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一新塾ニュース 第55号
発行日:2002年4月4日
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「起業で地域を元気にしたい!」
一新塾には3期間お世話になりました。
当時は会社勤めをしながら、塾に通っていました。街づくりや地域の活性化を促すための業務に携わっておりましたが、自分の行っていることの意味や価値を客観的に見れる力を付けたいと思ったのが、入塾の動機でした。塾では、多くの先生方と知り合え、異分野の仲間ができ、実に充実した日々を過ごすことができました。
その後、もっと積極的かつ主体的に、「この日本の社会や地域を元気にする役割を担いたい」と思って、昨年11月に独立を果たし、現在毎日奮闘しています。
そんな奮闘をお伝えすることで、これを読んで下さった方が少しでも元気になって頂けたらと思い、パソコンに向かいました。
現在、公共事業の予算は全体的に縮小傾向にあり、以前と比べると費用対効果を重視するようになったとは思いますが、それでも、全国隅々まで多額な税金が公共施設等(いわゆる箱もの)の整備に注ぎ込まれています。昨今のように国も地方公共団体も、財政事情が悪化した状況においてさえ、「造ること」が目的とも思われる施設整備が依然続けられています。
しかし、整備された公共施設等は私たち国民・住民の資産・財産なのだから有効に活用されてほしいものです。多くの人に利用されてこそ、施設の価値が高まり、地域の人達の元気が出ると思います。
でも残念ながら、使い勝手やサービスが悪かったり、PR不足だったりして、有効に活用され、いつも賑わっている施設は、ほんの一部でしかありません。
それは、公共施設等の管理・運営は、原則的に行政が実施し、例外的に「第三セクター」や「地元住民団体」等に限定され、一部単純事務についてのみしか民間委託が認められていないからです。
公的団体が管理するメリットも十分勉強させてもらいましたが、集客施設について言うなら、民間ができないことは何も無いし、民間が運営するメリットの方がよほど大きいと考えていました。なぜなら、運営民間では当たり前の競争原理が働かず、コスト意識やサービス向上意欲を高めるための組織と個人、各レベルでのインセンティブもペナルティーも「仕組み」として不足しています。また、集客施設を効率的に運営するためには、特徴づけ(わりきり)が必要になるのですが、公共の性格上、どうしても誰をも対象とするバランスが要求されたりするので、逆に中途半端になってしまうという欠陥を有しています。
そこで、自分が得意としているリゾートやコンベンション関連施設での運営では、1980年代から欧米豪等において試みられ成果が上がっている「官民の役割分担の見直し」による「行政サービスの市場化(民間委託)」を、誰よりも早く請け負ってやろうという思いが込み上げてきました。
社会環境としても、一昨年PFI推進法が施行され、民間企業が有するノウハウや経営システムを活用して、民間に行政サービスを提供させようとする制度的な裏付けと、財政的な悪化が背景となり、これまでの日本には無かったビジネス・モデル構築する条件が整い始めていました。さらに、環境保全、ゴミ処理、福祉、教育、情報・通信等の分野において、民間活用の意義や効果、ベンチャー企業への期待が報告され、私が狙っていた分野への民間の参入期待が盛り上がってきた、と感じる日々が続いていました。
会社勤めをしながら、そのような思いを事業計画としてまとめ、自腹でアンケート調査などをしている時に、同じ思いを抱く仲間や企業との出会いがあり、その後、現在の運営しているリゾートホテル・グリーンピア土佐横浪(高知県)がある須崎市長や県庁関係者との関係づくりを進めることができました。
この施設は高知県でも1、2を争う風光明媚な県立横浪自然公園内に立地し、十数年前からの10年間に百数十億円もの費用をかけて造った大規模年金保養基地です。その他にも多額な税金が周辺のインフラ整備に投入されています。昨年11月までは高知県と須崎市が出資している財団法人が運営していましたが、毎年、運営費用だけで数千万円の赤字を出し続けていたので閉鎖になりかけていました。閉鎖されれば、それは廃墟となることは間違いなく、直接的な影響としては、アルバイトを含め50名近い雇用が失われ、地域の産業の連鎖的な衰退を招きます。自分たちの年金資産や税金が無駄になることは絶対に避けたかったし、立地や設備・機能はすばらしいので、裏づけは無いのですが、運営しだいでは「蘇える」という信念を持っていました。だから、親しい人ほど「止めておけ」とバカ扱いされましたが、この事業に人生をかけてみました。
そんな施設運営の経験も会社としての実績もお金もほとんど無い私たちに、閉鎖を絶対に避けたいとする関係者がご尽力を尽くし、最後の望みを私たちに託して下さいました。昨年12月から私たちが立ち上げた株式会社リゾート・コンベンション企画が運営を請け負っています。飲食の内容改善とフロント・サービスの向上、マーケティング、施設PR・セールス等を重視しながら、毎日、運営の改善に取り組んでいます。そして、利用者数と収入増を図り収益性を高めることで、施設の自主活動財源を増やし、より高水準なサービスの提供が可能となるようなスパイラルを目指しています。さらに、私達が施設の管理・運営業務を遂行している意義を深めるためにも、地域への還元と交流を積極的に行い、現場職員一人一人の働き甲斐を高められるような職場づくりを目指しています。
立ち上げメンバー等の仲間に支えられて、その後、すばらしメンバーが加わり、地元の方々の支援も大きく膨らみ、今後どんどん良くなるという実感が出てきました。あとは、やることをやり、何とかこの1年間で結果を出して、今後の運営継続の目処を早期に付けることが、短期的な目標です。その後は1つでも、多く倒れかかっている施設の運営に携わり再建の目処を付けて、地域の活力が蘇えるような役割を担っていくことが事業の方向(ビジョン)です。
以上、簡単ではありますが、大前塾長の一新塾で学んだ仲間とこんなことをしているという報告をさせて頂きました。高知県は、東京からなかなか遠いいですが、ぜひ遊びにいらして下さい。心よりお待ちしております。
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