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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
        【第103号】 発行日:2003年9月25日
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【目次】
 ●草の根からの生活者維新レポート
       「まずは現場に!〜西谷商店街にとびこんで」
                  樋口篤氏(第12期社会起業家コース)
 ●一新塾からの耳より情報
   ・第13期説明会(9月28日、30日、10月7日ほか)
   ・映画上映会「 home 」(9月28日)
   ・「政治の世界にビジネス感覚を活かしたら?」(10月9日)
   ・「日本にチャータースクールを実現させる!」(10月14日)
   ・「衆院選とマニフェスト」(10月17日)
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皆さん、こんにちは。事務局の森嶋です。
一新塾のチーム活動では、どんどん現場に飛び込み遭遇する問題を肌身で感じ
ていきます。現実との葛藤の中で、問題の本質は浮彫りになり自らのミッショ
ンがクリアになっていきます。
今回は、果敢に現場に飛び込んでいった12期生の樋口さんからいただいた体験
談をご紹介させていただきます。

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     「まずは現場に!〜西谷商店街にとびこんで」
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                           樋口 篤 (第12期生)
●私を変えたあの日の言葉
  大学で建築を学んでいる私は、本当の意味での「コミュニティ構築」をや
 りたいと思い、一新塾に入塾しました。以来、コミュニティ&商店街活性に
 ついて取り組んできましたが、ついに、西谷商店街(横浜市保土ヶ谷区)で
 具体的なアクションに移ることが出来そうな段階まで参りました。

  まず、今回の進展のきっかけになったのは、一新塾のコンセプトでもあり、
 私がプロジェクトプランを書いて、事務局に相談に伺った日に強く言われた
 「まずは現場に出ろ!!!」という言葉でした。「現場主義」たるものが、
 いかに大切で、しかし本当の意味での「現場主義」がいかに私に欠いていた
 かということを今、実感しております。

●ゼロベースで現場に入る

  プロジェクト案をチームの仲間とともに作成していた頃、私たちは頭の中
 で身勝手なコミュニティ崩壊、商店街不活性を描き、商店主や地域住民を
 「客」として捉えて、我々が主役のプロジェクトを構築しようとしていまし
 た。私たちが新しいコミュニティを作るんだと言わんばかりに・・・
  しかし、「まずは現場に!」との言葉を最近になってようやく真摯に受け
 止め、今までの身勝手な考えをキャンセルしてゼロベースで現場に入るよう
 になりました。それができるようになったのは、1ヶ月前からです。そして
 そこから、事態は急速に好転したと思います。

●西谷商店街へ“入り込む”

  最初、「現場に出る」の意味は、12期前期にチーム活動でもやっていた
 ように先進的な現場を見に行くことかと思い、近場の商店街を見に行くこと
 から始めました。いくつかの商店街を回ったのですが、私たちが入り込む余
 地がないような気持ちになりました。そこで、事務局の方がおっしゃった
 「内部には途方にくれて、どうしようもなくなっているような人々が沢山い
 るんだよ!」という言葉を信じ、もっと深く「内部」に入り込むことにしま
 した。以前から注目していた西谷(横浜市保土ヶ谷区)のチャレンジショッ
 プに行き、自分が商店街に興味があることを伝え、そこの責任者のお話を聞
 きました。
  それをきっかけに、何度か西谷商店街に出向くようになり、先週は商店街
 でのお祭りでの神輿の担ぎ手として受け入れて頂いたのです。自分は保土ヶ
 谷区の住人ではありませんでしたので、祭の当日は最初、「外部の人間」と
 いう感じで疎外感を味わっておりましたが、祭りの最後のほうには、「また
 来年もまた来い」とか、「いつでもウチに遊びにおいで」などという言葉を
 地域の方々からいただき、横浜に来て初めて「コミュニティ」というものを
 感じたのです。
  思っていたほど、地域コミュニティは崩壊していませんでした。

●商店会長さんと会う

  そして、以前お話を聞いたチャレンジショップの責任者に呼ばれ、西谷商
 店街の会長さんをご紹介頂く事が出来ました。さらには、そのチャレンジ
 ショップでボランティアとして働きながら、そのショップで始まる新しい試
 みの担当者として、卒業まで仕事をさせて頂くことになりました。その「新
 しい試み」とはまさに、私たちが企画書に盛り込んだ「地域住民のスキル交
 換の場」をチャレンジショップの一部に作ることなのです。

  「現場に出る」さらには「現場に入りこむ」という視点がなかったら、私
 のミッション(=コミュニティ再生)は、単なる「事業計画書」止まりだっ
 たように思います。あの時の「まずは現場に出ろ!!!」との言葉が、私た
 ちをここまで動かしてくれたように思うのです。現場というのは、理想・空
 想よりずっと現実的で、ドロ臭く格好の悪いものだと思いました。地域祭り
 でハッピを着て神輿をかせぐより、プロジェクタの前でビジネスモデルを語
 るほうがずっと格好がいいし、簡単だし、夢があるし。でも、現場に出ない
 ことには何も進展しないんだなぁということは、今回痛いほど実感しました。

●雨の中、お神輿を担ぐ

  つい先日も西谷の方に誘われ、雨のなか横浜市金沢区富岡というところに
 出向きました。地域の人とびしょ濡れになりながら、お神輿を担ぎました。
 もう30年も続く伝統だそうです。
  以前の私ならそんな閉鎖的な場所に飛び込んでいく勇気はまったくありま
 せんでした。しかし、今の私はそれができるようになりました。地域の人は、
 私がほかの地域の、それも大学生(彼らにしてみれば変なインテリ)という
 扱いで、非常に冷たく扱われましたが、最後帰るときには西谷のとき同様、
 非常に暖かく「おい大学生!!がんばれよ!!!」と笑顔で接していただけ
 たのです。
 「とにかく現場に入れ」という言葉は、本当に私を変えました。
 卒塾まであと半期、「現場主義」の徹底追求を図りたいと思っています。



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