一新塾ニュース 2001年3月2日号(第17号) みなさんこんにちは。まだまだ寒い日が続きますね。 「一新塾ニュース第17号」は、一新塾一期生で、現在でも一新塾で政策 運営スタッフでご活躍いただいている前澤哲爾さんをご紹介します。 前澤さんは1951年生まれ。ソニーPCL株式会社にてご活躍の傍ら、 (社)日本映画テレビプロデューサー協会・国際交流委員会副委員長、 (社)日本映画テレビ技術協会評議員、シャプラニール=市民による 海外協力の会運営委員、電気通信大学非常勤講師(メディアリテラシー)など、 多彩な活動をなさっています。 【第17回テーマ】 「日本にフィルムコミッション(FC)ができるまで」 前澤哲爾(一新塾一期生) FC設立研究会世話人 FCとは、自治体などが映画・テレビ・CM等の撮影誘致し、便宜を図る非営利組織。 世界25カ国に 275組織あるが、2000年まで日本には1か所も存在しなかった。現在までに大阪、神戸、北九州、横浜で発足し、さらに各地で設立検討されて いる。 一市民がこうしたムーブメントを起こすことができるだろうかという不安もあった。昨年2月25日、映画製作者、4省の現役官僚、関連団体関係者、地域リーダーを中心とした「FC設立研究会」を立ち上げた。ここでFC設立を促すための「提言」を検討した。 この活動は、新聞などに大きく取り上げられ、流れは日に日に大きくなっていった。6回の研究会を経て「中間報告書」を作成、東京で「全国シンポジウム」を開催し、発表した。その時、19都道府県、9政令指定都市、11地域が参加し、さらに広がりをみせた。 本年1月「ニュースステーション」「おはよう日本」などで特集され、このFCの存在が一般まで浸透するまでになった。5月には、FCの全国組織を作るべく準備中である。 この成功は何から生まれたか。一番大きいのは、各地域には元々潜在的にニーズが強くあったことである。しかしそれが今まで成立しなかったことには理由がいくつかある。 1、国の対応などが不明確な中で、地域行政がFC設立に積極的に対応しなかったこと。 2、映像産業として通産省、芸術として文化庁が関わる以外、担当部署がなかったこと。 3、映像関係団体は職能的に細分化されていて、横断的なFCの提案は大きすぎたこと。 これに対して、どこにも依存することなく、私たちのイニシアティブで「この指とまれ」方式の活動を活発化させたことが功を奏したといえるだろう。 この方法は、他のプロジェクトにでも充分使えるものだ。FC設立の活動は小さなものだが、実はそれを基盤にして次のステップがある。具体性の積み重ねによって、日本(アジア関係)が変えられるという実感を掴んでいる。 注目していてほしい。また同志は何時でも大歓迎である。 ■編集室より 今回原稿を執筆してくださった前澤さんより、次を担う方々にむけ、熱いメッセージをいただいております。 「入塾する人へのメッセージ」 前澤哲爾 日本をすぐに再生させることは難しい。 しかし、再生を目的として活動を開始することはできる。 その一翼を担う人を求む。 その人に必要なのは、知識よりも知恵である。 その知恵は4つの場面で使われる。 「必要な情報だけを収拾する能力」 「課題を抽出する分析能力」 「解決方法を編み出す創造力」 「実行に移すための組織力」。 君に知恵はあるか。 一方、訣別すべき事は「責任転嫁」「一般的評論」「優越的態度」だ。 君にできるか。 |
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