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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!

【 第487号 】 発行日:2012年8月6日

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■ 塾生活動レポート

『自立支援の会』
~糖尿病患者さんの生き甲斐に向けて~

       一新塾第28期[2012年5月卒塾] 馬渡葉子 

■【参加者募集】「第31期説明会&体験ワークショップ」
  ~"根っこ力"が社会を変える!~第31期2012年11月4日開講
申込 http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

●東 京: 8月22日(水)19:30~21:40
●東 京: 8月25日(土)15:00~17:30
●東 京: 8月29日(水)19:30~21:40
●東 京: 9月 5日(水)19:30~21:40
●東 京: 9月 8日(土)15:00~17:30
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●大 阪: 9月 1日(土)13:00~15:30
●大 阪: 9月29日(土)13:00~15:30
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●名古屋: 9月 2日(日)13:00~15:30
●名古屋: 9月30日(日)13:00~15:30
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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
本日は、今年5月に一新塾第28期を卒塾された馬渡葉子さんのメッセージをお届けします。

馬渡さんは、10年以上病院に勤務し、その間に多くの糖尿病患者さんの栄養相談に携わっています。5人に1人は糖尿病を否定できないといわれる昨今、患者さんを取り巻く社会や一般の方にも理解と支援の輪を広げて「新しい支援」の在り方を実現していきたいと、昨年5月に一新塾第28期に入塾、プロジェクトを立ち上げ、同志とともに活動を開始しました。

一新塾チーム立ち上げプレゼンテーション今までのような医療従事者による一方的な指導ではなく、一般人も交えたコミュニティの中で、自分の体験談を語ることによる啓蒙活動と自分ができることは何か、自立するためには社会や環境はどうあるべきなのかを共に考えて主体性を養っていくように働きかけていきたいとの思いで奮闘されています。(写真は昨年7月のチーム立ち上げプレゼンテーションの場面です。)

 志を生きる馬渡さんの熱きメッセージをお届けさせていただきます。

塾生活動レポートーーーーーーーーーーーーー
『自立支援の会』
~糖尿病患者さんの生き甲斐に向けて~
        一新塾第28期 馬渡葉子
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●なぜ、健康であり続けたいのか?

 「寝たきりになって家族に迷惑をかけたいくない。だから、健康のために歩いている。」

 一新塾の活動で、公園を散歩する高齢者の方々が口を揃えて発した言葉です。私が病院で栄養相談をしていた時にも、「孫の花嫁姿を見るまでは元気でいたい」「ご主人と 旅行に出かけたい」「友人と趣味を楽しみたい」など、「大切な人」の為に健康でいたいという声を聞いてきました。しかし、この「大切な人」とのつながりが失われようとしています。

 今、独居で社会から孤立する有疾患の高齢者が増えてきています。

 板橋区高島平団地(2、3丁目)在住の55歳以上(1,500人)を対象に平成23年8月に実施されたアンケート調査によると、平均年齢は70.3歳、世帯構成は5割が1人暮らし。6~8割は通院を要する有疾患者。外出頻度は週の半分以下で、5時間以上はテレビを見て過ごす毎日。別居親族との行き来も5割は1年に数回あるか否か。親族や社会との関係が薄れていく中、室内で倒れてそのままになる(孤独死)への不安がある者は7割をも占めています。

 又、家族がいながらもその繋がりを失いつつある現実。元旦でさえ、一人寂しく病室で過ごす高齢者の姿を幾度も見てきました。本人は帰りたくても家族が受け入れようとしない、病院を「姥捨て山」としか捉えていない家族に腹立たしい思いを抱いたことを覚えています。

 又、世界に誇る最先端の医療技術を有しながらも、糖尿病をはじめとする生活習慣病は蔓延。40歳以上の5人に1人は糖尿病及びその予備軍。寝たきりの要因になる「脳梗塞」「心筋梗塞」の背景には、糖尿病が原因による動脈硬化の存在がある事実は意外と知られていない。そして、この糖尿病の発症要因はライフスタイルに依る部分が大半であるが、自覚症状がないゆえに放置され、重度化しやすい事。

 私は、上記2点を「健康なまちづくりとコミュニティ」で解決できないかと微力ながら活動を始めました。

●私の活動の原点

 私が育ったのは、どこにでもありふれた平均的なサラリーマン家庭。どちらかといえば、祖父母と同居で両親、妹、弟を含めての7人暮らしであったため、かなり質素な生活。家族旅行も外食もほとんどなかったのですが、教育だけは熱心で、受験前には塾通いをさせていただきました。

 しかし、大学受験を失敗。予備校に行くお金もなかったため、「嫁入り道具」として「栄養学」のある短大へ流されるままに進学。

 人生の目標を見失った私は、病院勤務で糖尿病患者さんとの出会いによって救われました。「今日は診察はないんだけど、あなたとお話がしたくて立ち寄ったのよ。」とか「この酢の物の味付けはどうかしら?」と惣菜を持って来られる方等。本来、来院の目的は診察ですが、この時に出会った糖尿病の患者さん達はとても親しみやすい方々が多く、まるで娘や孫のように慕ってくださいました。
こんな自分でも役に立っているのだと実感しました。

 そして、忘れられない糖尿病の86歳の独居のお婆ちゃん。
腰は曲り、膝が悪く杖をつき、背中に背負う大きなリュック。自炊は苦手だからとインスタント焼きそばと義歯が合わないからとリンゴジュースの毎日。友人もおらず、家では人形だけが話し相手。リュックには、リンゴジュースを作るために上野で買ってきたリンゴが一杯でした。
毎月の外来の栄養相談の日を楽しみに、時間前になると待合室でちょこんと座っている小さな後ろ姿。「こんにちは」と話しかけると満面の笑み。「来月、また元気な姿を私に見せに来てください」が毎回の見送りの言葉でした。しかし、月1回話を聞くことしかできない自分に限界を感じました。・・・もっと身近な場所で支えたい。

 あれから5年。一新塾の入塾のきっかけは、1年前に入塾し政治家を目指そうと奮起した主人に影響を受けて、次は私が心の奥底に眠る何かを呼び起こしたい。
そう思い立ったのが発端です。これから1年後、主人は政治家へ、私は市民活動の道へとお互いに別々の道を歩み始めることになります。

 人にはそれぞれ持って生まれたフィールドがある、それは削ぎ落とし、研ぎ澄まさないと見えてこないもの・・・この1年間を通して自分が辿り着いた持論です。

●「ヘルスタウン板橋」から「自立支援の会」へ

 2011年8月に「板橋のまちをスポーツジムにしたい」と一新塾の同志と「ヘルスタウン板橋」プロジェクトチームを発足。当初の目的は、お金をかけずに「健康づくり」を通して「住民同士」の交流の場と機会をつくりたいというものでした。

 そして、チーム発足から2ヶ月後の10月23日。「板橋区常盤台」のまちが「スポーツジム」となった記念すべき日です。「第1回ときわ台スタンプウォークラリー」を決行。知らない住民同士がペアになり、会話を楽しみながら、スタンプ設置場所である飲食店や公園にスタンプを求めて歩いて頂きました。。事前に歩幅も測定することで、歩数計がなくてもコース別に推定歩数を導き出し、日常のお散歩コースに加えてもらうことを目的としました。参加者は14名。皆さんから「楽しかった」「もう一度やってほしい」といった意見を頂きました。

 そして、プロジェクトのメインの対象者は誰なのかを定めて、さらなる一歩踏み出すことにしました。そこで、脳裏によみがえってきたのが糖尿病のお婆ちゃんです。ここから、プロジェクトは糖尿病患者さんの生の声を聞き、患者さんの住みやすい社会をつくる「自立支援の会」へとシフトしていきました。

 しかし、病院を離れた今、患者さんにアクセスすることは容易なことではありませんでした。糖尿病患者さんの生の声を聞くために健康講座開催のチラシを900部印刷し足が棒になるまで、町中をポスティングして回りましたが集客はゼロ。さらに、東京にある130近い糖尿病友の会や関連団体から活動実績のある団体とのアクセスを試みるも断られる日々。そんな中、ある一つの団体の医師に興味を持っていただくことができました。

 それをきっかけに、一新塾の卒塾式1週間前にして、「暮らしの健康講座」を開催することができました。そこでは、自然と糖尿病患者さんが自らの体験談、糖尿病は自覚症状がないゆえに軽視していた事、検査を怠っていたがゆえに片目の視力を失った事・・・たくさん語ってくださいました。医療従事者がいくら統計的なもので糖尿病の脅威を訴えても、当事者の体験談にかなうものはないと実感しました。その体験談から一般の参加者の方への理解と共感の輪を呼び起こすことができました。

 半年間、努力が全く報われずに投げ出したい時もありましたが、諦めずに続けてきてよかったと心の底から実感した瞬間でした。

 「糖尿病患者さんによる糖尿患者さん(予備軍の方)のためのまちづくり」このビジョンこそが、一般の方への啓蒙活動にもつながると考えています。私はあくまでも「糖尿病患者さんが主体性を持って活きる『場』と『機会』」を創る存在です。

●生き甲斐を創出するコミュニティ

私は糖尿病の患者さんの身近な支援者をつくっていきたいです。糖尿病の患者さんが住む近所の飲食店や商店街の皆さんに「糖尿病患者さんを見守っていてほしい」のです。

 そのためには「まちの皆さんが病気や生活、栄養に関する正しい知識」を持つ必要があります。そして、糖尿病患者さんが病気と上手く付き合えるような選択肢を増やしたいのです。

 そのための「健康講座」を開催し、一般の方とをつなぐコミュニティをつくります。自分の健康を一緒に考えてくれる仲間をつくることが生き甲斐の創出につながります。

 そして、この活動の延長線に、冒頭で挙げた独居の有疾患高齢者の自立支援を目指しています。

 今は、糖尿病友の会の皆さんと一般の方とを交えた講座を継続開催しており、8月19日に第3回目を予定しています。地道ですが、継続することで少しずつ支援の輪を広げていこうとしているところです。将来的には、健康相談や料理教室を併設した「デリカフェ」をつくりたいと考えています。

 人が自分の人生を寝たきりにならずに最後まで全うしようとするには、「心の支え」が必要である・・・私の辿り着いたもう一つの持論です。

 よろしければ、私の現在の活動のホームページもご参照下さい。
→【葉っぱのキッチンホームページ】http://leafkitchen.info/

□□□□[一新塾体験講座&説明会]□□□□
テーマ:「"根っこ力"が社会を変える!」
講師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
  ~第31期11月4日開講に向けて~
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 いま、時代は何を求めているのか?
 いま、自分は何をすべきなのか?

「自ら理想の社会ビジョンを描き、私たちの手で実現させる!」

 社会創造の作業は、政治家や官僚の特権ではありません。
最も創造的で心躍るこの作業こそ私たちの手に取り戻したいと思います。

 「一新塾体験ワークショップ&説明会」では、一新塾に積み上げられた誰もが志を生きるための知恵をお伝えします。

 ぜひ、東京、大阪、名古屋の会場にお越しください。

【主な内容】
 ●試練の時代を乗り越える自分軸の作り方
 ●ゼロベースでビジョンを描く
 ●現場主義で道なき道を切り拓く
 ●不可能を可能にする同志とのコラボレーション
 ●削ぎ落とす学びで「もやもやの思い」から「鮮明な志」へ
 ●「根っこ」と「幹」をつなげるフレームワーク「6 つの箱」
 ●一年間で人生と社会をここまで変える!
 ●三束のわらじを履こう
  ~「社会起業」「政策提言」「市民プロジェクト」
 ●塾生・卒塾生の挑戦の紹介
申込→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

東京本科 説明会&体験ワークショップ

日時:
①2012年8月22日(水)19:30~21:40
②2012年8月25日(土)15:00~17:30
③2012年8月29日(水)19:30~21:40
④2012年9月 5日(水)19:30~21:40
⑤2012年9月 8日(土)15:00~17:30

 会場:一新塾セミナールーム
(住所)東京都港区芝3-28-2カスターニ芝ビル2F

大阪地域科 説明会&体験ワークショップ2回

①日時:2012年9月 1日(土)13:00~15:30
【会場】「市民交流センターひがしよどがわ」303教室
(住所)大阪市東淀川区西淡路1-4-18

②日時:2012年9月29日(土)13:00~15:30
【会場】「難波市民学習センター」第2研修室
(住所)大阪市浪速区湊町1丁目4番1号 OCATビル4階

名古屋地域科 説明会&体験ワークショップ2回

①日時:2012年9月 2日(日)13:00~15:30
【会場】「ウィルあいち」会議室5
(住所)愛知県名古屋市東区上堅杉町1番地

②日時:2012年9月30日(日)13:00~15:30
【会場】「ウィルあいち」会議室6
(住所)愛知県名古屋市東区上堅杉町1番地

< 一新塾「第31期」概要 >ーーーーーーーーーーーーー
◎開講:2012年11月4日(日)
◎期間:12ヶ月
  『講義』『プロジェクト実践』『コンサルティング』
   平日夜間・土日で学びます(月4~5回程度)
◎コース:
 政策提言コース・社会起業コース・市民プロジェクトコース
◎ 科:本科(東京)・地域科(大阪・名古屋)・通信科
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