一新塾ニュース
12月25日号<その1>(第11号)
テーマ: 「現役OL、議員に挑戦〜在職立候補を実現!〜」


 今世紀も残すところあとわずかとなりました。今回の一新塾ニュースは、一新塾OGで、杉並区議会議員、そして今期の一新塾サポートスタッフとしてボランティアでいろいろとお手伝い頂いている とかしきなおみさん の、選挙体験記です。ビジネスの世界の人材を政治の世界に進出しやすくするべく、会社に在籍したまま立候補した彼女の戦術をご紹介します。

【第11回テーマ】 「現役OL、議員に挑戦〜在職立候補を実現!〜」

 「現役OL 36歳の挑戦!とかしき なおみ どうぞよろしくお願いいたしま〜す」
99年4月統一地方選の東京都杉並区議会選挙の真っ只中、私は白手袋をして、選挙カーの中で懸命に手を振っていました。しかし何を隠そう前日まではどこにでもいる会社員として銀座で働いている普通のOLだったのです。ではなぜそんな私が無謀にも選挙に打って出ることになったのでしょうか・・・その理由は、すべて一新塾との出会いにあったと言っても過言ではありません。

 一新塾で身に付けた知識を元に、政治を見てみると様々な疑問が生まれてくるようになりました。
 日本はビジネスの世界には豊富な人材が偏っていて、なぜか政治の世界には人材が不足しているのではないか?それは、ビジネスの世界から政治の世界に進出しにくい、会社を辞めないと立候補できない仕組みになっているからではないだろうか。
 この問題を解決するには、仕事を辞めずに立候補する「在職立候補の制度」を浸透させていくことが大切ではないか、という結論にいたりました。そこで私は、自らを実験台として、現役のOLとして在職立候補をまず自分で実践してみようと思いました。

 思い立ったが吉日と、私は一番近い選挙、4月の統一地方選で杉並区議会議員選挙に立候補することを決めました。そこで、自分の「売り」をまず整理することにしました。
 私のセールスポイントは、「在職立候補」。政策はあくまでも分かりやすく、自分のキャリアから最も相応しい「土日区役所を開ける」。基本はこの路線でいくことにしました。
 次に、選挙対策にあたって、自分の強み、弱みを分析してみました。

<とかしきの強み>
・資生堂広報室で培ったマスコミ対応のスキル
・デザイナー関係の人脈を生かしたおしゃれなビジュアル作戦
・友人関係からボランティアの協力者が多い

<とかしきの弱み>
・地盤なし
・資金なし
・選挙経験なし

ここで知恵を絞り、次のような対応策を考えました。
<とかしきの弱みを強みに変える>
・地盤なし⇒・どこでも街頭演説が可能
・資金なし⇒・安くあげる選挙に挑戦、事務所を持たずに身軽に動いた
・経験なし⇒・既存の方法にとらわれない新しい選挙戦に挑戦できる

では新しい選挙戦とは、どのように行うか・・・そこでまた考えました。
・街頭演説は、朝だけでなく夕方に重点を置く
・私の選挙用のチラシは、ターゲット(女性、ビジネスマン、高齢者&障害者)に合わせて3種類作成

 このような作戦を考えながら、同時に私は選挙までのアクションプランを練りました。
(1)選挙の経験者にヒアリング
(2)在職立候補を会社と交渉
(3)マスコミへのPR

『選挙』とは、『マーケティング』です。自分が商品になって、市場に売り出すと考えればいいのです。一票を投じてもらうということは、商品を買ってもらうことと同じなのです。大切なのはマーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)の軸が、決してズレないように選挙の作戦を立てることなのです。

この後、どのようにして選挙戦を戦っていったかは・・・1月31日水曜日19時〜一新塾にて、詳しくご案内します。

 31日は、前半で私の講義は終わらせ、残り時間は受講している皆さんが候補者になったつもりで私の講義を参考にして自分自身の選挙作戦を立てもらいます。そして、皆さんの前で自分の選挙作戦内容をプレゼンし、さらに政策スピーチも1分でして貰います。発表の後、参加者全員で投票を行い、模擬選挙での当落を決したいと思います。

 1年半議員をした感想は、ビジネスで培った能力は、政治の場で大いに活用することができるということです。これからは、ビジネス、政治、それぞれの世界の垣根をもっと低くし人的交流をしていくことが最も大切です。特に政治は、専業になってしまうと庶民感覚を失いがちです。市民と同じ目線で、政治が行われるためには、「在職立候補」「在職議員」の存在が必要不可欠です。私は、その普及にこれから政治活動のエネルギーを注いでいきたいと思います。人間、思い立ったら勇気を持って実践してみましょう。やった後悔より、やらなかった後悔の方が大きいのですから。

杉並区議会議員 とかしき なおみ


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