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      一新塾ニュース 〜今のニッポンを変えろ!
      【第178号】  発行日:2005年3月30日

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▼目次
■『恨(ハン)の国 韓国を訪れて』渡辺雅則氏(第13・15期生)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
今回は、2月の韓国現地視察報告の第4弾です。現在、竹島問題
をきっかけ に日韓の政府関係がぎくしゃくしてきましたが、こう
いう時だからこそ、 市民社会間の草の根交流の意義と可能性を
感じます。

今回は、塾生の渡辺雅則さんのレポートをご紹介いたします。

韓国現地視察報告第4弾 ■■■□□■□■ ■■■□□■□■

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■     「恨(ハン)の国 韓国を訪れて」

■■■□□■□■ ■■■□□■□■第13・15期生  渡辺雅則


2005年2月17日、生まれて初めて訪れるまで、韓国は私に
とって近くて遠い未知の国でした。私が韓国に関心を持つように
なったのは数年前大英博物館を見学してからです。

地域毎のコーナーで中国から朝鮮半島を経て日本へ至る間に、
展示物が鮮やかな色彩からシックな白黒へ、華美な装飾から簡素
な模様へと変化していく様を目の当たりにし、改めて朝鮮半島が
日本文化のルーツとなっていることを感じました。

一新塾の韓国視察は、3泊4日の短い間でしたが自分の目で見、
感じ、そして今、韓国の友達とメールを交換しています。韓国が
名実共に近い国になったことを実感します。実に素晴しい機会を
与えてくれました一新塾に感謝を申し上げます。

以下今回の旅を通して感じたことをお伝えします。

今回の旅をきっかけにして韓国について関心を持ち勉強をする
うちに日本と朝鮮半島の歴史を知ることの大切さを再認識しま
した。歴史は学生時代の昔にかじっただけで社会人になってから
は忙しさにかまけて学ぶこともありませんでした。

当たり前の歴史が分かっていなかった自分が恥ずかしいのですが
今回色々と勉強をして日清戦争や日露戦争が朝鮮半島を巡る争い
であったこと、その結果日本が朝鮮半島を植民地にし36年間
支配したこと、日本の敗戦による力の空白を突いたソ連の進攻
により南北に分断されたこと、敗戦後間も無く勃発した朝鮮戦争
によって兵站基地となった日本が経済的な再建を果たせたこと
などを学びました。

朝鮮半島は日本の歴史の鏡と言っても良いでしょう。

韓国は「恨(ハン)の国」と言われます。歴史を勉強してその
意味するところが分かるようになりました。朝鮮半島はその
地政学的な位置から有史以来大陸勢力と海洋勢力のまさに交差路
に当たり外勢によって侵略と略奪が繰り返されてきました。

朝鮮民族自身で外勢を跳ね返し独立するということが出来ず
常に支配され搾取される立場に立たされてきました。

「恨(ハン)」には私達が考える恨みでは無く支配者に抵抗出来
ない哀しみといった複雑な感情が込められています。

今回ソウル市内の西大門刑務所歴史館を見学しました。日本の
植民地時代 に政治犯を収容していた刑務所跡地を記念館にし、
拷問の様子を生々しく再現して歴史教育の場としています。
小泉首相が訪問したのはひとつの見識だと思います。日本語を
学ぶ韓国の若者達と交流した機会に旧日本帝国による仕打ちを
どう思うか聞いたところ、「昔の話で今の日本がそうだとは全然
思っていない」と笑顔で答えてくれました。

日本への関心が高い彼らの話を割り引いても若者達の日本文化
への憧れはかなり強いものがあると感じます。植民地時代の記憶
が残るお年寄り世代と若者達との世代間ギャップがあるようです。

戦後60年の歳月とオープンな情報化社会が若者達のバランス感覚
を養っているのでしょう。あの歴史館には日帝36年間の傷跡を
若者達に伝えたいということは勿論ありますが、それ以上に
「独立の精神」を伝えたいという民族の心が感じられます。

こうした民族的な感情を考えると、南北統一という大事業は
朝鮮民族にとって有史以来初めて自らの手で勝ち獲る「独立」と
言えるのかも知れません。

前大統領金大中に始まる「太陽政策」は朝鮮民族自ら独立に向け
て一歩を踏み出した意義があると思います。南北分断は日本が
企図したものではありませんが歴史の綾の中で日本の存在抜き
には語れません。日本が友邦として韓国の太陽政策を支援する
役割をもっと積極的に担っても良いと感じます。

帰国後暫くして島根県議会の「竹島条例」制定問題が持ち上がり
ました。韓国で反日感情が盛り上がっているようです。

日本大使館前でデモ隊が国旗を焼いて気勢を挙げているのを
テレビのニュースで見て心配ですが、然し良く見るとデモに
参加している人達は皆お年寄りばかりなので少しホッとして
います。

日韓の感情的な対立は双方にとって百害あって一利無しでしょう。
若い人達の気持ちを大切にして日韓交流が深まっていくことを
願っています。   

 


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