一新塾ニュース
6月29日号(第7号)

【第7回テーマ】 「第42回総選挙を終えて」

 一新塾サポートスタッフ 倉田 剛

 第42回総選挙は25日投票・開票された。結果は自・公・保連立与党が安定多数を辛うじてこえて271議席(65議席減)民主党は127議席 (32議席増)自由党が22議席(4議席増)社民党が19議席(5議席増)共産党が20議席(6議席減)であった。与党、野党ともに負けたとしか言えない結果となった。

 与党は安定多数を確保したとはいうものの、改選前より65議席減らしており、東京、神奈川、愛知等で小選挙区で民主党に第一党の座を奪われ、さらに、それ以外の県でも県庁所在地の選挙区である「〜1区」の多くでも議席を失った。自分たち都市住民の税金を何の効果もない公共事業につぎ込んできた与党に対して、明確に「NO」をつきつけたわけであり、このことの意味は今後の政策に取り入れていかなければならないであろう。もし、そうしなければ、来年の参議院議員選挙では前回の参議院選挙以上の大敗北を喫することは間違いない。

 それでは、民主党は期待できるのか。改選前に比べ32議席増えたとはいえ大勝利とはいえず、もっとうまく選挙戦を戦っていれば150議席以上はとれたであろう。伸び悩んだ原因としては課税最低ラインの引き下げを主張するのは良いが、その増税分を何に使うのか有権者を納得できる具体策に乏しかったこと、そして政権の枠組みを与党側から突っ込まれて明確な答えを出せなかったことなどがあげられるであろう。政権の枠組みについては民主党だけで政権を獲るというくらいの意気込みがほしかったものである。その点、党首の鳩山氏の力量不足は否めないと思う。はっきり言ってけんか上手の菅直人氏がガンガン前面に出た方がまだ良かったであろう。その結果として本来民主党に来るべき票が自由党、社民党に流れたと思われる。

 それでは、今回の選挙では誰が勝者なのであろうか。それはやはり公明党(というより創価学会)であろう。議席数こそ11議席減らしてはいるものの、連立与党において強力なキャスティングボートを握ったことは間違い無い。自民党との共闘となった選挙区でも公明党の独自候補者がバタバタと落選した。思えば前回の衆議院議員選挙の直前、自民党は創価学会(例の池田会長を羊に見立てた)批判ビラを大量に配っていた。それが今回の選挙では公明党候補者に投票を、と言われても、よほど信念がない人でない限りできるわけがないであろう。それに対して創価学会員は上層部の決めたことにはほとんどが従う。その結果、創価学会の協力した自民党候補はその恩恵に与ったものの、その逆はほとんどみられなかった。公明党(創価学会)が自民党に売った恩は大きく、そのことが政局に与える影響は大きい。昨年の商品券のようなポピュリズム的国民を見くびったような政策が実行されることになろう。逆に良い方に考えると、公明党は環境問題に熱心なので、せめて、この分野で企業べったりの自民党には考えられないような法案をそのキャスティングボート駆使して成立させていただきたいものである。

※今回の選挙で一新塾OBとして加藤公一さん(民主)が当選され、一新塾出 身の初の衆議院議員となりました。また、一新塾で講師をされたりいろいろと協力していただいた長妻昭さん(民主)も当選されました。本当に心よりお祝い申し上げるとともに今後のご活躍を祈念いたします。

一新塾ニュース「今のニッポンを変えろ!」メールマガジンのページに戻る