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         一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
          【 第366号 】 発行日:2008年12月29日
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■ 塾生活動レポート

         『 映画の力!伝えるというミッション 』
           〜映画「こんにちは歌舞伎」始動!〜

                       第20・22期生 野田香里

■【 参加者募集 】誰もが社会創造のプレイヤーになれる!

   一新塾入門講座  『社会ビジョン探究&問題解決ワークショップ 』

   日 時:2009年2月15日(日)13:30〜18:30
   講 師:森嶋伸夫 (一新塾代表理事・事務局長)
   参加費:3000円
  → http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/ev_mosikomi.html
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  メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
年末の慌ただしい土日でしたが、27日・28日と一新塾生は新しい年の開幕に
向けて切磋琢磨の2日間でした。

 27日は、第22期生(08年5月入塾)「チーム活動特訓講座」でした。
土曜日の昼から夜まで、7時間半にわたってグループワークに取り組みました。
プロジェクトの政策立案と事業プランを これまで活用した14のフォーマット
を集中して再取組みし、ブラッシュ アップしました。
混迷を極めるこの時代だからこその、ワクワクする突き抜けたビジョンを、
原点に立ち戻って描きなおしました。

  28日は、22期「稲城宿プロジェクト」チーム主催で冬の里山体験イベント。
稲城の多摩丘陵は電車で30分で行ける都心からもっとも近い大規模な里山です。
昨日は雲ひとつないぽかぽかの晴天に恵まれ、朝の9時半から私も参加させ
ていただきました。
  きのこ狩り、ネイチャーゲーム、収穫野菜で炊き出し鍋パーティーと、
一新塾メンバーと地元の人たちと里山の魅力を存分に味わい楽しい交流の場が
生まれました。また、「里山保全」と「塾生活動の発展」を祈願した植樹祭も
行われました。

 さて、今回の『塾生活動レポート』は、第22期で「ホームステイ受け入れ」
プロジェクトを立ち上げ、奮闘中の野田香里さんに登場いただきます。
  野田さんは、ご自身が24歳で渡米し国際経営修士号取得の後ニューヨーク
で就職した体験を綴った『ニューヨークからの採用通知』の著者であり、
その後、エッセイや短編小説を書くことで執筆の世界に入られました。
 野田さんの熱き思いとメンバーとのすばらしい協働をお伝えさせてください。


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■■■■■ 塾生活動レポート
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■■■        『 映画の力!伝えるというミッション 』
■■■■         〜映画「こんにちは歌舞伎」始動!〜
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■■■■■■□             一新塾第20・22期   野田香里

  街路樹が色づく11月の終わり、私の初監督作品であるドキュメンタリー映画、
「こんにちは歌舞伎〜竹本清太夫みなかみへ行く」の試写会が行われました。
準備のため前日は、一新塾の仲間も睡眠3時間。試写スタッフの中心的な役割を
「ホームステイ受け入れ」PJのメンバーがほぼ総出で担ってくれたのです。

 映画は、群馬県みなかみ町で撮影した、地方歌舞伎がテーマのドキュメンタリー。
先日はチームのミーティングで、これからはプロジェクトの一環として、
歌舞伎の映画も取り組んでいこうと決まったばかりです。ここ数ヶ月のあいだに
なぜこのような展開になったのか――そのことを通じて、一新塾とは何か、
プロジェクトとは何か、私なりの気づきをお伝えさせていただければと思います。

●自治体の取り組みに新しい時代を読む

 「ホームステイ受け入れで、ニッポンの人と地方を元気にする」を目標に、
今年の8月「ホームステイ受け入れ」PJを立ち上げました。きっかけは、雑誌
「北海道生活」の仕事でした。地方文化のPRをする立場となり、北海道や全国の
自治体の、外から人を呼び込む苦労、官民の取り組みをまのあたりにしたのです。

 東京生まれの私に加え、北海道出身、長野出身、徳島出身、金沢出身と、多様な
メンバーが集まりました。けれど私たちはまだ、いわゆる「現場」を持たない身。
まずは小布施(長野県)観光カリスマ塾、葛巻(岩手県)や佐渡(新潟県)の
視察等、地元の人々との対話を求めて、どんどんチームで出かけていきました。

●映画作りの効果に、メンバーが開眼!

 そんな視察のひとつ、11月のはじめに佐渡の野浦を訪れた時のことです。
偶然近くの集落で、戦争中、女性だけで歌舞伎を演じたという貴重な話を伺い、
今は70代になる当時の「娘たち」をインタビューできることになりました。
いきなりプロジェクトメンバーを撮影助手に仕立て、映画撮影が始まりました。

 人は、カメラの前でこそ雄弁になる……! その場にいたメンバーは皆、
映画作りは、人と人とを非常に親しい関係性で結ぶものであると実感しました。
この体験は、地方の暮らしと文化を発掘したいと願う自分たちの考えとも重なり、
映画作りに対して、メンバーが理解と共感を示してくれるきっかけとなりました。

●「こんにちは歌舞伎」始動!

 「こんにちは歌舞伎」は今後シリーズとなり、子どもや若者に向けて学校などで
上映する準備を進めています。みなかみ町教育委員会後援作品としても認定され、
早くも来春、『ドキュメンタリー映画を通した地域資源プロモーションを考える』
とのテーマで、三重県庁の地域おこし関連セミナーに呼ばれることになりました。

  こうした動きのすべての始まりは、11月の試写会でした。上映後のアンケートの、
この映画をどんな人に見せたいかという質問に「子どもたちです」「都会の小学生」
「日本のために何かしたいと思っている若者、大学生など」「全国の学校で上映」
「地域社会の振興にヒントになる役所、町おこし村おこしをしている人々」
といった意見が、マスコミを含めて多く寄せられたのです。

 急遽1月末には「こんにちは歌舞伎」ワークショップを一新塾で行うことになり、
みなかみ町で行なわれた関係者試写にもメンバーのひとりが同行してくれました。
広報、翻訳、ウェブ制作など、それぞれが得意な分野ですぐに動ける体制ができて
いるのは、何度も重ねたミーティングのおかげかと思います。

●ひとつの「根っこ」で人はつながる

 もともと私はアメリカで働いた体験を本にし(『ニューヨークからの採用通知』)、
その後、エッセイや短編小説を書くことで執筆の世界に入りました。
歌舞伎の映画を撮ることも、ホームステイを通じて地方を元気に!という思いも、
私自身が選んだ、物書きという職業も、海外書籍や絵本の翻訳といった仕事も、
すべて同じ「根っこ」にも基づいています。それは、
――異なる価値観や違う文化を知ることにより、人は豊かになる――
根っこがひとつだからこそ、プロジェクトとしてもひとつにまとまっていくのだ
とメンバーは言います。

 来年は、まず農村歌舞伎の地である塩沢や佐渡などで外国人ホームステイを企画、
日程はもちろん歌舞伎の撮影にあわせて! 参加者は映画作りの雰囲気も味わえ、
地元との絆もぐんとふかまるでしょう。そして私にとっても、すべての行動は
取材が基本となることから、さまざまな活動が一本の線上につながっています。

 
●メンバーの温かさと真剣さに支えられて

 一新塾のプロジェクトとは何かと聞かれたら、私は、こう答えます。
「プロジェクトを通じて、それぞれのメンバーが成長していくプロセス」だと。

 卒論に迷っていた大学生のメンバーは、卒論テーマをホームステイにして大前進、
「ホームステイが本当に人と地方を変えるのか」という課題と向き合いました。
地方の人と深く話をするようになり、ものごとの見方が変わったと話すメンバー、
この機会に、映画の撮影を学びたい!というメンバーもいます。
そして私自身は「伝えるというミッション」を果たすために、メンバーとともに
歌舞伎の映画を社会に送り出そうと一歩踏み出しました。

 プロジェクトを糧にメンバーが、それぞれのステージで、それぞれに進化していく――。
それこそが、一新塾のプロジェクトの醍醐味であると実感しています。
笑いがたえず、論理的で頭脳優秀、ハプニングも楽しみつつ見事に解決してしまう
この温かなメンバーを、私はいつまでも大切にしていきたいと思っています。

※「こんにちは歌舞伎」ホームページ 2009/1/15オープン予定
  http://www.kabukifilm.com

 



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