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        一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
         【第244号】 発行日:2006年5月19日
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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
  今回は、先日開催いたしました一般公開講座「エイズ予防啓発ソング
  がマラウイの若者を変えた!」のイベントレポートをお伝えいたします。

  山田さん自身がマラウイでHIV/エイズの問題を目の当たりにし、現場
  の痛みを吸い込んで、同志を巻き込みながら歌をヒットさせ、ムーブ
  メントをおこしていった一大奮起のドラマです。

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 一新塾講義ノート       【イベントレポート】
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 「アフリカで日本人の歌が大ヒット! 
   エイズ予防啓発ソングがマラウイの若者を変えた!」

■当日のスケジュール

 ○山田耕平さん紹介映像
  ○ミュージックビデオ「ディマクコンダ(愛してる)」
  ○講演と質疑応答
  ○一新塾方式ワークショップ
    「テーマ:山田さんと、この歌で日本でのHIV/エイズの予防対策を
          広めるには、どんな方法があるだろうか」
    →各チームのプレゼンテーションと山田さんからのコメント
  ○山田耕平さんからの総括とメッセージ

■山田耕平氏講演内容(一部)

●青年海外協力隊としてアフリカへ

 私は、最初から歌をつくろうと思っていたのではなくて、新卒で青年海外
協力隊としてマラウイに行きました。現地の村に入って村落開発普及員として
現金収入向上の要請に応えるプロジェクトを現地の農民の方々と共に行いました。
2つのプロジェクトをやりました。

 現地で1年したら、生活にもなれ、友人もでき、仕事にも慣れてきて、
コミニティにしっかり入って、マラウイの色んな現状が見えてきました。
その中で多くの死を目にすることになりました。その中でも一つの大きな原因
がHIV/エイズでした。その深刻さが目に見えるわけです。

 日本にいて、HIV/エイズ、今唯一先進国の中で新規感染者数があがって
いるのが日本と言われていますが、だからといって皆さんのまわりで、友達の
中でHIV/エイズに感染されている方っていないと思うんですけど。マラウイ
では非常に多いんですよね。自分はエイズだとは言わないですけど、日々、
非常にお葬式が多いわけです。

 自分の友人でも急に痩せて体にボツボツが出てきていたので、「HIV
ポジティブかもしれないから、調べにいったほうがいいよ。今は死ぬ病気じゃ
ないから。治療薬は順番を待てば、順番がまわってくるから。奥さんも娘も
つれて行ったら?」と伝えました。結果、彼も奥さんもポジティブで二人の
赤ちゃんも一ヵ月後に亡くなってしまいました。
そういうことが身の回りでおこっているわけです。

 私は若者たちにも、エイズの話をしていきました。マラウイでは情報に
アクセスできる人と出来ない人がいます。村の奥地にはいるとエイズの存在すら
知らない。知っていても偏見があったりして検査に行かない現状がありました。

●歌を作って、伝えたい

 そんな中で「エイズの歌をつくったらおもしろいかな。」と思って動き始めま
した。こういういいお仕事ができる時は、非常に多くのよい仲間と巡りあえる
んですよね。

 一人は、マラウイのトップアーチストの方でムラカ・マリロさんという方
ですが、彼との出会いが一番大きな出会いでした。彼が僕の任地にコンサートに
来た時に、彼の歌が大好きだったので歌を覚えていて、外国人の特権でちょちょっ
と舞台に上がって一緒に歌ったんですね。電話番号を交換して。その時はそれで
おわったんんですけど。

 ある日、エイズの歌をつくったら面白いなと思った時に、僕が歌詞をつくって
彼のところにもっていったんですね。「一緒に歌わないか?」と。そしたら二つ
返事で「いいよ」と。「全部チャリティーでやりたい」って伝えたら「曲は
つくってあげるから、おまえ一人で歌ったらどうか。」と。
それで、レコーディングしました。

 彼のおかげで本当にいい曲をつけていただいて。マラウイの曲は全部明るくて、
踊れる曲がみんな大好きで、マラウイの方は曲聴きにくるというよりかは、
踊りにくるという感じなんですよ。それが非常に受け入れられた点だと思います。

●お金をかけずに歌を広めるには?

 それから、絶対ミュージックビデオも創ろうと思っていました。というのは、
マラウイは経済が発展してませんから、民間企業は非常に少ない。テレビ局は
1社ありますが、コマーシャルがないので番組が創れないわけです。でもテレビ
は24時間やっているわけです。じゃあ何をテレビで流しているかというと、
ミュージックビデオを流しているんです。もし、エイズの予防啓発のコマーシャ
ルを流そうと思ったらお金がかかるけど、ミュージックビデオだと著作権使用料
が入ってきてなおかつ、僕の歌が6分流れるわけです。
これは、いい面白い媒体だと思いました。

 ちょうどそのタイミングで、僕もついているというか、協力隊として
元・テレビ局でカメラアシスタントをしていた新田君がやって来ました。
で、「協力してよ」、と。ミュージックビデオを作るのを手伝っていただき
ました。右も左もわからない彼をマラウイ中引き回して(笑)。

 まず、主役のカップル役の俳優を選ぶために、マラウイ大学に行って声を
かけたりしながら、一番僕のイメージにあった女性に決めました。相手の男の子
は、その彼女に紹介してもらって決めて、新田君と撮影をしました。
みんなボランティアで一緒にやっていただいたわけですが、ボランティアだけで
もああゆう作品が出来るんだなと、捨てたもんじゃないなと実感しました。


■ワークショップ〜“本気の旗を揚げた人を相互に支援しあう”〜

 一新塾は、“本気の旗を揚げた人を相互に支援しあうコミュニティ”です。
壁にぶつかっても本気で奮闘している人に、いつも一新塾の仲間が駆けつけます。
一新塾にはそんな風土が培われ、日々育まれています。

公開講座の後半は「日本でもHIV/エイズの予防対策を広めていきたい!」という
山田さんの志を応援するため、参加者が一緒になってアイデアを考えるワーク
ショップを開催いたしました。

限られた時間の中でしたが、参加者の皆さんの自由な発想と、鋭い着眼点、
そして協働力で、「HIV/エイズ予防についての効果的な解決策」のアイデアを
出していただき、充実した時間を過ごさせていただきました。
山田さんも「ぜひ、参考にさせてもらいたい!」とのことで、大変喜んで
いただき、皆さんにお取り組みいただいた模造紙を大事にお持ち帰りになり
ました。

(参加者の感想)

 ○山田さんの活動の話を通じて、大きな意味で啓発や自発を促す活動を
   おこすためには、行動力ときっかけ、協力してもらう人々との連携が
   大切だとわかった。

  ○コンセプトがしっかりしていれば、効果的に啓発活動が行えると
   感じた。

  ○私もエイズ孤児支援の活動をしているので山田さんの思いや理念、活動
   内容を知れて大変よかった。

  ○方法と活動についてグループで意見を出し合う方法はとても効果的
   だと思った。

 ○講義の内容もとても興味深かったのですが、グループワークなどをして、
   一新塾の進め方のイメージがわき、よかったです。

  ○山田さんの話はもちろん、他の参加者の方たちとも意見を交換する
   ことができ、いろいろな考えに触れることができた。

 ★イベントの様子は写真入でホームページを掲載させていただきました!
   http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/event/ev_060515yamadakouhei.html




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