身を問いたいと考えています。いわゆる単発的・大量的な概念
による一時的観光型交流人口の段階を第一段階とすれば、これからは継続的・
じっくりふれあい型というような概念による顔の見える心の交流人口の段階
にシフトしていくべき時代と思うのです。

正に、私が一新塾でテーマとしている「農村と都市の協働による日本再生」
は、この心の交流人口が全国各地において定着したときにこそ、実現への道
のりを歩むことができるものと思っています。
私にとって一新塾はとても刺激的な非日常であり、異空間でありますが、何
よりも自分自身が飛び出すこと・一歩踏み出すことの大切さを教えて頂きま
した。これからも「地方返権の時代」をリードしていく主体性を磨いていき
たいと思います。



●●●一新塾10周年記念 ●●◎●●◎●●◎●●◎●●◎●●◎●●◎● 
   
創設者 大前研一 講演会
●●● 『これからの10年!世界は、そして日本は?』 ◎●●◎●●◎●

10周年の節目に創設者の大前研一が新しい時代の到来に向けてメッセージ
を送ります。大きく転換している時代の潮流と市民パワーの可能性を存分に
感じてください。後半は青山貞一 一新塾代表理事より主体的市民が向かう
べき新たな10年に向けてのビジョンを語っていただく予定です。
■テーマ:
お申し込み★★ 『これからの10年!世界は、そして日本は?』
講 演:大前研一(一新塾創設者)
日 時:10月30日(土)13:30 開場
             14:00 開演 〜 17:00 終了
場 所:ニッショーホール東京都港区虎ノ門2丁目9番16号
参加費:3,000円





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