一新塾ニュース  第35号
発行日:2001年9月14日

テーマ:一新塾がめざすもの

米国での同時多発テロは私たちに大きな衝撃をもたらした。世界一の経済力そして、世界の警察として世界を牽引してきたその地位が瞬時に覆されたわけだ。
21世紀がどういう時代になるのか?
唯一確かなのは、21世紀は20世紀の延長線上にはないということである。

〜一新塾が目指すもの〜
21世紀、我が国は大いなる試練の時代を迎える。
大競争時代の生き残りをかけた「経済システムの再構築」、先進国では前例のない程の膨大な「財政赤字」、「少子高齢化」の進展、世界共通の課題である「地球環境問題」そして、「グローバル時代の危機管理の在り方」など、私たちはこれまで経験したことのない課題に直面することになる。

しかし、これらの21世紀の課題を問題解決する力を養う"教育"は、これまでほとんど存在しなかった。私たちは戦後の時代を通じて組織に依存して生きることに慣れきってしまい、自分たちの国のビジョンを自分自身で描くことも、問題を見ることもできない「鈍感な民族」になり下がってしまった。もはや、既存の社会システムに依存しても問題は解決しないと分かっていても、なかなか行動に移せない。あるいは、過去の成功体験の呪縛から逃れられず未だに必死にすがりつこうとしている。

そんな私たちが、新時代を切り拓いていくために、育んでいかねばならない力とは何か?
私たちに求められる力は3つある。

●仮説思考であらゆる局面を想定し解決策の選択肢を提案していく力。
●ゼロベース思考で21世紀社会のビジョンを描く力。
●多くの人たちの知恵を結集し、共にアクションしていく力。

これらの力を鍛練する場が一新塾である。

一新塾設立から7年。これまで、「主体的市民の輩出」を目指し、異なるバックグラウンドを持つ塾生と講師が"主義主張を超えて"議論し切磋琢磨してきた。毎週の講義が終わっても終電まで議論を続けたり、休日集まって現場を見学に行ったり、そうした積み重ねが最終的にチームの「政策」や「活動計画」に纏められてきた。問題解決の為に、法律案を提言に纏めるチームもあれば、NPOやコミュニティビジネスの活動プランに纏めるチームもある。
そんな活動が繰り返される中で、主体的市民として行動が少しずつ芽生えてきた。生活者の立場で政策提言を実践する者、国会議員、地方議員になった者、長野で無党派知事の誕生の一翼を担った者、起業する者、NPO活動を始める者たちが様々なフィールドで動き始めた。

私たちは、異なる個性と個性が1つに結びついた時、計り知れない力が生み出されることを知っている。プログラムの中では、個々の知恵をコーディネートすることで結集し、共にアクションしてゆく力を鍛錬していく。また、影響力を持つ議員の方に私たちの考えた政策を提言する機会もある。あるいは、独自の提言戦略を実践する上で、一新塾の持つネットワークを活用できるように常に準備を整えてある。
一新塾では、私たちの声を社会に反映させていく為にどうすればいいか、あらゆるトライアルを繰り返し、「市民参加の新しいモデル」の構築を目指す。答えは与えられるのではなく、個々が仮説、実行、検証を繰り返す中で独自の方法論を探究していくのである。

「変革しなければ未来はない」と時代から突きつけられている今だからこそ、私たち自身が立ち上がらなければならない。ここに集う同志と共に新たな時代を切り拓いていこう!

政策学校[一新塾]事務局
マネジャー 森嶋伸夫

一新塾ニュース「今のニッポンを変えろ!」メールマガジンのページに戻る