一新塾ニュース  第29号
発行日:2001年7月13日

「一票の責任」
若狹義臣 (一新塾第7期生)

「選挙について思うことを書いてもらえませんか?」一新塾の近藤さんにそう言われたのは7月4日の朝でした。初めて「青天の霹靂」という言葉の意味を実感しました。まさか自分にお鉢が回ってくるとは思っていませんでしたので(笑)

誰かに請われて文章を書くと言うのは初めてです。思いのほか照れるもので、正直荷が重いとも思いましたが、一度引き受けた以上、自分の発言には責任を持たなければいけないと思い、最低でも締切だけは死んでも守ろうと心に決めました。

そんな事を考えていて、ふと気が付いたのですが、「責任を持つ」というこの感覚は、選挙について自分が抱いている気持ちそのものだったのです。

成人して自分に選挙権が与えられた当初は、漠然と「権利なら行使しないと損だな」程度に思っていました。実際投票権を得て最初の選挙ではあまり深く考えずに投票したことを覚えています。

ですが、この2年余りの間に自分でも驚く程心境が変化しました。何気なく読んでいた雑誌の広告がきっかけで一新塾に入塾して、大前研一塾長の考え方に触れたことが一番大きかったと思います。

大前塾長のマスコミ各誌での掲載記事や論文を集めた会員制情報誌『大前研一通信』のVOL.67に収録されている論文の一つに「4つの責任」について書かれているものがあります。
「社会に対する責任、家族に対する責任、会社に対する責任、世界に対する責任」この4つの責任が果たせるなら、あとは好きなことをしてもかまわないと、大前塾長は常々ご子息に説いていたそうです。

責任ということを視点に選挙を見たとき、漠然が確信に変わりました。「権利を権利として行使する以上必ず義務と責任を内包する」

選挙権・参政権(被選挙権)は権利です。当然権利を行使する人は、義務と責任を負わなければなりません。
投票者は自身の一票に責任をもって候補者を選択する義務があります。候補者は自らがこれから得るであろう権利に対して責任と義務を負わなければなりません。

参院選の投票日が近づくにつれ、各メディアで選挙関連の特集が多く見られるようになりました。これらを利用すれば、政党や候補者の政治理念・政策について、比較的簡単に知ることが出来ます。
自ら行使する投票という権利に対して有権者としての責任と義務を果たす為に、候補者の見極めをしていきたいと思います。



■編集室より

何と若狹さんも将来は政治家を目指しているとのこと。今回の選挙に対するまなざしも真剣そのものです。


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